QアンドA37
「足を引っ張る」という言い回し


 日本で暮らしていて気づくのですが、日本語の言い回しにはシンハラ語と同じものがたくさんあります。足を引っ張る、とか、洗濯物が山とある、とか。私は日本で英語を教えていますが、英語ではこういう言いまわしはしません。


No-39 **


  「足を引っ張る」という言いまわしがシンハラ語にもあるという話題は以前しました。だけど、他にもあったのですね。「洗濯物が山とある」。シンハラ語の言いまわしで、洗濯物が沢山あるときの表現を「ගොඩයි」と言うのですね。伝えようとするイメージは洗濯物がたくさん積み重なっているということ。それが「山(ゴダගොඩ )」に繋がって「ゴダイගොඩයි 」となります。英語でならビッグbig、ヒュージhuge、トンノブton ofなどとなって、抽象的な量で表します。山=ゴダというような具象のイメージを例に挙げることはありません。
 「足を引っ張る」という言い回しもシンハラ語で「カクル・アディナワකකුළු අදිනවා (足・引く)」。同じです。英語にはこんな言い回しはなくて、「邪魔をするget in the way of」などのように直截に言います。  言語によるイメージ表現は多分に文化的なもの。固有の言語を使う固有の民族によって比喩の表し方が異なりますから、諸言語の様相を比喩表現によって比較することができます。
 この比喩範疇でシンハラ語と日本語を比較すると面白い現象が沢山あらわれそうです。