終了
第3期・連続講座の概要
少年たちによる異常な事件の続出、すぐキレル、学級崩壊、ADHD(注意欠陥多動性障害)等々、いま子どもたちに異変が起きています。その原因については社会的要因とともに、環境ホルモンなどの化学物質の影響があげられています。また、アメリカでは、鉛や農薬をはじめ化学物質による子ども達の脳への影響の研究が進み、色々なことが分かってきています。
1998年から始めた化学物質問題市民連続講座の第3期では、特に化学物質の影響が大きいと考えられる子どもたちと化学物質との関わりを取り上げ、「子どもの健康と化学物質」をメインテーマに、2000年9月16日から2001年2月17日まで6回にわたり開催しました。
多数の方々にご参加いただき、ありがとうございました。
第3期 化学物質問題市民連続講座 全体スケジュール(2000年〜2001年) |
回 | 開催日 | 講 師 | テーマ |
第1回 | 9月16日(土) 終了 | 小島正美さん (毎日新聞編集委員) | 環境ホルモン研究最前線−脳神経、行動、免疫を中心に− |
第2回 | 10月21日(土) 終了 | 深澤三穂子さん(「見直そう!こどものおもちゃ」実行委員会所属) | おもちゃと化学物質 |
第3回 | 11月11日(土) 終了 | 赤城智美さん (アトピッ子地球の子ネットワーク) | アレルギーが増えている |
第4回 | 12月 9日(土) 終了 | 黒嶋 恵さん (子どもの健康と環境を守る会) 網代太郎さん (化学物質過敏症ネットワーク) | 子どもを蝕むシックスクール |
第5回 | 1月20日(土) 終了 | 福島 章さん (上智大学教授) | 子どもの脳があぶない |
第6回 | 2月17日(土) 終了 | 立川 涼さん (元高知大学長) | 子どもの健康と化学物質−未来へ向けて− |
会 場:家庭クラブ会館
東京都渋谷区代々木3丁目20の6 (TEL 03-3370-6321)
交 通:JR新宿駅南口8分または都営地下鉄「新宿」3分

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| | 小島正美さん |
終了
第3期・市民連続講座
第1回 2000年9月16日(土) 13時30分-16時30分
「家庭クラブ会館」
環境ホルモン最前線
小島正美さん(毎日新聞編集委員)
環境ホルモンに関する報道の第一人者である毎日新聞の小島正美さんに、研究の最新情報や行政の対応についてお話しいただきました。
講演内容の詳細はピコ通信第26号をご覧下さい。
(10月13日更新)
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| | 深澤三穂子さん |
終了
第3期・市民連続講座
第2回 2000年10月21日(土) 13時30分-16時30分
「家庭クラブ会館」
おもちゃと化学物質
深澤三穂子さん
(「見直そう!こどものおもちゃ」
実行委員会所属
おしゃぶりや歯固めなどの口に入れる赤ちゃん用おもちゃや、リカちゃんなどの人形類、ビーチボールなどの柔らかいプラスチックおもちゃは塩ビで作られ、環境ホルモンとして問題になっているフタル酸エステル類が可塑剤として大量に使われていることが分かり、塩ビのおもちゃはやめるように私たちはメーカーや販売者に働きかけてきました。そして、大手おもちゃメーカーや流通大手は、ようやく3歳未満向けの口に入れるおもちゃには塩ビを使うのをやめ、日本玩具協会は3歳未満向けおもちゃだけ素材表示をすることを決めました。
しかし、相変わらず、それ以外の塩ビのおもちゃは表示もなくたくさん売られ、塩ビ以外のプラスチックおもちゃも売り場にあふれています。そこで、おもちゃの問題に取り組んでこられた深澤さんに、ご自身の豊富な子育て経験に基づき、使われている化学物質の問題、おもちゃをどう選べばよいのか、子どもにとって本当に良いおもちゃとは? メーカーや店に安全で良いおもちゃに変えさせるには、等について具体的にお話いただきました。
講演内容の詳細はピコ通信第27号をご覧下さい。(11月4日更新)
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| 赤城智美さん |
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| 会場風景 |
終了
第3期・市民連続講座
第3回 2000年11月11日(土) 13時30分-16時30分
「家庭クラブ会館」
アレルギーが増えている
赤城智美さん
(アトピッ子地球の子ネットワーク)
今や、国民の3人に1人に、アトピー性皮膚炎やぜんそく、花粉症、アレルギー性鼻炎などのアレルギー症状があると言われています。全国のアトピー性皮膚炎の患者は96年厚生省調査によると3万6300人で、じわじわと増え続けています。おそらく実際の数は、これよりもずっと多いでしょう。アレルギー疾患の最近の特徴は、大人になっても治らず、幅広い年齢層に広がっていることだということです。
アレルギーには色々な原因があげられていますが、化学物質を始めとする環境汚染が大きな比重を占めていることは間違いありません。
講師には、アレルギー問題に取り組まれ、数多くの相談を受けてこられた赤城 智美さんをお迎えしました。数多くの子どもたちが苦しんでいるアレルギー問題の解決に向けて、一緒に考えましょう。
内容:
アレルギーが増えている現状、相談の事例、アレルギーの原因と治療法、アレルギーと化学物質、発症を予防するには、国・自治体の動き、等。
講演内容の詳細はピコ通信第28号をご覧下さい。(12月5日更新)
