おもちつき

羽佐田勇

あんこも はいて もちもちおいしいおもち。
今は機械でもちをつきます。
昔はうすと杵でつきました。私も実家にいたときは親父と交代でついたね。

もちをつくときはまず ねりからやります。杵を持ってうすの周りをくるくる回ります。
これが一番 疲れるね おばあさんがいうしっかり練らないとうまくつけないという。
ねりでくたびれてしまう、

さあー次は杵を持ってつくぞ。なんださかこんな坂とつき始めます。
おばあさんが手返しをするね おばあさんの手をたたかないように間を取って杵をふる。

このときおばあさんの手をたたくと痛いだろうと思うね、いつもおばあさんに怒られてよくけんかをすることがあるね、このときに しかえしをしてやるかな、でもそういうこと考えたことわまったくないね。

でも私は3人兄弟で真ん中です、兄は長男、弟は末っ子でかわいがられる、私は真ん中どおでもいいこだね。よく差別され、よくけんかをするね。
このくそばばと、下品なことば使ったことはないね。
小さな声で言うけど、よくありました。

さあ搗きあがったよとおばあさんが言うと、やれやれと思うね。
さーあんころもちを作るね。出来上がったもちを食べようとすると、ここで又おばあさんと言い争いだね、仏さんに上げてからだという。
ここでこのくそ婆と思いませんね。やっぱり思いませんね。

そおそお昔に、ぼろを作ったことがありました。
ぼろを作るとき、もちに砂糖を入れてもちをつきます。これを伸ばしてさいころみたいにきって乾かします。
甘くておいしいので乾く前にひとつずつ食べ、ここで又怒られる。
懐かしい思い出です。

さあ全自動餅つき機でもちをつきます。
前の晩にもち米を冷やかしておきます。
朝水切りして、マシーンに水を入れてもち米を入れてスイッチを入れると、むしが始まります。
むしが終わるとブザーが鳴ります。それからつくのスイッチを入れるとつきが始まります。
さっき全自動といいましたね、これは違いましたね 。これは2層式洗濯機と同じでした。

もちがつきあがりました。
正月用のお飾りをまずは作ります、 それから伸し餅を作ります、 これからが楽しみが始まります。
あんころもちと赤福もちを作ります。これがあるからもちをつくのが楽しみですね。

出来上がってすぐに食べても怒られないね。俺が大勝だ、文句は言わせねえぜ。
もちはもちでもしりもちをつくと痛いよ。