ききあるきサタデー
 
 
 

 「耳でまちを楽しもう!」というのが、このワークショップの趣旨です。

 耳を澄まして、心に引っかかった音をテープレコーダーで録音して歩き、地図に落としながら「こんな音見つけた」と披露するワークショップです。
 音に注目することで、当たり前に見えていた風景が一味違って見えてきます。そんなところからまちを楽しもう、楽しむことで地域や環境を見直そう、というワークショップです。

 あるとき、視覚障害を持った友人と一緒に外出する機会がありました。もともと私はまち歩きが好きだったので、耳でもまち歩きが楽しめないかと思ったことがききあるきの始まりでした。
 試しに、台湾を旅行したときにテープレコーダーで、寺院での読経の声や市場の喧騒や自動車やバイクの音などを録音してみました。旅行から帰ってみやげ話と一緒にアルバムを見せるように、音を聴かせたらおもしろいかなと思ったのです。
 しかし、一番はまったのは録音した当の本人でした。聴き返すと、アルバムを見るよりもまちの息づかいがリアルによみがえり、まるで、台北の町にもう一度トリップしたかのようでした。

 耳さえあればききあるきはできますが、あえて録音機材を持つのにはワケがあります。
 カメラを持ったときのことを想像してみてください。ファインダーをのぞくと、普段と違って「見る」という行為を強く意識します。カメラのシャッターを押すということは、自分はこれを見たという表明でもあります。それと同じように、マイクを持つことで、「聴く」という行為に意識的になってもらおうというのがねらいです。
 耳は目と違って閉じることができないから、いつでも音が入ってくる、意識しなくても聞いていると思われがちです。
  しかし、本当にそうでしょうか。ためしにまず一度、マイクとレコーダーを持って出かけてみましょう。

     
 
   

1.音を録る
 心地よい音、意表をつく音、思わず笑ってしまう音など、発見した音をマイクとテープレコーダーで拾います。

 

 
   

2.地図に落とす
 拾った音の報告会では、音を再生しながら、ときにはその場面を再現しつつ、見つけた場所を地図に落としていきます。

 

 
   

3.ダイヤグラムに書き込む
 縦軸に「快」「不快」、横軸に「その土地らしい」「その土地らしくない」をとり、音を当てはめてみます。もうひとつの音の地図が広がります。

 

 
   

4.発表する
 同じ音でも、「快」と感じたり「不快」と感じたり、「らしい」と思ったりそうでなかったり、一人ひとり違ったダイヤグラムができます。そこをつっこんだり、耳をかたむけたり、おもしろがったり納得したりしながら、おしゃべりに花が咲きます。