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◇争点の解説5 時の経過による権利の消滅について強制連行事件だけでなくすべての戦後補償裁判の最大の論点が、この時効、除斥期間の問題です。戦後補償裁判における残された最大の問題はこの「時の壁」といっていいと思います。
民法724条後段の法的性質判決は,民法七二四条後段の規定は除斥期間を定めたものとします。しかし,同規定は長期の消滅時効を定めたものと多くの学説はいいます。この論争の意味は、時効なら権利の濫用や信義則違反などとの適用に柔軟性が認められるが、除斥期間ならそうした解釈が著しく困難になるという点にあります。ここでは,除斥期間点を中心に整理します。
起算点について
七二四条後段の二〇年の起算点については,条文上「不法行為の時より」と規定されていることから、判決は、権利行使の可能性の観点から「不法行為ノ時」を解釈することはできない」といいます。これによれば、起算点は敗戦となった一九四五年となり、二〇年後の一九六五年には権利が消滅することになります。しかし、この時期は、また日中の国交が成立していないのです。これは極めておかしいといえます。
除斥期間の効果制限仮に、起算点を一九四五年としても、満了日を二〇年後の一九六五年とすることはあまりに実態とかけ離れているとする判決が出始めています。福岡高裁判決がその例です。同判決は、「二〇年の除斥期間内に権利を行使することがおよそ不可能な事情があり・・権利を消滅することが国民の正義・公平の感情に著しく反する」場合には、「効果を制限することは条理にかなう」として、一九七二年の国交成立前までは権利行使が客観的に不可能であり、また、一九八六年の中国の「公民出国入国管理法」施行前は、私事による出国が認められず、権利を行使することが事実上困難であったとして、効果を制限しました。しかし、被害者が提訴した二〇〇五年五月の時点では、一九八六年からすでに一四年が経過しているから除斥期間の経過により権利は消滅したとしました。
適用制限について
この論点は、本件にそもそも除斥期間や時効を適用することを否定し、適用を制限できるか否かという問題です。 |
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