3.新しい類型の地理的分布 |
次に,新しく設定された4つの類型について,その地理的分布を確認していきたい.
1.拡大都市(青):29
2.持続都市(緑):14
3.停滞転化都市(ピンク):37
4.縮小都市(赤):36
5.例外(黄):2
北海道では,札幌だけが拡大都市で,江別が停滞転化都市,他はすべて縮小都市である.
青森,弘前,八戸,秋田はいずれも縮小.盛岡のみが人口を維持している.
東北信越地方では,仙台のみが拡大都市で,福島は人口を維持しているが,以前は持続都市であった山形,新潟,郡山は,会津若松,長岡とともに,縮小都市になっている.
北関東では,以前は持続都市だった高崎のみが拡大都市となり,以前は拡大都市であった宇都宮,深谷の人口は停滞している.長野は人口を維持しているが,松本,甲府,前橋は縮小都市となっている.
関東では,東京は拡大を続けているが,周辺の都市地域は軒並み人口が停滞し始めている.拡大を続けているのは流山,桶川,川越のみで,以前は拡大都市であった成田,牛久,つくば,入間,青梅,厚木,秦野,平塚は人口が停滞し,その他の停滞都市と同様となっている.横須賀は持続都市から縮小都市になっている.
東海地方では,名古屋周辺に拡大都市が分布しているが,半田と豊川だけが,停滞転化都市になり,四日市が持続都市から拡大都市に変わっている.松阪,豊橋,浜松,静岡は持続都市で,三島,焼津が拡大都市から停滞転化都市に,富士が拡大都市から縮小都市になっている.岐阜,清水,沼津は変わらず縮小都市である.
北陸地方は,福井,高岡が縮小都市で,金沢が持続都市,富山は例外で縮小都市から人口を若干回復させている.
関西では,大阪神戸と京都が持続都市で,亀岡,奈良,生駒は以前と同じ停滞転化都市であるが,さらに三田,橿原,大和高田が停滞転化都市になっている.その他,宇治は持続都市から縮小都市へ,和歌山は従前と同じ縮小都市,大津と草津は拡大都市である.
中国四国東部では,岡山,倉敷が拡大傾向を維持しているが,福山は停滞転化している.高松は従前同様持続都市である.
中国地方北部は,松江が持続都市のままであるが,米子は停滞変化都市になっている.鳥取は例外で,縮小転化都市であったが,最近は人口を維持しつつある.
中国地方西部では,広島,東広島,松山は拡大都市のままで,呉と高知は持続都市から,周南は停滞転化都市から,それぞれ縮小都市になっている.
九州北部では,福岡周辺は拡大都市のままで,持続都市だった久留米は拡大都市に,佐賀と別府は縮小都市になっている.その他,下関,北九州,佐世保は縮小都市で,大分は持続都市である.
九州南部では,拡大都市であった熊本が縮小転化都市となったのにたいして,持続都市だった宮崎は拡大都市となり,長崎と鹿児島は従前通り,それぞれ縮小都市と持続都市のままであった.
最後に,沖縄は持続都市だった沖縄が,那覇と同じ拡大都市となった.
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放送大学 教養学部
社会と産業コース
玉野和志
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