・ 関数列の一様収束についてのコーシーの判定条件/関数項級数の一様収束についてのコーシーの判定条件/ワイエルストラスのM判定法 |
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関数列の一様収束についてのコーシーの判定条件 | |||
[ 文献]吹田新保『理工系の微分積分学』第5章3節(p.140); 小平『解析入門I』第5章3節a)(pp.216-7) 黒田『微分積分』第3章5節(p.116) ルディン『現代解析学』7.8 (p.149)。 |
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関数列{ fn(x)}が区間I上一様収束することの必要十分条件は、![]() ![]() が成り立つことである。 |
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ε -N論法による 厳密な表現 |
関数列{ fn(x)}が区間I上一様収束することの必要十分条件は、 任意の正数εに対して、 x∈Iを満たす限りの全てのxにおいて、 l,m >Nならば、|fl(x)−fm(x) |<ε を成立させるある自然数Nが存在することである。 |
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論理記号 |
関数列{ fn(x)}が区間I上一様収束 ⇔ (∀ε>0) (∃N∈N) (∀l,m∈N) (∀x∈I) ( l,m >N⇒|fl(x)−fm(x) |<ε) |
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ポイント |
どのように x∈Iをとっても、xの値に関わりなく、共通のNをとれなければならない点に注意。 |
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証明 |
吹田・新保『 理工系の微分積分学』第5章3節(p.140)小平『解析入門I』第5章3節a)(pp.216-7.) 黒田『微分積分』第3章5節(p.116.)。 を参照せよ。 |
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関数項級数の一様収束についてのコーシーの判定条件 | |||
[ 文献]吹田新保『理工系の微分積分学』第5章3節(p.140); 小平『解析入門I』第5章3節a)(p.217) 黒田『微分積分』第3章5節(p.120) |
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ε -N論法による 厳密な表現 |
関数項級数![]() 任意の正数εに対して、 x∈Iを満たす限りの全てのxにおいて、 l>m >Nならば、|fm+1 (x)+ fm+2(x)+…+ fl(x) |<ε を成立させるある自然数Nが存在することである。 |
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論理記号 |
関数項級数![]() ⇔ (∀ε>0) (∃N∈N) (∀l,m∈N) (∀x∈I) ( l>m >N⇒|fm(x)+ fm+1(x)+…+ fl(x) |<ε) |
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ポイント |
どのように x∈Iをとっても、xの値に関わりなく、共通のNをとれなければならない点に注意。 |
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証明 |
関数項級数![]() 部分和列{ sm(x)}={ s1(x), s2(x), s3(x),…}={ f1(x), f1(x)+f2(x), f1(x)+f2(x) +f3(x),…} が、s(x)に関数列として一様収束することであるとして定義された。 よって、 関数項級数 ![]() 関数列{ s1(x), s2(x), s3(x),…}={ f1(x), f1(x)+f2(x), f1(x)+f2(x) +f3(x),…}が一様収束することの必要十分条件であって、これは、関数列{ s1(x), s2(x), s3(x),…}={ f1(x), f1(x)+f2(x), f1(x)+f2(x) +f3(x),…}に関数列の一様収束についてのコーシーの判定条件を適用してえられた (∀ε>0) (∃N∈N) (∀l,m∈N) (∀x∈I) ( l,m >N⇒|sl(x)−sm(x) |<ε) である。ここで、 l>mならば、sl(x)−sm(x)={ f1(x)+f2(x) +…+fl(x)}−{ f1(x)+f2(x) +…+fm(x)}= fm+1(x)+fm+2(x)+…+ fl(x) となって、関数項級数が一様収束するためのコーシーの判定条件が得られる。 [小平『解析入門I』第5章3節a (p.217);] |
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ワイエルストラスのM判定法 | ||
[ 文献]吹田新保『理工系の微分積分学』第5章3節(p.140); 黒田『微分積分』第3章5節(p.120-1) ルディン『現代解析学』7.10(p.150)。 |
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定理: |
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[ 文献]黒田『微分積分』第3章5節(p.116) |
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関数列{ fn(x)}が区間I上一様収束するならば、 区間Iに含まれる任意の区間J上でも、 関数列{ fn(x)}は一様収束する。 |
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定理: |
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[ 文献]黒田『微分積分』第3章5節(p.116)
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関数列{ fn(x)}が区間I上一様収束し、 かつ、 関数列{ fn(x)}が区間J上一様収束するならば、 区間Iに含まれる任意の区間Jでも、 関数列{ fn(x)}は区間I∪J上一様収束する。 |
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(reference)
吹田・新保『
理工系の微分積分学』学術図書出版社、1987年、第5章3節(pp.137-9). 標準的。