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トップページ> 映画>レビュー> 2006年> 1月
January, 2006
THE 有頂天ホテル
The Wow-Choten Hotel
監督: 三谷幸喜
脚本: 三谷幸喜
音楽: 本間勇輔
出演: 役所広司、松たか子
佐藤浩市、香取慎吾
篠原涼子、戸田恵子
生瀬勝久、麻生久美子
YOU、オダギリジョー
角野卓造、寺島進
浅野和之、近藤芳正
川平慈英、堀内敬子
梶原善、石井正則
原田美枝子、唐沢寿明
津川雅彦、伊東四朗
西田敏行
公式サイト(日本語)
安心して笑いに行きましょー! ★★★☆
先週の公開初日、この映画を観に行こうと思って行った映画館。
あまりの人の多さを目の前にビビってしまい、急遽
別の映画(『プルーフ』)を観ました。
そして今週は『フライトプラン』がお目当てで行ったんですが、
これが(レイトショーにもかかわらず)満席…。
で、『THE 有頂天ホテル』なら少しだけ空いてるという
ことだったので、2週目にして観ることになりました。
それにしても、300席がほぼ埋まってましたね!
すごい人気です。

-----

さて、言わずと知れた、三谷幸喜さん最新作。
舞台は、とあるホテルの大晦日、
カウントダウン2時間前から年明けの瞬間までに巻き起こる
ドタバタ群像コメディドラマであります。

っつうか、出演者がことごとく豪華ですよね。
三谷さんの人脈の広さというか、これまで書いてきた作品の
質の高さが、俳優陣を呼び込むポイントなんでしょう。
とにかく豪華!
そこで今回は、独断と偏見による俳優陣の評価を
サッカー風にしていきたいと思います。

役所広司 7.0 この方の芸達者ぶりには脱帽です。
松たか子 8.0 この映画のMVPは彼女に。
佐藤浩市 7.0 けっこう難しい役柄を、無難にこなした。
香取慎吾 6.0 香取くん的には平均点。

篠原涼子 7.0 ヅラを外すシーンがセクシィでした。
戸田恵子 6.0 安心して観ていられる。
生瀬勝久 6.0 得意のキャラでがんばりました。
麻生久美子 6.0 若干ミスキャスト気味だが、美しいので許す。
YOU 7.5 彼女はもともとヴォーカリストだったことを再認識。
オダギリジョー 6.5 最初、岡田義徳くんと勘違いしてしまった…。

角野卓造 7.5 この役は、この人しかできない。
寺島進 6.0 ジャージ姿が似合いすぎ。
浅野和之 6.0 得意のキャラでがんばりました。
近藤芳正 6.5 松たか子とのかけあいシーン、大爆笑!
川平慈英 5.0 若干ミスキャスト気味。
堀内敬子 6.5 初めて見ましたが、ぽっちゃり系でかわいらしい。
梶原善 6.5 チョイ役なのに、笑いをもっていった。
石井正則 5.5 若干スベり気味。

原田美枝子 6.5 劇中、唯一コメディに染まらない役を好演。
唐沢寿明 5.0 ま、別に彼じゃなくてもいいような役だ。
津川雅彦 5.0 最近、毒気がなくなってきましたね…。
伊東四朗 7.5 このオッサンは、そこにいるだけでおもろい!
西田敏行 8.0 この役こそ、この人にしかできない。

総合的に見ると、かなり面白かったです!
ただし、最後が少し間延びしちゃってるかなぁと感じたのと
(これは『笑の大学』にも共通して言える点)
話が進行していく上でのリズム感が、ちょっと…と思いました。
(これは1シーン1ショットの弊害かもしれない)

でもね、結局のところ、日本の今のコメディ映画の最高峰
なんじゃないですかね、この映画は。文句なく楽しかったっす!

p.s.
オレはけっこう笑ってましたけど、
となりに座ってた人たちは、あまり盛り上がってなかった様子。
う〜ん、笑いのツボが違ったのかしら?
posted on 2006.01.30
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プルーフ・オブ・マイ・ライフ
Proof
監督: ジョン・マッデン
脚本: デヴィッド・オーバーン
レベッカ・ミラー
音楽: スティーヴン・ウォーベック
出演: グウィネス・パルトロウ
アンソニー・ホプキンス
ジェイク・ギレンホール
ホープ・デイヴィス
ロシャン・セス


公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
すべては、人を信じることから始まるのね。 ★★★★
恋に落ちたシェイクスピア』でコンビを組んだ
ジョン・マッデン監督とグウィネス・パルトロウ。
この二人が揃えば、駄作なんて考えられない!
観終わって、そんな気さえ起きる、いい映画でした。

精神のバランスを崩した天才数学者の父親を介護し、看取った娘。
数学に天分をもった存在ゆえに、
父と同じ病になることを恐れている彼女は、
好意を寄せる父の教え子の登場によって心を開こうとするのだが、
世紀の数学定理の証明が発見されたことで
さらなる試練に見舞われることになる。

というあらすじです。
So-net CineSmartより抜粋しました)

もともと、イギリスの舞台で演じられていた戯曲を
グウィネスが引き続き主役を張ることで映画化された
そうですが、その舞台出演時に、彼女は
実の父を亡くしているということで、その迫真の演技たるや、
すっばらしいものがありました!

