第2期(1999年度)連続講座は1999年5月から2000年3月まで10回にわたり開催されました。
第2期連続講座のメインテーマは「暮らしの中の有害化学物質」、身近にあふれている化学物質の安全性と環境への影響を検証していこうという講座でした。
多数の方々にご参加いただき、ありがとうございました。

  * 各回クリックで概要ご案内
*第2期 化学物質問題市民連続講座
全体スケジュール(1999年〜2000年) 
第1回5月1日(土)北條祥子さん
(尚絅女学院短期大学教授)
暮らしの中の環境ホルモン
第2回6月5日(土)池田耕一さん
(国立公衆衛生院建築衛生学部教授)
住宅建材とシックハウス問題
第3回7月3日(土)鹿庭正昭さん
(国立医薬品食品衛生研究所室長)
身近にあふれる抗菌グッズ
第4回8月7日(土)槌田 博さん
(生活クラブ連合検査室課長)
家庭用品の中の有害化学物質
@プラスチックのはなし
第5回9月4日(土)槌田 博さん
(生活クラブ連合検査室課長)
家庭用品の中の有害化学物質
Aこんな製品に、こんな危険が
第6回10月2日(土)植村振作さん
(大阪大学助教授)
生活の中の農薬汚染
第7回11月6日(土)藤原邦達さん
(山形大学講師)
危うい!食品の安全性−ダイオキシン
−環境ホルモン汚染を中心に−
第8回12月4日(土)高橋晄正さん
(元東京大学講師)
薬の有効性と安全性
第9回2月5日(土)坂下 栄さん
(元生活クラブ連合検査室)
合成洗剤と人体汚染
第10回3月4日(土)村田徳治さん
(循環資源研究所長)
”奪われし未来”は取り戻せるか

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資料集:500円/各回、テープ:1000円/各回 送料別

「家庭クラブ会館」案内図
住所:渋谷区代々木3-20-6
交通:JR新宿南口8分または都営地下鉄「新宿」3分



 
 北條祥子さん     藤原寿和(研究会代表)

第1回 1999年5月1日(土) 13時30分-16時30分
「家庭クラブ会館」
暮らしの中の環境ホルモン
北條祥子さん(尚絅女学院短期大学教授)

連続講座第1回は、今、大きな関心を集めている環境ホルモンの問題を北條祥子さんに、免疫学・生化学の専門家として、また生活者としての立場から下記のようなことを中心にお話いただきました。

講演内容の詳細についてピコ通信第9号をごらん下さい。

 
 池田耕一さん

第2回 1999年6月5日(土)13時30分-16時30分
「家庭クラブ会館」
住宅建材とシックハウス問題
池田耕一さん(国立公衆衛生院建築衛生学部教授)

新築の家に住んで間もなく、頭痛、目まい、吐き気、目や喉の痛みなどの症状を訴え、転居せざるを得なくなるなど、いわゆる「シックハウス症候群」が増えているようです。その原因として問題視されているのは建材の中に含まれているホルムアルデヒドですが、その他にもVOC(揮発性有機化合物)など様々なものがあります。
連続講座第2回は、住宅建材とシックハウスの問題について、池田耕一さんにお話いただきました。池田さんは厚生省の「快適で健康的な住宅に関する検討会議」の委員もされており、国や自治体の動きなどのお話もうかがいました。

講演内容の詳細についてはピコ通信第10号をごらん下さい。

 
 鹿庭正昭さん    井上 啓(研究会)
  

第3回 1999年7月3日(土)13時30分-16時30分
「家庭クラブ会館」
身近にあふれる抗菌グッズ
鹿庭正昭さん(国立医薬品食品衛生研究所)

最近の日本人の清潔志向は、ますます高まり、街には「抗菌」、「抗菌防臭」、「抗菌防カビ」などのいわゆる”抗菌グッズ”があふれています。繊維製品、プラスチック製台所用品、浴室用品、文房具、壁紙、家電製品等々、なかには抗菌加工をしていない製品を見つけるのが大変なものさえあります。
 この抗菌ブームは、3年前のO-157中毒事件の時に一層高まり、今日に至っています。しかし、清潔志向がかえってO-157中毒をまねいたのではないかという指摘もあります。抗菌グッズによる健康被害も報告されていますが、製品に物質名の表示がほとんどないので、どういうものが使われているのか消費者にはわかりません。
 そこで今回は、抗菌剤・抗菌製品の専門家である国立医薬品食品衛生研究所の鹿庭正昭さんに、どういう製品にどういう物質が使われているのか、健康への影響、抗菌製品によるアレルギー事例、法規制、業界の対応などについてお話いただきました。

