家庭教師の先生のお仕事

家庭教師とは主に生徒宅などで学習の指導をするお仕事です。先生1人が生徒1人を教えるのが基本ですが、兄弟など2名程度を同時に指導する場合もあります。

「知り合いのお兄さんに頼む」「親戚のお姉さんに頼む」など知人等に依頼するケースは古くから国内外でありましたが、「派遣」という形式で業者が仲介する形式をとったのはアメリカが初めてだと言われています。

日本国内では「ふくろう博士」の愛称で知られている「日本家庭教師センター学院」が約60年前に家庭教師派遣業を始めたのが、企業としての本格的派遣の始まりだといわれています。

その後、様々な業者が家庭教師派遣業をに参入しましたが、ベネッセなどのように参入してすぐに撤退するケースも少なくありませんでした。「家庭教師」というお仕事の知名度を一気に引き上げたのは、「家庭教師のトライ」のテレビCMです。

そのような「メジャー」となった「家庭教師」ですが、悪質営業・悪徳商法を行っている業者も少なくなく、特に「超高額教材の抱き合わせ販売」は家庭教師業界の「闇」の部分です。「近所の大学生のサークル」と称して頻繁にかかってくる家庭教師の勧誘電話は、主に「超高額教材の抱き合わせ販売」業者によるものです。

家庭教師を紹介する見返りとして20万円~100万円の教材セットを販売するという悪徳商法で、最近は飲食店などに設置している手書き風チラシなどで生徒集めを行っているようです。

インターネットの普及とともに20年ほど前から始まったのが「家庭教師の個人契約サイト」です。紹介料0円~2万円程度でマッチングだけを行い、その後は「直接契約」という形態です。サイト運営約20年の「家庭教師の総合情報」の「個人契約掲示板」をはじめ、大小様々な個人契約サイトがありますが、すべての個人契約サイトのマッチング数(成約数)を合計しても中堅の家庭教師派遣業者1社分の成約数にさえ満たないレベルですので、現状では「個人契約」は「家庭教師」の主流とはいえない状況です。

家庭教師のお仕事に従事している人の就労形態

「家庭教師派遣」と一般的に言われていますが、法律的な就労形態は「派遣」や「雇用」ではなく「業務請負」になります。業務請負は「派遣」や「雇用」とは違うため、指示命令系統で「グレー」な部分がありますが、 生徒が希望した場合に先生との契約を打ち切り先生をチェンジできるなど、その柔軟さから「雇用契約」をしている家庭教師会社はプロ専門の一部のセンターにとどまり、多くは依然として「業務請負」となっています。

家庭教師のお仕事に従事している人の多くは大学生で、アルバイト(法的には請負)として家庭教師センターに登録して生徒を紹介してもらっています。最近は「副業」として家庭教師の先生になる社会人の方も増えています。 又、塾や予備校の仕事をしながら家庭教師業を行うプロ講師の方や、家庭教師専業の「プロ家庭教師」の方も少ないですが存在します。

家庭教師のお仕事の始め方

前述のとおり、家庭教師は「登録制」のアルバイトです。(正確には請負ですが、一般的に「家庭教師バイト」と呼ばれていますので以下では「バイト」「アルバイト」とします。)家庭教師のお仕事(生徒さん)を紹介してもらう為には、まずは家庭教師会社への登録が必要となります。

時給の相場が他のアルバイトに比べて高時給で、大学生や社会人に人気のアルバイト「家庭教師」。しかし、いざバイトを見つけようと思っても派遣会社や登録サイトが沢山ありすぎて分からない。そんな方も多いのではないでしょうか。

最近、「ブラックバイト」という言葉をテレビや新聞で目にする機会が増えました。残念ですが家庭教師業界にはブラックな業者が少なからず存在します。

以下では家庭教師バイト探しの注意点や、うっかりブラックバイトを始めてしまわない方法などを掲載していますので、アルバイト先・登録先探しの参考にして下さい。

家庭教師バイトはこんな方におすすめ

求人サイトの人気職種ランキングを見ると、必ず上位に登場する「家庭教師」ですが、必ずしもすべての方におすすめできるバイトとは言えません。まずは、家庭教師バイトのメリット・デメリットを見ていきたいと思います。

<家庭教師バイトのメリット>
・時給が高い(一般的なバイトの時給相場の約1.5倍~2倍)
・受験経験や学習経験がいかせる
・やりがいがある
・予習などの準備があまりいらない
・拘束される時間が短い
・自宅近くや大学近く、大学から自宅の間などから勤務地を選べる

<家庭教師バイトのデメリット>
・学力が必要
・学歴で判断されやすい
・駅前とは限らない
・長時間連続勤務ができない

上記のメリット・デメリットから、家庭教師のバイトが向いている方・向かない方について考えてみたいと思います。

<向いている人>
・学歴が比較的高い方(関東ならMARCH以上・関西なら関関同立以上)
・大学・サークル・資格取得などで忙しい方
・土日にバイトをしたくない方(飲食・販売は土日に入れる方優先です)
・他のバイトとかけもちしたい方
・短時間でガッチリ稼ぎたい方

<向かない人>
・大卒や大学生ではない方(学歴が低くても仕事はきますが大学以上でないと難しいです)
・一つのバイトだけで沢山稼ぎたい方
・土日に長時間のバイトをしたい方
・バイトで仲間・友達を増やしたい方

家庭教師のブラックバイト事情を理解しよう

昨年ごろから教育バイトの「ブラック」ぶりが話題になっています。その多くは塾のバイトで、とくに個別指導塾はひどいようです。口コミや評判系サイトを見ても、以下のような悪い評判が沢山出てきます。

「個別指導塾は一度に2~5名を指導するので、指導前の準備や指導後の事務処理に時間がかかりすぎる。しかも無賃労働」
「個別塾は時給が千円程度で安すぎる」
「中学生の夏休み前半の時期は、大学のテスト期間と重なるのに、毎日沢山のコマに入るように強制させられた」
「普段は一日1コマで日給千円なのに塾にいる時間は3時間」

というような口コミ・評判が多数出てきました。家庭教師のバイトは個別指導塾に比べて時給が1.5倍程度で高く、(複数名の同時指導はレアケースなので)授業前・授業後の無賃労働もあまりありませんので、上記のような「ブラックバイト」は殆どあてはまりません。

それならば、家庭教師には「ブラックバイト」は全くないのでしょうか?