自分の中に眠る才能について、
自分の中に潜むかもしれない病魔について、
自分のやりたいことをやりきれないことへのいらだち、
父親以外の人間を信用しきれないもどかしさ、
いろーーーーんな葛藤が、彼女の中に渦巻いていて
大きく混乱し、ヒステリックですらある、その人格が
グウィネスの手にかかれば、見事に破綻なく演じられるんですね。
観てるほうとしては、ひたすらリアルでありました。
「天才」とはこういうものか、と。
「父を亡くす」とはこういうことか、と。
ものすごく納得できましたから。

それに加えて、父を演じたアンソニー・ホプキンス!
このおとっつあんは、ほんとすごいですわ。
「一見フツーな顔して、中身は静かにイカれてる」という役は
すでにレクター博士で体験済だからでしょうか、今回も完璧な
イカれようでありました。
そして、最後になりましたが、若手注目株の筆頭!
ジェイク・ギレンホールくんもいい味出してましたね〜。
この子は、これから、ガンガン伸びますよ!
っていうか、すでに伸びてますからね、アカデミー賞だって
放ってはおかないはずです。

登場人物は少ないし、現実と回想シーンがしばしば入り乱れて
決して「わかりやすい」部類の描き方ではなかったにもかかわらず、
なんか途中からグワッと映画の中に引き込まれてしまった、
不思議かつ素晴らしい作品でした、はい。
posted on 2006.01.23
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ポビーとディンガン
Opal Dreams
監督: ピーター・カッタネオ
原作: ベン・ライス
脚本: フィル・トレイル
音楽: ダリオ・マリアネッリ
出演: クリスチャン・ベイヤース
サファイア・ボイス
ヴィンス・コロシモ
ジャクリーン・マッケンジー
アビゲイル・ガジョン


公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
みなさんに気に入ってもらえるでしょうか? ★★★
僕はオーストラリアの田舎町に住む男の子アシュモル。
僕にはケリーアンという妹がいる。
ケリーアンにはポビーとディンガンという
大好きな友達がいるんだけど、
僕はそれが妹の作り上げた架空の友達だって知っている。

ある日、妹は
ポビーとディンガンがいなくなった、って言い出した。
しかも妹は病気にかかってどんどん弱っていく。
仕方ない、妹の病気を治すためにも、
僕がお友達を探すしかない!

以上、公式サイトよりいただいてきたあらすじです。

わたくし、この映画の原作である小説とは、
3年以上も前に出会っていて、大好きな物語だったので
今回映画化されるにあたっては、すっごく期待しておりました。
子供特有の純真さが完全に表現された、あの物語が
どんな風に映像化されるのか!?

うちの近くの映画館で、奇跡的に上映が決定したので
公開当日のレイトショーで観てきました。
オレ含めて観客4名。まぁ、そんなもんでしょー。
(たぶん、オレ以外のお客さんも原作のファンなのでは?)

で、映画は、ほぼ原作どおりにお話が進んでいき、
なんだかあっという間に終わってしまいました。
アシュモルとケリーアンは、とんでもなくかわいらしく、
それに加えて、その純真さは原作そのまま!
これで映画そのものの成功は半分約束されたようなもの!
あとは、兄妹の両親像がけっこうしっかり描かれていたことが
好印象でした。

でも、まぁ、ぶっちゃけ、この物語は
多くの人に受け入れられるタイプのものかどうか
ビミョーなところがありますので、
映画自体の評価も必ずしも高くはならないんじゃないかと
思います。原作本を読んで気に入った人が観れば
よくわかると思うんだけど、予備知識なしで行くと
果たして楽しめるのかどうか…。そんな雰囲気でした。

あとですね、この映画はかなり"手作り色"の強い作品、
要するに低予算っぽいので、観てて"ショボいな…"と
思うかもしれません。ま、そのショボショボ感は
物語ともマッチしているので、問題ないはずなんですが
この点でもひっかかる人がいてもおかしくないな、と。
っていうか、オレも若干ひっかかりました…。

世の中のみんなからは
この映画、どんな風にとらえられるのか?
このへんが大いに興味深い、そんな映画です。
posted on 2006.01.16
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SAYURI
Memoirs of a Geisha
監督: ロブ・マーシャル
原作: アーサー・ゴールデン
脚本: ロビン・スウィコード
ダグ・ライト
音楽: ジョン・ウィリアムズ
出演: チャン・ツィイー
渡辺謙
ミシェル・ヨー
コン・リー
役所広司
桃井かおり
工藤夕貴
ケリー・ヒロユキ・タガワ
大後寿々花
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
美しい音楽にダマされてないか? ★★☆
芸者の世界を、アメリカ人が映画化するということで
2年前の『ラスト・サムライ』のような
「描写の正確性」についての賛否両論が飛び交っている
作品です。