講演内容の詳細についてはピコ通信第11号をごらん下さい。

 
 槌田 博さん
  

第4回 1999年8月7日(土)13時30分-16時30分
「家庭クラブ会館」
家庭用品の中の有害化学物質@−日用品・雑貨類を中心に−
槌田 博さん(生活クラブ生活協同組合連合検査室・課長)

 ダイオキシンや環境ホルモンによる人体や環境の汚染が今問題となっていますが、その原因になる物質は、家庭の中にもいっぱいあります。たとえば、塩ビのラップ、テーブルクロス、バッグ、運動靴、おもちゃ、食品の外袋、壁紙、水道管、ポリカーボネートの容器、食器、ほ乳瓶、缶詰のコーティング、化粧品等々。
 その他にも、アルミ鍋、ホルムアルデヒドが溶出する形状記憶シャツ、防虫剤、殺虫剤、カビ取り剤等々、家庭にはまさに”危険がいっぱい!”です。
 いま、大人の半数以上が健康ではないといわれていますが、身近な所にある化学物質が原因であるケースも少なくないと推測されます。
 第2期連続講座の第4回と第5回は家庭用品の中の有害化学物質を取り上げました。講師はこの問題に詳しい槌田 博さん(生活クラブ生活協同組合連合検査室・課長)です。第4回は”素材のプラスチック”について、お話をいただきました。

講演内容の詳細についてはピコ通信第12号をごらん下さい。

 
 槌田 博さんと参加者の皆さん
  

第5回 1999年9月4日(土) 13時30分-16時30分
池袋エポック10
家庭用品の中の有害化学物質A−こんな製品に、こんな危険が−
槌田 博さん(生活クラブ生活協同組合連合検査室・課長)

 文具やおもちゃ、プラスチック容器、化粧品、防虫剤など、どんな製品にどんな危険があるのでしょうか。
 筆箱、三角定規、消しゴムや手帳などの文具には塩ビが使われているものがほとんどです。消しゴムも昔のような天然ゴムでできているものがありますが、まだまだ少数派です。
 プラスチックおもちゃにもいろいろな添加削が入っています。その代表が、発がん性のある可塑剤のフタル酸エステル類で、塩ビおもちゃのほとんどから検出されています。また環境ホルモンの疑いのあるアジピン酸エステル類(可塑剤)も添加されています。
 今、子ども達の脳が危ないといわれています。原因が化学物質という説もありますが、本当なのでしょうか?
 第4回の講座に引き続いて、槌田 博さんに”こんな製品に、こんな危険が”と題してお話いただきました。

講演内容の詳細についてはピコ通信第13号をごらん下さい。

 
 植村振作さん
  

第6回 1999年10月2日(土) 13時30分-16時30分
「家庭クラブ会館」
暮らしの中の農薬汚染
植村振作さん(大阪大学助教授)

 あなたの家には、農薬が何種類ありますか?「ガーデニング用の殺虫剤と殺菌剤があるだけよ」と答えるかもしれません。でも、それ以外にも、ゴキブリ退治用殺虫剤、殺ダニ燻蒸剤、蚊取りマット、衣類の防虫剤、もしかしたら、床下にはシロアリ防除剤もあるのではないでしょうか。これらの薬剤は、みんな農薬と同じ成分なのです。
 また、図書館や公民館、幼稚園、学校、公園、電車、バスなどの公共施設・機関でも、「消毒」と称して、定期的に農薬散布が行われています。 先日の厚生省研究班の調査によると、防虫剤や防臭剤に使われているパラジクロロベンゼン(ネオパラ、パラゾール等の商品名)が、調査した60人すべての血液から、しかも高濃度で検出されたということです。私たちの体内には、すでにかなりの量の農薬が蓄積されているのではないかと心配です。シロアリ防除剤による健康被害も深刻です。
 連続講座第6回は、農薬の問題に長年取り組んでこられた、大阪大学の植村振作さんに講師をお願いしました。身近なところでの農薬汚染の現状と危険性、農薬を使わない暮らし、行政や企業にどう働きかけていったらいいのかなどについて、お話いただきました。

講演内容の詳細についてはピコ通信第14号をごらん下さい。

 
 藤原邦達さん
  

第7回 1999年11月6日(土) 13時30分-16時30分
「家庭クラブ会館」
危うい!食品の安全性−ダイオキシン、環境ホルモン汚染を中心に−
藤原邦達さん(山形大学講師)

