Beamer, Keola "Hawaiian Slack Key Guitar"
（1977, Oak Publications, 63P.ソノシート付き）

　77年に出版されたケオラの初めてのスラッキー教則本。初版は73年にハワイで出版されたようです。
　ケオラはその後、教則本や楽譜集を出してますが、それらに比べるとちょっと見劣りします。でも、なにしろ世界最初のスラッキーの教則本ということですから。8などは、2002年の"Soliloquy"にも入っているオリジナルです。
　内容は、スラッキーの歴史、テクニックの基礎などの後に、チューニングの話があり、（1）タロパッチの6弦をＣに落としたＣチューニング、（2）ケオラのＣ（1弦がE）、（3）タロパッチ、（4）アリス・ナマケルアのFB♭CFAD、（5）Ｇダブル・スラック（DGDF♯BD）の５つのチューニングが取り扱われています。
楽譜はいずれもタブ譜のみ。収録曲は以下の通りです。

収録曲

　なお、この本は日本でも翻訳出版されました。ケオラ・ビーマー『ハワイアン・スラック・キイ・ギター 』、中川五郎訳（ミュージックセールス , 1978, 63p, 30cm, 付属資料(フイルムレコード 1枚) 1500円

山内雄喜『スラックキー・ギター入門』
（パイナップル・シュガー, 138p., 1978, 2400円）

　多分、世界で２番目に出たスラッキー教本。70年代に日本で、日本人によるスラッキーの教本が出ていたことが驚きです。「ギター変則チューニング奏法」とサブタイトルがついている通り、例題曲もハワイアンにこだわらず、日本の曲からフォスターまでさまざまな曲を扱っています。スラッキー教本としては、その点が逆に食い足りない感じでしょう。山内さんは30年後、上級用のスラッキー教本を出しました。それで、この本もいまやお役ご免でいいでしょう。 チューニング：Ｇ（タロパッチ）、Gm（DGDGB♭D）、Gmaj7（Double Slack：DGDF#BD）、Drop Ｃ(Leonard's C：CGDGBD)、、Ｃ Wahine(Keola's C： CGDGBE)、スタンダード（EADGBE）という６つのチューニングを紹介。

収録曲

浜辺の歌、聖夜、バラが咲いた、リパブリック讃歌、別れの磯千鳥、 ラ・パロマ、マウイ・チャイムス、夢みる人、Pu Pu、さくらさくら、荒城の 月、Hi'ilawe、You are My Sunshine、I'm a Living on a Easy、Waikiki Hula、Kalakaua、Morning Dew、Waimanalo Blues

Kwan, Leonard "Slack Key Instruction Book"
(Tradewinds-Recording Publication, 82p., 1980, $5.95)

　レナード・クワンのレコード・コピー楽譜集。コピーは正確で、この通り練習すればレコード通りに弾けます。レナード・クワンのスタイルを研究する重要な資料でもあるのですが、タブ譜の書き方が独特で、これに慣れるまでに時間がかかるかも。

収録曲

難易度

Kinnaman, Hal "Early Hawaiian Slack Key Melodies"
(Ho' Ike Publications, INC., 28p. 1982, $20.00) カセット付き

　手書きのタブ譜を印刷した楽譜集。スラッキーのスタンダードと言える曲の簡単なアレンジを集めたもの。譜面のまわりには、素人の手による下手くそなイラストがゴテゴテ書かれています。すごく好意的に言えばサイケデリックな感じと言えなくもないですが、個人的には演奏意欲を著しく削がれます。

付属カセット

扱っているチューニング

収録曲

難易度

Kinnaman, Hal "Teach Yourself Slack Key Guitar"
（1977, Oak Publications, 63P.ソノシート付き

「リズム・エクササイズ」という練習譜のあとに、曲のタブ譜集がつくというスタイルの教則本です。基本練習の部分は、スラッキーのというより一般的なリズム練習です。曲集も短いものが多く、「アロハ・オエ」など部分だけです。唯一おもいろいと思うのは、アリス・ナマケルア・スタイルが取り上げられていること。スラッキーの古風なフレーズが12例紹介されています。

チューニング

収録曲

難易度

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Kotani , Ozzie "Guitar Playing Hawaiian Style"
(Mel Bay Publications, Inc., 69p., 1995, $22.95 )ＣＤ付き

　オジー・コタニのスラッキー教則本。前半がスラッキーと演奏に関する説明、後半が曲集となっています。曲集部分は、タブ譜のあとに、小節ごとの詳しい注がついていて、そういうところはオジーという人の人柄を感じます。

