No-100 2009-Sep-05
● シンハラ・フォントがunicode化されたことが、その原因です。たとえば、これまでカプタ・フォントでディワイナを読んでいても、急に記事が・・・になってしまい、まるで検閲されたように表示されるのはウェブ新聞のカプタ・フォントがunicodeタイプに変わったからです。
対策は簡単です。ご覧になっているのがディワイナなら、そのトップページの上にあるディワイナ・ロゴの右に のマークがありますからこれをクリックします。するとディワイナのシンハラ・ユニコードのページに移ります。これはディワイナのページですが、内容はシンハラ・ユニコードを推進するICTAInformation and Communication Technology Agency of Sri Lankaのフォント・インストゥール・ページと同じです。
説明文は英語で、ウィンドウズOS別にシンハラunicodeのインストゥール欄が並べられています。XP以前、XP、Vistaの別がありますから、ここからあなたのOSに合わせたシンハラunicodeのファイルを選択すればいいのです。
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↑ ウィンドウズのOS別にシンハラunicodeのファイルが用意されている。このファイルをインストゥールすればシンハラ新聞が読めるようになる。 |
多くの場合、これまで読んでいたディワイナが読めなくなったのはウィンドウズXPSP2をお使いのためだと思われます。
上記OSの3パターンからwindowsXPをクリックするとsinhala-tamil-kit.exeというファイルをインストゥールすると言う案内が表示されます。これを適当な場所に(たとえばprogram
filesにsinhala tamil kitというファイルを作って)入れておきます。インストゥールしたらファイルを開けて.exeファイルを実行します。
これでunicodeフォントを表示する下準備ができました。
次にunicodeフォントをインストゥールします。次のサイトにシンハラ文字のunicodeフォントが一覧で表示されていますから好みのフォントを選んでください。
http://locallanguages.lk/sinhala_unicode_converters
好みのユニコード・フォントを選んだらあなたのコンピューターのフォントに組み入れておきましょう。
ユニコード書体はウェブの文字を読むための書体です。IE(インターネット・エクスプローラー)6の場合、OSがXPでも、ツール→インターネット・オプション→フォントと進んで、言語セットの欄を見ると「シンハラ語」が加わっています。これをクリックすると「Webページフォント」の欄にインストゥールしてフォントの一覧に加えたシンハラ語のunicodeフォントが表示されます。ここで、たとえばカンディ・ユニコードを選択すれば、これまでカプタの文字でしか読めなかったディワイナがカンディの文字でも読めるようになるのです。
ただし、unicodeフォントではカンディ書体もポト書体(書籍体)も、見ていて座りが悪い。これまでのカンディ書体にあった丸文字明朝体の優雅さがなくて文字の一つ一つがバラバラに配置された印象を与えます。ポト書体も同様です。やはり、kaputa
unikode書体が安定していて、文字のまとまりとして読むには無難なところです。
vistaの場合はシンハラ・ユニコードが既に組み込まれています。書体はIskoola Pota。XP以前のOSでもシンハラunicodeをインストゥールすれば が となるようなシンハラ語の文字化けが防げます。
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シンハラunicodeの問題点
これまで表示されていたシンハラ文字が急に・・・・という表示になってしまった。それと、シンハラunicodeを入れてもunicodeフォントはXPではタイプできない、使えない。スリランカの2チャンネル「エラキリ」では「シンハラunikodeがインストゥールできない」という不平ばかりが寄せられ、ブログには「シンハラunikodeの導入は政治的な陰謀だ」とか、「文字化けだらけだ」とか、兎角に評判が悪い。マイクロソフトがスリランカ大統領府にはいって、強引にフォント統一を図ったのがシンハラunicodeの始まりだというのだけど、面白いことに統一シンハラフォントはウィジェーセーカラ・キーボードを使っている。シンハラ語をタイプライター時代に打ち込んでいたキー配列がシンハラunicodeで復活したのだ。
ヌワラエリヤの街角でタイプを打っていた職人さんたちが眼に浮かんでくる。文字の書けない人たちが街角タイプ屋さんに立ち寄って手紙を書いてもらうのだ。それがすごい。山下洋輔の叩き方でキーを撃つのだ。あれがウィジェーセーカラ配列のキーボードだ。
それからカンディ・フォントの時代になって、最後にカプタ・フォントのキー配列になった。それはシンハラ文字打ち込みルールの変遷でもあって、アルファベットの配列とは縁もゆかりもないシンハラ文字の打ち込みがカプタ・フォントに時代になってアルファベットのキー配列に近づいた。その改良型がカプタ2004で、キーの打ち込みはここで進化の極限に達した。大新聞はこぞってカプタを採用した。大学の大先生(NdeS教授)だって、カプタ以外は使わないというし、カプタイズムは潮流だったのだけど、それがシンハラunicodeで一変、ヌワラエリヤの街角タイプ屋さんの時代に戻ったのだ。ウィジェーセーカラのタイピングをしっかりと守っていたのはランカeニュースのシンハラ語版だけだったのに(古風な書体のサンダル-nという書体を使っている)、今やそれがメインになった。もっとも、シンハラunicodeを使うのはコロンボ都市圏のIT関連の人々だけ、という揶揄もある。
とにかく困ってしまうのはシンハラ文字の打ち込みだ。ウィジェーセーカラとカプタではキー配列に何の脈絡もないから、いまさらに古風なウィジェーセーカラ・タイピングを覚えるのは苦痛だ。カプタで打った文字がウィジェーセーカラ、つまりシンハラunicodeになるようなコンバーターがあればカプタのままでもいいのだけど、そんな便利な代物があるのだろうか。と思案したら、そのコンバーター、ちゃんと存在する。つまり、アナログ・テレビをデジタルに買い換えなくとも、コンバーターを使ってアナログでそのままデジタルが見られるようなシステムがちゃんと用意されている、というわけ。シンハラ・フォントの消費者は余計な苦労をしなくていいのだ。それにしても、旧来のシンハラ語使用者にはunicodeって不便です。
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