 今から30余年前に起きた、PCBとダイオキシン類が混入した米ヌカ油を食べて発症したカネミ油症事件は、国からも人々からも過去の事件として忘れ去られてきました。しかし、現在も被害者は健康被害に苦しみ、さらに次世代への影響も懸念されています。そして、今、ダイオキシンによる人体被害の実例として注目されてきています。
 現在、ダイオキシン、環境ホルモンによる食品汚染、遺伝子組み換え食品が心配されていますが、国は「ごく微量だから大丈夫」「安全性に問題はない」というばかりで、私たちの不安は増大しています。特に、妊産婦や乳・幼児への影響が心配です。
 今回の連続講座は、長年、食品の安全性の問題に取り組んでこられた藤原邦達さんに、ダイオキシンや環境ホルモンによる食品汚染の現状とどう減らしていくか、安全基準の設定と規制の方法、母乳哺育を続けるためには、などについてお話いただきました。

講演内容の詳細についてはピコ通信第15号をごらん下さい。

 
 高橋晄正さん
  

第8回 1999年12月4日(土) 13時30分-16時30分
「家庭クラブ会館」
薬の有効性と安全性−インフルエンザ予防接種とフッ素を中心に
高橋晄正さん(元東京大学講師)

 医薬品の発毛剤「リアップ」が大ヒットしているそうですが、つい最近、心筋梗塞などの副作用の疑いがあることが報告されました。効き目の方も気になるところですが、安全性にも黄信号が点ったようです。
 医薬品の場合、一番気になるのは有効性と安全性ですが、これらがしばしば裏切られるのはなぜでしょうか。
 インフルエンザ予防接種は、副作用と効かないことがだんだん明らかになり、子どもへの接種は減ってきていますが、今度は高齢者に対して推進しようとしています。また、フッ素については、フッ素洗口を実施している学校や、熱心に推進している歯医者・学者グループ、水道水に添加すべきだというジャーナリストなど、これまた推進派の巻き返しが盛んになっていますが、本当のところはどうなのでしょうか。
  今回の連続講座は、薬の安全性の問題に長年取り組んでこられた高橋晄正さんに、インフルエンザ予防接種とフッ素塗布の問題を切り口に、この問題についてお話しいただきました。

講演内容の詳細についてはピコ通信第16号をごらん下さい。

 
 坂下 栄さん
  

第9回 2000年2月5日(土) 13時30分-16時30分
「家庭クラブ会館」
合成洗剤と人体汚染−基礎からアトピー・環境ホルモンまで−
坂下 栄さん(生活クラブ連合会顧問)

「買ってはいけない」が大ベストセラーになって、その批判本の「『買ってはいけない』は買ってはいけない」もよく売れているそうです。
 この批判本の「アタック」の項を読んだところ、「(蛍光剤を使って染めた)白いワイシャツや下着のほうが良い」「アタックの主成分であるLASは、せっけんよりも洗浄性が高い」「非イオン系はせっけんと比ペ、洗剤としてはるかに優れていて、安全性の面でも大きな差はない」等々、合成洗剤メーカーがこれまで宣伝してきたことが並んでいてびっくり。メーカーの宣伝がそれほど世間に浸透しているということでしょうか。
 そこで第9回連続講座は、合成洗剤について改めて学習し直したいと、研究者として長年取り組んでこられた坂下栄さんに講師をお願いしました。合成洗剤の基本的問題と環境ホルモン、アトビーとの関係という新しい問題についてお話いたださました。

講演内容の詳細についてはピコ通信第18号をごらん下さい。

 
 村田 徳治さん
  

第10回 2000年3月4日(土) 13時30分-16時30分
「家庭クラブ会館」
”奪われし未来”は取り戻せるか
村田 徳治さん(循環資源研究所長)

21世紀に入ろうという現在、合成化学物質による環境汚染、人体汚染が未来への不安を掻き立てています。日本の行政もようやく重い腰を上げ始め、企業も環境問題を避けては通れない時代になりつつあります。
 しかし、今、市民が合成化学物質の問題にきちんと対処しておかなくては、手遅れになりかねません。日本の行政も企業も、「予防原則」を未だに認めようとしないからです。
 99年4月に始まった第2期化学物質問題市民連続講座「暮らしの中の有害化学物質」も最終回を迎えます。今回は、連続講座のまとめとして、村田徳治さんを講師に、合成化学物質と我々はこれからどうつきあっていけばよいのか、はたして共存はできるのかについて、お話いただきました。
講演内容の詳細についてはピコ通信第19号をごらん下さい。

講演内容
1.増え続ける合成化学物質
2.制御困難な多様性
3.多種多様な合成化学物質ははたして必要か
4.安定剤不要なプラスチックの製造
5.農薬を使わない天敵農業の普及
 

第1期(1998年度)化学物質問題市民連続講座の記録

  • 前期全6回「化学物質汚染の現状」の紹介
  • 後期全6回「どうする−化学物質汚染!」対策編


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