シャガ

シャガは白い花びらの上にまるでペインテイングしたような模様をつける。
アヤメ科の花には奇抜な模様をつける花は多いが、この花の模様は特に人が絵筆で書いたように見える。
人里近くの林下等の日陰に群れを成して咲き、同じ科のアヤメは日向を好み、葉も枯れるが、この花は常緑である。
アヤメ属には、アヤメ、ハナショウブ、カキツバタ、シャガ等、古来から日本にあるものと、帰化植物であるキショウブ、イチハツがあるが、この内、シャガ、キショウブが広く野生化し、日本全土の林下や水辺でみられる。( 「いずれアヤメかカキツバタ」  「キショウブは外国産」 の項参照)
散歩道でも自生の状態で見られるのはキショウブとこの花である。

シャガのペインテイング模様

シャガの群生

学名をアイリス・ジャポニカ(日本の虹)と呼ばれ、古来から日本にある花であるが、原産地は中国で、大昔に渡来した古代帰化植物と考えられている。
シャガの名前は中国名の射干の音読みから来ているが、中国で射干と言えばヒオウギのことであり、誤用があったようで、 中国名では胡蝶花が正しく、いかにもふさわしい名である。( 「ヒオウギの種子」 の項参照)

通常の花は染色体を2組持つ2倍体であるが、この花は3組持つ3倍体で、葉や花は大きくなるが種子が出来ない。 従って、地下茎で増える。
一日花であるが、そのペインテイングしたような模様のあでやかさと大群落を作るので目を引く花である。

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