KhasyaReport Khasyabooks mini 2023-05
ヒュースケン、夜半に「女学者」を読む
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ヒュースケン、夜半に「女学者」を読む
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1858年1月2日、午前1時、ヒュースケンはモリエールの喜劇「女学者たち」Les Femmes Savantesをベッドで読んでいた。第四幕第三場に差し掛かった時、家が揺れた。椅子の上の有明行灯が転がりそうになった。燈心が濡れ炎が途切れて闇になった。ヒュースケンはすぐに思い浮かべた。1855年の安政江戸大地震、「えびすのうわさ」は江戸の六分の一が破壊され一万人が犠牲となったと報じ、ヒュースケンはその数字を日誌に記している。
この地震も、か! ヒュースケンは身構えた。いや、25秒で揺れが収まった。
ヒュースケンはオランダ系アメリカ人。アムステルダムで家業を損ねて単身、ニューヨークへ渡った二十代後半の若者。1857年12月7日に幕府将軍家定との謁見を済ませたハリスに通訳兼秘書として同席した。外交はズブの素人なのにアメリカ側代表はハリス一人だったのでハリスの秘書として日本側交渉者と折衝を持った。
2023-Nov-23
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