QアンドA101
片仮名でシンハラ語を表すなんて無理じゃないの?





No-101 2009-Sep-17 2015-Apr-06


まだまだ古いタイプのシンハラ語愛好者が居られるのだなぁと、こうしたご批判を受けるたびに感じてしまいます。
 「かしゃぐら通信」でシンハラ語を片仮名で表して、しかも日本語の文法でシンハラ語を説明してから、もうかなり経ちます。日本へ来るシンハラ人がシンハラ文字で日本語を書いて上手に覚えてしまうのを見て、それならその逆も真なり、じゃないの?とひらめいて片仮名シンハラ語を披露してみたら、これが案外にいける。片仮名シンハラ語でもシンハラ語は充分に通用したのです。そのわけはもう何度も触れたのでここでは詳しく繰り返しませんが。
 シンハラ語はア音が多かったり、タ音がいくつもあったりするから、正確にシンハラ語の発音を片仮名で表すのは難しいのですが、完全無欠の正確な発音なんて当のシンハラ人も余りしませんから、律儀に発音ばかりを心配するとシンハラ語会話の本分を忘れてしまいかねません。日本人の場合、シンハラ文字で書いた言葉を正確に発音できるか、というと、シンハラ語の教師でもできていないことが往々あります。でも、通じてしまうのですね、日本人訛りのシンハラ語でも。
 
 Singlish(シングリッシュ)をご存知でしょうか。シンガポールの英語のことではなくて、シンハラ語をアルファベットで表記したり、そのシンハラ語に英語を交えて表すのがスリランカのシングリッシュ。これが、このところ隆盛を極めています。エラキリelakiriのフォーラム(スリランカの2チャンネル)で、もっぱらシングリッシュが使われていますから、そのシングリッシュに出くわしてケッタイな論旨を面白く読んだ方もおられるでしょう。エラキリ・フォーラムではシンハラ語をローマ字で表していますから、私たち日本人には読みやすい。おまけにめったやたらに口語ばかりだから、スリランカへ行ってる間に耳で覚えたシンハラ・スラングを図らずも覚えてしまった方々はエラキリ・フォーラムが難なく読めるでしょう。
Menna Singlish Software eka
なんてローマ字シンハラ語が飛び交っています。
これはこのまま「メンナ・シンハラ・ソフトウエア・エカ(これがシンハラ語ソフトだ)」と読めばいいし、ソフトを使えばローマ字シンハラ語がシンハラ文字のシンハラ語になってしまいます。
 アルファベット・シンハラ語を英語に混ぜて使う流行はウェブ世界では、もう止められない。純正シンハラ語を使い続ける方々からの痛烈な批判を浴びても尚。
 
 シングリッシュの登場は英語のキーボードではシンハラ語を打ち込めない人々、打ち込みたくない人々、それはIT関連の学生やら、英語圏に留学した学生やらなのですが、そうした若いシンハラ人の出現がシンハラ語の発音のままにアルファベットのキーを叩いてローマ字シンハラ語で情報を取り交わす場をネット世界に誕生させてしまいました。これが進化して、シンハラ語のローマ字打ちでシンハラ文字を打ち出すという画期的タイプライターが次に登場したのです。

 ローマ字でシンハラ文字を打ち出すシンハラ・タイプライターなのですから、シンハラ単語を耳で聞いて知っていれば、例えばシンハラ文字を知らない日本人でも苦労なくシンハラ語を打ち出すことができます。
 シンハラ語はそもそも日本語と同じ音の構成で出来上がっているのですから、このプロセッサーは日本人にとって便利です。シンハラ・タイプライターは片仮名シンハラ語を話す日本人にもうまい具合に使えてしまうからです。

 オヤー ・ コヘダ ・ ギイェー?
 oyaa    koheda   giyee?
 あなた  どこへ   行った? 

 上のローマ字で表した部分をこのシンハラ・ワード・プロセッサーというソフトで書き込むと、それがそのままシンハラ文字に変換されて出てきます。
→左の囲みはシンハラ・タイプライターのインストゥール・ページ。ここにその例文がある。
 
 シンハラ語のア音にはの四つの音があります。これらは a aa ae aee と打ち込んでシングリッシュの文字を表します。
 これって変則ですけどア アー アェ アェーの音の雰囲気が出ているローマ字ですよね。実際、これは英語だけで表されるシンハラ語論文でも使われている表記法なんです。
 「日本語=シンハラ語小辞典」ではシンハラ語を片仮名で表す際に、四つのア音や子音の表記にアェ アェーのような表記をしていますが、これを手がかりにローマ字に変えて、シンハラ・ワード・プロセッサーを使えば、アラ不思議、見事にシンハラ語表記ができてしまう!

 ローマ字でシンハラ語を作り出すソフトは他にも Natural SinGlish という軽量のソフトがあるのですが、日本語キーボードのXPSP2ではうまく作動しません。ローマ字式シンハラ語を試してみるなら、シンハラ・ワード・プロセッサーをインストゥールすると良いでしょう。
 恐れず怯まず片仮名シンハラ語を使って、ついでにローマ字シンハラ語のプロセッサーでシンハラ文字を打ち出して見ましょう。あっという間にシンハラ語に慣れてしまってシンハラ語の達人になれる、かも。

 QA100でご紹介しましたが、今ウェブのシンハラ語はユニコードに統一されています。ということはウィジェーセーカラ配列という恐ろしく難解なキー配列が施されたシンハラ語をウェブでは使用することになっていて、このプロセッサーもその習いに準じるのですが、その辺りの厄介な部分はソフトが勝手に作業・処理してくれていますから心配は要りません。ただ、単純にローマ字でシンハラ語を、片仮名のように打ち出せばいいのです。
 打ち出したシンハラ文字を他のソフト(ワードパッドなど)にペーストして利用するときはユニコード・フォントでなければ正しく表記されませんからユニコード・フォントのインストゥールもお忘れなく。

 ●シンハラ・ワード・プロセッサーのダウンロードと使い方の解説はここで↓

http://www.videshasewa.com/home/download_singlish.html
 
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と、以上が2009-Sep-17時点でのシンハラ・ワード・プロセッサーの状態。上のサイトは現在リンクしていません。シンハラ・ユニコードの打ち込みは驚異的な発達をして、いま、シンハラ・ユニコードの打ち込みが便利に、安全になっています。