収録曲

Kani Ki Ho`alu, Manuela Boy, Molehu, `Awi`wi, Maunaloa, Manamana Lele, `Ewalu, Kakahiaka, Namaka's Mele Kani Ki Ho`alu (Taro Patch)
Manuela Boy (Taro Patch)
Molehu (Taro Patch)
`Awiwi (Taro Patch)
Maunaloa (Taro Patch)
Manamana Lele (Taro Patch)
`Ewalu (Slack G or Double Slack)
Kakahiaka (Slack G or Double Slack)
Namaka's Mele (Drop C)

難易度

Loo, Ronald J.K. "He Kalana Kakau Ki Ho' alu: Helu Ekahi / A Slack Key Notebook Number1."
(Pila Nahenahe, 1985, 58p.)カセット6本付き

　タブ譜集とカセットのセット。全部、ソロ・ギター・インストルメンタル用のシンプルなアレンジです。
付属カセット：収録曲がゆっくりしたスピードで、ワンフレーズごとコマ切れで入っています。それはいいのですが、全体を通しての演奏が入っていない。これでは、全体像がつかめません。ゆっくりと細部を聴くのも大事かもしれないけど、曲全体がどんな曲なのかをつかむのはもっと大事だと思うので、この点は大いに減点。アレンジも正直言ってあまりおもしろいものではありません。

収録曲

Waikapu (`Iniki Malie) (Taro Patch)
Lili`u E (Taro Patch)
Pauoa Liko Ka Lehua (Taro Patch)
Kealoha (Taro Patch)
Ka Manu (G Wahine or Namakelua)
Salomila (G Wahine or Namakelua)
Old Timers Hula (Taro Patch)

難易度

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Loo, Ronald J.K. "He Kalana Kakau Ki Ho' alu: Helu "Elua / A Slack Key Notebook Number2."
(Pila Nahenahe, 1992, 79p.)カセット6本付き

　上のものに続く中級編。仕様は同じです。もうひとつ上級編のセットもありますが、わたしは持っていません。

収録曲

Kane`ohe (Taro Patch)
He Aloha No `O Honolulu (Taro Patch)
Ka Mele No Pomaika`i (Taro Patch)
Moana Chimes (Taro Patch)
Ahulili (Taro Patch)
Salomila (C6th C-G-C-G-A-E)
Na Pua Lei Ilima (Taro Patch)

難易度

Beamer, Keola "Keola Beamer Teaches Hawaiian Slack Key Guitar"
(Homespun Tapes / Hal Leonard Corporation 40p. 1998, $19.95) ＣＤ付き

　ケオラ・ビーマーのＣＤ付楽譜（タブ譜）集。オリジナルと有名曲。各曲ともテーマと２コーラス程度のバリエーションがついていますから、バリエーションを考える参考になります。付属ＣＤでは、楽譜の曲の模範演奏の他、注意すべきフレーズをケオラがギターを弾きながら説明してくれます。

チューニング

収録曲

Isa Lei (F Wahine)
Mino`aka (Taro Patch)
Moana's Laundry Basket (Taro Patch)
Papa's Okolehau (C Wahine)
I Ka Po Me Ke Ao (F Wahine)

難易度

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Beamer, Keola & Mark Nelson"Learn to Play Hawaiian Slack-Key Guitar"
(Mel Bay Publications, Inc., 160p., 1999, $24.95 )ＣＤ付き

　160ページというボリュームは、それまでのスラッキー教則本にはないボリュームでした。現在、実際に使われているチューニングのほとんどをカバーし、チューニングごとに、説明、スケール、バンプの例、練習曲が出ています。
付属のＣＤ：著者のケオラとマークが、説明しながら例題曲を弾いています。演奏も付属ＣＤとしては、なかなかいいものでしょう。

チューニング

C Wahine, Taro Patch, G Mauna Loa, C Major, D Wahine, B Wahine, F Wahine, G Sixth, Double Slack.