いいえ。残念ながら、家庭教師の場合でもブラックな会社は沢山あります。その筆頭格が「高額教材抱き合わせ商法」を行っている会社です。家庭教師センターは全国に沢山ありますが、その半分程度が「高額教材抱き合わせ商法」にて生徒に超高額な教材を売りつけています。先生を無料で(もしくは数万円の入会金だけで)紹介する代わりに「超高額な教材をローンで買ってくれ」という商法です。

生徒に売りつけるだけなら働く側にはデメリットがないように思えますが、これらの会社は
・教材の使用に関する理不尽な契約・罰則
・やめる場合の理不尽な契約・罰則
・一方的に有利な契約・罰則
・短時間で複数教科すべての指導
などを先生に対して求めてきます。

このような会社で紹介されたバイトは、完全に「ブラックバイト」です。ブラックバイトを避けたい方は、「高額教材抱き合わせ商法」を行っている家庭教師センターへの登録はさけることをおすすめします。

家庭教師バイトは登録制なので「登録=紹介」ではないです

家庭教師のアルバイトは「登録制」が基本となります。飲食店やコンビニなどのアルバイトの場合は、予め決まっている店舗・勤務地の「アルバイト募集」に応募するのが一般的ですが、 家庭教師の場合は「登録制」で、登録段階では勤務地などが決まっていません。家庭教師センターは各営業所ごとに数百~数千名の登録者を集めて、 ご家庭(生徒さん)から依頼があった場合に、登録者の中から最も適切な先生を選んで、ご家庭に紹介・派遣いたします。

登録制ですので、「必ずお仕事がくる」という保証はありません。一般的に、多くの家庭教師センターの場合、登録者の数人に1人にしか仕事がまわってこないと言われています。

複数社に登録するのがおすすめ!

登録しても「仕事がまわってこない」事も多い為、複数の家庭教師センターに登録するのがおすすめです。依頼がきても、忙しい場合や条件が合わない場合は断ることができますので、3~4社程度にバイト登録することをおすすめします。その際に、ブラックバイトを避けたい方は、「高額教材抱き合わせ商法」を行っている家庭教師センターへの登録はさけることをおすすめします。

「一括登録サイト」の利用がおすすめ!

複数の家庭教師センターに1社ずつ登録するのは手間がかかりますので、「家庭教師バイトの一括登録サイト」を利用して、複数社に同時登録する人が最近は多いようです。

その際に注意して頂きたいのは、一括登録サイトには、
・「教材商法」の会社を一切掲載していないサイト
・「教材商法」の会社しか掲載していないサイト
・「教材商法」の会社も沢山掲載しているサイト
があることを知っておきましょう。

「教材商法」については、消費者庁なども度々「行政処分」を発動するなどして注意を促していますし、大学でも注意を促しているところも多いので、「教材商法をしている会社には登録しないように気を付けている」という方も多いです。その結果、講師の確保が困難になっているため、「教材商法」の会社はあらゆる求人サイト・求人誌に掲載依頼をして必死に講師を集めようとします。

求人サイトの中には「悪徳教材商法」会社と分かっていながら、広告料欲しさにこれらの会社の求人を掲載している所は少なくありません。中には「教材商法」の会社の求人ばかりが載っているサイトもありますが、これは、「怪しい会社の求人を載せているサイトには掲載したくない」という家庭教師センターが多い為、まともな会社が掲載を敬遠して、結果として悪徳会社ばかりが載っているサイトになってしまうのです。

「一括登録サイト」の見極め方・選び方

派遣会社への登録の際に多くの方が利用する「家庭教師バイトの一括登録サイト」ですが、悪質なサイトもあるので注意しましょう。以下のような一括サイトの利用はやめた方が無難です。

(1)登録先が「高額教材」をセット販売しているグループ業者のみである
(2)登録先に複数の「高額教材販売会社」が混じっている
(3)登録先に個人情報をネット上に公開する「個人契約サイト」が混じっている
(4)「一括登録サイト」と言いながら、登録先が1社もしくは同一グループのみである
(5)存在が疑わしい(連絡先が公開されていない・実在しない)会社が登録先となっている
(6)生徒が殆どいない設立されたばかりの会社が載っている
(7)登録先が無名の会社ばかりである
などの一括登録サイトが複数ありますので、ご注意下さい。

以下は「教材販売系業者は登録先に一切含まれていない」「連絡先が公開されているセンターのみである」「個人契約サイトは登録先に含まれていない」「一定以上の派遣実績がある会社しか掲載しない」などの掲載基準を遵守している「家庭教師一括登録サイト」です。毎年1万人以上の方が利用しており、国内最大級の「一括登録サイト」となっています。是非、ご利用下さい。

家庭教師アルバイト一括登録ナビ:教材販売会社は非掲載で、家庭教師のトライ・学研の家庭教師・学生家庭教師会など紹介可能な生徒が多い大手のセンターのみを掲載しています。最大10社に一括登録が可能です。