志賀 浩二 : 群論への 30 講

作成日 : 2024-02-06
最終更新日 :

概要

はしがきから引用する :

結局,本書で私が試みたことは,ただ単に,群論という主題を,できるだけ軽く,のびやかに書いてみるということになった.

練習問題はない。

感想

働き

本書では「働き」とか「働く」ということばがよく登場する。たとえば、p.34 では、 正 6 面体群 `P(6)` と,4 次の対称群 `S_4` は,働く場所がまったく違っている.という記述がある。 私は全く働いていないので申し訳なくなる。

誤植

p.50 で、正二十面体群 `P(20)` の元を与える回転について記載されている。

  1. 恒等変換
  2. 向かい合っている 2 つの頂点を結ぶ対称軸が 10 個あり,この軸を回転軸とする `pi/3`,`(2pi)/3` の回転がある ― この総数 20 個
  3. 向かい合っている 2 つの面の中心を結ぶ対称軸が 6 個あり,この軸を回転軸とする `pi/5`,`(2pi)/5` `(3pi)/5`,`(4pi)/5` の回転がある ― この総数 24 個
  4. 向かい合った 2 辺の中点を結ぶ対称軸が 15 個あり,この軸を回転軸とする `pi` の回転がある ― この総数 15 個

ここで、ⅱ の 2 つの頂点を結ぶ対称軸という記述は、正しくは《2 つの面の中心を結ぶ対称軸》である。 また ⅲ の2 つの面の中心を結ぶ対称軸という記述は、正しくは《2 つの頂点を結ぶ対称軸》である。 なお、誤植ではないが、ⅱやⅲは「向かい合っている」なのに、ⅳ だけ「向かい合った」となっていて微妙に異なるのが気になる。

30 講シリーズ

書誌情報

書名 群論への 30 講
著者 志賀 浩二
発行日 1990 年 4 月 25 日 初版 第 2 刷
発行元 朝倉書店
定価 2800 円(本体)
サイズ A5 判 236 ページ
ISBN 4-254-11483-4
備考 草加市立図書館にて借りて読む

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