ＣＤ収録曲

Aloha, `Alekoki, Hula O Makee, Kahuli Aku, Sase, Hilo March, Matt's Bounce, Ahi Wela, Wehiwehi `Oe, `Ulili E, Ki Ho`alu, Sweet Leilehua, Isalei, Ua Like No A Like, Hi`ilawe, Ka Manki `Olu`olu, Akaka Falls, Ki Ho`alu Mischief, Tiare Tahiti
Kuwili (Taro Patch)
Pu`u O Hulu (Taro Patch)
Pa`ahana (Taro Patch)
Lei `Ohu (Taro Patch)
`Alekoki (Taro Patch)
Hula O Makee (Taro Patch)
Kahuli Aku (Taro Patch)
Sase (Taro Patch)
Hilo March (Taro Patch)
Maika`i Ka Makani O Kohala (Taro Patch)
Matt's Bounce (Taro Patch)
Keolaokalani (Taro Patch)
Ahi Wela (C Wahine)
Pupu O `Ewa (C Wahine)
Wehiwehi `Oe (C Wahine)
`Ulili E (Modified C Wahine CGDGBD)
Ki Ho`alu (Mauna Loa)
Sweet Leilehua (C Major)
Hame Pila (D Wahine)
Isalei (D Wahine)
Aunty Alice Namakelua Slack Key (Bb Wahine)
Ua Like No A Like (F Wahine)
Hi`ilawe (G-6th)
Playful Popoki (Double Slack)
Ka Makani `Olu`olu (Double Slack)
Akaka Falls (duet in C Wahine)
Ki Hi`alu Muschief (duet F Wahine & Taro Patch slacked to F)
Tiare Tahiti (duet in F Wahine, capo 2 and Taro Patch)

難易度

Hanson,Mark "Masters Of Hawaiian Slack Key Guitar"
(Accent On Music 80p. 2001, $19.95)ＣＤ付き

　レイ・カネ、サニー・チリングワース、レナード・クワン、レッドワード・カアパアナ、シリル・パヒヌイといった人たちのＣＤ収録曲のコピー譜集。最後には編者自身のオリジナル2曲とアロハ・オエの編曲も入っていて、これらもなかなか質の高いものです。 　コピー譜は、一部？という箇所はあるものの、全体として非常に正確でイントロからエンディングまでカバー。 　各チューニングごとにまとめられ、章のはじめにはそのチューニングのスケールやバンプの例まで出ていて、慣れていない人には便利でしょう。著者のマーク・ハンソンは、フィンガースタイルの教則本やオルタネート・チューニングの本、ビデオ、ＣＤもいくつか出している人で、演奏者としての腕もなかなかのものです。 付属のＣＤ：コピー譜の模範演奏はサワリの部分のみです。（コピー譜の曲は全てダンシング・キャット・レーベルから出ているものなので入手は比較的簡単）。著者のオリジナルと著者編曲の「アロハ・オエ」は楽譜通りの模範演奏が入っています。

チューニング

Taro Patch (Open-G) , G Wahine (Gmaj7), Leonard's C, C Wahine, D Old Mauna Loa (D6add9) La Paloma - Ray Kane (Taro Patch) Nanea Kou Maka I Ka Le`ale`a - Ray Kane (Taro Patch) Moe `Uhane ("Dream Slack Key") - Sonny Chillingworth (Taro Patch) Ho`omalu Slack Key - Sonny Chillingworth (Taro Patch) Young Street Blues - Cyril Pahinui (Taro Patch) Radio Hula - Ledward Ka`apana (Taro Patch) Hula Blues - Sonny Chillingworth (Taro Patch) Punahele - Ray Kane (G Wahine) Sanoe - Cyril Pahinui (D6add9) Ke`ala's Mele - Leonard Kwan (C Wahine/Leonard's C) Spouting Horn - Mark Hanson (C Wahine) Waimea Canyon - Mark Hanson (C Wahine) Aloha `Oe - Queen Lili`uokalani / arr. Mark Hanson (C Wahine)

難易度

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Ho, Daniel & Steve Sano"Secrets of Contemporary Slack Key Guitar"
(MMI Alfred Publishing Co., Inc. 80p. 2001?, $18.95)ＣＤ付き

　ダニエル・ホーとスティーヴ・サノによる教則本。ここでは、ダニエル・ホーが主に使っているG Kilauea（DGCGBE）と名づけられたチューニングに関する説明と、そのチューニングによる楽譜が主です。最後に１曲だけTaro Patchの編曲があります。
　G Kilaueaに関しては研究していないのでよくわかりませんが、半分スタンダード、半分スラッキーのチューニングだと説明されています。ダニエル・ホーは、テンション・コードを使ったり、マイナー・キーでも演奏することを考えているようで、このチューニングの特徴が細かく説明されています。彼はまた理論好きのようで、スラッキーの本にしては珍しくいろいろな考察が書かれています。G Kilaueaに関心はなくとも、考察の部分は一読の価値はあるかと思います。
付属のＣＤ：この教則用に演奏したものではなく、彼のCDから取られているものもあるようです。フェイドアウトしたり、バックにシンセが流れていたりするものもあります。

