はしがきから引用する :
結局,本書で私が試みたことは,ただ単に,群論という主題を,できるだけ軽く,のびやかに書いてみるということになった.
練習問題はない。
本書では「働き」とか「働く」ということばがよく登場する。たとえば、p.34 では、
正 6 面体群 `P(6)` と,4 次の対称群 `S_4` は,働く場所がまったく違っている.
という記述がある。
私は全く働いていないので申し訳なくなる。
p.50 で、正二十面体群 `P(20)` の元を与える回転について記載されている。
- 恒等変換
- 向かい合っている 2 つの頂点を結ぶ対称軸が 10 個あり,この軸を回転軸とする `pi/3`,`(2pi)/3` の回転がある ― この総数 20 個
- 向かい合っている 2 つの面の中心を結ぶ対称軸が 6 個あり,この軸を回転軸とする `pi/5`,`(2pi)/5` `(3pi)/5`,`(4pi)/5` の回転がある ― この総数 24 個
- 向かい合った 2 辺の中点を結ぶ対称軸が 15 個あり,この軸を回転軸とする `pi` の回転がある ― この総数 15 個
ここで、ⅱ の 2 つの頂点を結ぶ対称軸
という記述は、正しくは《2 つの面の中心を結ぶ対称軸》である。
また ⅲ の2 つの面の中心を結ぶ対称軸
という記述は、正しくは《2 つの頂点を結ぶ対称軸》である。
なお、誤植ではないが、ⅱやⅲは「向かい合っている」なのに、ⅳ だけ「向かい合った」となっていて微妙に異なるのが気になる。
書名 | 群論への 30 講 |
著者 | 志賀 浩二 |
発行日 | 1990 年 4 月 25 日 初版 第 2 刷 |
発行元 | 朝倉書店 |
定価 | 2800 円(本体) |
サイズ | A5 判 236 ページ |
ISBN | 4-254-11483-4 |
備考 | 草加市立図書館にて借りて読む |
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