漁村から身売りされてしまった少女・千代が
多額の借金とイジメに耐えながら、
運命の人(会長さん)と出会って、芸者への道を
進んでいく、という感じで、お話は進んでいきます。

芸者とはなんぞや?とか
オンナの本性とか、日本人の美徳とか
ひとりの人を一途に想う気持ちとかについて
語られているのかなぁ、と推察しましたけども、
なんだか、どれもこれもよくわからんなぁ、って感じ。

そう。
まず、基本的なことがわからなかったんです。
(映画を観る以前に知っているべきことかもしれないけど…)
「芸者」と「舞妓」と「女郎」の区別がつかなかったんですね。
劇中、サユリは「芸者」であって「女郎」ではない
という描写があったんだけど、
"えぇ〜、でもなぁ?ほんとにそうなの?"って思うような
行動なんかもあったりして、ほんとのところ、どーなのよ?
と思ってしまいました。

それに、あの「オンナ同士の足の引っ張り合い」的な点ね。
オトコのオレにはあんまりよくわからないなぁ。
こういうことって、現代の女性たちのなかにも
少なからずある(オトコの中にもあるとは思う)とは思うけど、
どうなんでしょうね、女性の方々?って、オレが聞きたくなる
感じでした。この点についての傑作といえば、
オレの思いつくかぎり、名取裕子さんの『吉原炎上』ですね。
あの映画の描く「女の情念」というのは、
すさまじく日本的だったと思います。

-----

それから、キャスティングの問題もありますね。
なぜ、日本が舞台なのに、主人公を中国人俳優が
演じているのか?という点。
これについては、オレは仕方ないかなと思います。
現時点の日本の女優陣のなかで
チャン・ツィイー以上の「オーラ」と「ネームバリュー」を
持ってる人がいるかな?と考えると、いませんもんね。
実際、彼女の着物姿は相当美しかったと思いますし。
納得です。
でも、心の奥では、宮沢りえさんなんかがやってたら
どーなっただろうなぁ?とか、サユリの子供時代を
カンペキに演じていた大後寿々花ちゃんが成長した時点で
映画化してたらどうなっただろう?とか想像してしまいます。

せっかく、日本を舞台にした日本文化についての映画なんだから
日本人に演じて欲しかったよねぇ。
桃井かおりさんは、まさにハマり役でしたけど!

-----

結論としては、ただキレイキレイな映画で終わってしまった
感じがします。劇中、常に音楽が流れていた気がして、
あのジョン・ウィリアムズが一流の弦楽奏者を使って奏でる
美麗メロディにダマされてる気がしてなりませんでした。

なので、点数は低めでございます。あしからず。
posted on 2006.01.03
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キング・コング
King Kong
監督: ピーター・ジャクソン
脚本: ピーター・ジャクソン
フラン・ウォルシュ
フィリッパ・ボウエン
音楽: ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演: ナオミ・ワッツ
ジャック・ブラック
エイドリアン・ブロディ
アンディ・サーキス
トーマス・クレッチマン
ジェイミー・ベル
コリン・ハンクス
公式サイト(英語)
公式サイト(日本語)
コングは、オトコの中のオトコだね。 ★★★★
キング・コングというと、有名なキャラですよね。
あの、エンパイアステートビルの上に登って
美女を握りながら胸をドコドコたたくシーン、
こんなイメージだけがアタマに残っていて、
その他のことはあまりよく知らないまま
今回のリメイク作を観ることにしました。

が。

いやぁ、面白かった〜!
キング・コングって、こんなヤツだったんだ!?
コイツはオトコだね、オトコの中のオトコだわ。

と、ほんと、感心しました。

美女に目がなく、
一度気に入ったオンナのことは
命がけで守り通そうとする、鉄の意志ですよ。
それに、他のオンナには目もくれませんしね。
似たような金髪美人なんて、ゴマンといるのに、
人違いだとわかるやいなや、"ポイ!"っと捨てちゃう。
あのいさぎよさに、オレは感動すら覚えました。

ほんと、コングのキモチはよくわかるよ、でも。
ナオミ・ワッツでしょ!?
そりゃイチコロだよなぁ。そうだよなぁ。
いくら巨大ゴリラとはいえ、そういう感情は
人間と共通してるんだろうなぁ、と、マジで共感した!

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と、オレをここまでコングに共感させてくれるほど
すばらしい造形と演技と生きた目を提供してくれている
監督はじめ俳優、技術者のみなさんには
心からの敬意を表したいと思います。
そして、はかなげだけど芯の強い女性像を
金切り声とともに見事に表現してくれていた
ナオミ・ワッツさま。オレもイチコロでございました。

映画の最後の最後で、ジャック・ブラックが
ポツリとつぶやくセリフ、これを聞くために
延々3時間のドラマを観てきたんだ!と、すっごく納得して
気持ちよく劇場をあとにできる一作でした。

こんな「怪獣映画」ができるとは!素晴らしいです。
posted on 2006.01.03
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