収録曲

Lia (G Kilauea)
Kumu Mele (G Kilauea)
A World Away (G Kilauea)
Slack Tides (G Kilauea)
Haiku (Ukulele tuned GDEA)
Plantation Waltz (G Kilauea)
Dreams of Eternity (G Kilauea)
Pupu A `O `Ewa (G Kilauea)
Hawai`i Aloha (G Kilauea)
Hawai`i Pono`i (G Kilauea)
Aloha `Oe (G Kilauea)
Allure of the Islands (G Kilauea)
Maui Dawn (G Kilauea)
Ke Aloha O Ka Haku (Taro Patch)

難易度

小見出し松本ノボル『スラック・キー・ギター初歩の初歩入門』
（ドレミ楽譜、63p.、2006年、1000円）

　ベース・パターンやバンプなど、スラッキーの基本が少し出ていて、あとは曲集です。入門書なので、すべてタロパッチにしたのは潔い。もっとも、「初歩の初歩入門」というわりには、4つくらいパリエーションが載っている曲もあります。残念なのは、最初の10ページくらいが、ギターの種類、弦の取り替え方、ギター・グッズなど、ギター一般の説明に費やされていること。出版社の要望なのかもしれませんが、一冊で全てをカバーしようとすると、どこのパートも中途半端なものになるという見本のようでもったいない。

収録曲

E Lili’u E（Taro Patch） Puamana（Taro Patch） Ku’u Ipo Onaona（Taro Patch） Radio Hula（Taro Patch） Maui Chimes（Taro Patch） The Hawaiian Wedding Song（Taro Patch） Sanoe（Taro Patch） Akaka Falls（Taro Patch） Pua Lililehua（Taro Patch） Lei Nani（Taro Patch） I Ali’i No’Oe（Taro Patch） Pua Sadinia（Taro Patch ）

難易度

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Nelson, Mark Kailana "Old Time Hawaiian Slack Key Guitar"
（Acme Arts, 88p., 2007）

　マーク・ネルソンの同タイトルのCDに準拠した曲集です。譜面は、楽譜とタブ譜の2種類。チューニングは半分以上がタロ・パッチで、その他４つのチューニングのものが載っています。オーソドックスな編曲で、難しいところは少ないでしょう。

収録曲

Pua Lena～Kealoha～E Huli Ho'i Mai～Hula O Makee（D major）
Maunaloa（Taro Patch）
Pauoa Liko Ka Lehua（Taro Patch）
Kowali（Drop C）
Paniolo Slack Key (Malasadas) （Double Slack）
Ku'u Lei Awapuhi Melemele (My Yellow Ginger Lei) （F Wahine）
Ahe Lau Makani（D major）
Nanea Kou Maka i Ka Le'ale'a（Taro Patch）
Moloka'i Waltz（Taro Patch）
Moana Chimes（Taro Patch）
Old Timer's Hula～Slack Key Hula（Taro Patch）
Hula Blues（Taro Patch）
Taro Patch Blues（Taro Patch）
Tiare Tahiti（F Wahine）
Kaulana Na Pua（Taro Patch）
Playful Popoki（Double Slack）
'Ulupalakua（Taro Patch）
Kanaka Waiwai（Drop C）
Kimo's Slack Key（Taro Patch）
Papakolea（Taro Patch）

難易度

山内雄喜『ハワイアン・スラック・キー・ギターをゆるーく弾こう！』
（インターリンクプランニング、188p.、2008、2520円）

　日本のスラッキーをずっとリードしてきた山内雄喜さんによるスラッキー教則本。第二弾にして、決定版という感じの本です。内容は、スラッキー・ギターの名手たちの紹介、チューニングの話のあと、「タロ・パッチ・チューニングで取りあえず弾いてみよう」となります。後半は、巨匠たちの十八番の曲を練習する応用編。
　楽譜以外で特筆される部分は、データの資料的な価値でしょう。たとえば、それぞれの練習曲は誰のどのアルバムに入っているかといったデータは、教則本につきものですが、それがこの本は超詳しいのです。「ヒイラヴェ」なんか100以上出ている！　ハワイ音楽のコレクターでもある山内さんだからこそ作れた一覧でしょう。

収録曲

難易度

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Kane,Ray "Hawaiian Slack Key Guitar"
(Unknown, No Publishing Date, 37p., $9.95)

　表紙も中味もコピーしたものを綴じただけの怪しげな本。ノンブルなんかは手書きです。レイ・カネのレパートリーから8曲のタブ譜らしきものが載っています。このタブ譜もタイプライターで書いたものらしく非常に見にくいうえ、小節の区切り線もないので解読するのが大変。まあ、何にもないよりマシという程度のものでしょう。ハワイで購入。

チューニング

収録曲

難易度