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| 黒嶋 恵さん |
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| 網代太郎さん |
終了
第3期・市民連続講座
第4回 2000年12月9日(土) 13時30分-16時30分
「家庭クラブ会館」
子どもを蝕むシックスクール
黒嶋 惠さん(子どもの健康と環境を守る会)
網代太郎さん(化学物質過敏症ネットワーク)
化学物質による環境汚染が進む中で、シックスクールが原因で学校に通えない子どもが増えています。シックスクールとは、学校の増改築や改装、使用する器具・道具・教材、給食などによる化学物質汚染が広がっている学校のことです。今、ほとんどの学校がシックスクールと言っても過言ではありません。
具体的には、合板、壁紙、じゅうたんなどの建材、ペンキなどの塗料、床用ワックス、窓拭きスプレー、ゴキブリ退治・庭木への農薬散布、油性マーカー、理科実験材料等々、学校はすべての子どもたちにとって危険がいっぱいの場所 になっています。
講師には、お子さんが化学物質過敏症にかかり、学校や役所に働きかける中から仲間と会をつくり活動している黒嶋 惠さんと、CSネット(化学物質過敏症ネットワーク)の網代太郎さんをお迎えしました。
講演内容の詳細はピコ通信第29号をご覧下さい。(1月10日更新)
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| 福島 章さん |
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| 会場風景 |
終了
第3期・市民連続講座
第5回 2001年1月20日(土) 13時30分-16時30分
「家庭クラブ会館」
子どもの脳があぶない
福島 章さん(上智大学教授)
最近、少年たちによる異常な犯罪が続いて起きています。それに対して、「母親の教育が悪い」「学校教育が悪い」「マスコミの報道が煽っているからだ」等々の意見が噴出、少年法を変えて厳罰をという世論が形成され、11月28日、改正少年法が成立しました。
「少年たちは、何故そのような重大な犯罪を犯すのか」という疑問に対して、第5回講座の講師にお願いした福島 章先生は、「重大な犯罪・非行を犯した人の脳を精密に調べると、胎児期から幼児期の間に由来する微細な形成異常が発見されることが多い。その原因は黄体ホルモン剤のような何らかの化学物質によるのではないか」と述べておられます。
30年間、精神鑑定医として多くの著名事件を手がけて来られた犯罪心理学者である先生の学説は、学級崩壊、すぐキレル子ども、ADHD(注意欠陥多動性障害)などの子どもの問題を考える上で、非常に重要だと思われます。
福島先生著書
『子どもの脳が危ない』『ストーカーの心理学』(以上、PHP新書)、『犯罪心理学入門』『非行心理学入門』(以上、中公新書)、『精神鑑定とは何か』(講談社ブルーバックス)、『父親殺し』『彼女は、なぜ人を殺したか』(以上、講談社)他多数。
講演内容の詳細はピコ通信第30号をご覧下さい。(2月8日更新)
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| 立川 涼さん |
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第3期・市民連続講座
第6回 2001年2月17日(土) 13時30分-16時30分
「家庭クラブ会館」
子どもの健康と化学物質−未来へ向けて−
立川 涼さん(元高知大学長)
昨年9月からの5回にわたる連続講座の中で分かったことは、「いま子どもたちの健康が脅かされている。その主要な原因の一つが化学物質である」ということです。
1997年の「子どもの環境保健に関する8か国の環境指導者の宣言書」では、「環境リスク評価を行なったり、保護基準を設定する際に子どもの特異な曝露経路や量−反応関係の特徴を考慮に入れ、国の政策を設定する。情報が十分でないときは、予防的なアプローチに則り、子どもの健康を守る」などとうたわれ、日本も宣言に加わっています。しかし、日本では具体的な動きはほとんど見られません。
米国では、農薬の安全性の再検討が行われ、昨年、殺虫剤クロルピリホスが子どもたちへの影響から家庭内での使用が禁止となりました(これによって、日本でも生産・使用中止決定)。これは画期的なことですが、1物質の規制に数年間もかかり、今までの手法で子どもたちの健康を果たして守れるのか疑問です。
今回は連続講座のまとめとして、子どもを化学物質の毒性から守るためにどうしたらいいのか、我々に何ができるのかについて、立川 涼さん(元高知大学長)を講師にお招きし,お話をうかがいました。また、会場との充実した質疑応答もありました。
内容:子どもは大人と同じではない。子どもを取り巻く化学的、社会的環境。クロルピリホスの家庭内使用禁止の意味するもの。リスクアセスメント的方法の限界をどう克服するか、等。
講演内容の詳細はピコ通信第31号をご覧下さい。(3月8日更新)
第1期(1998年度)化学物質問題市民連続講座の記録
- 前期全6回「化学物質汚染の現状」の紹介(1998年2月〜1998年7月)
- 後期全6回「どうする−化学物質汚染!」対策編(1998年9月〜1999年2月)
第2期(1999年度)化学物質問題市民連続講座の記録
- 暮らしの中の有害化学物質(1999年5月〜2000年3月)
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資料集:500円/各回、テープ:1000円/各回 送料別