EPA ニュースリリース 2021年8月18日
EPAは、クロルピリホスからのリスクに対処し、 子どもの健康を保護するために行動を起こす EPAの措置により、食品への農薬クロルピリホスの使用が停止される 情報源:EPA News Releases August 18, 2021 EPA Takes Action to Address Risk from Chlorpyrifos and Protect Children's Health EPA measures will stop the use of the pesticide chlorpyrifos on food https://www.epa.gov/newsreleases/epa-takes-action- address-risk-chlorpyrifos-and-protect-childrens-health 訳:安間 武(化学物質問題市民研究会) http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2021年9月29日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/usa/epa/210818_EPA_Takes_Action_ to_Address_Risk_from_Chlorpyrifos_and_Protect_Childrens_Health.html 【ワシントン】米国環境保護庁(EPA)は、人間の健康、特に子どもや農業従事者の健康をよりよく保護するために、全ての食品への農薬クロルピリホスの使用を停止すると発表した。 本日発表された最終規則では、EPAは、食品に許可される農薬の量を確立するクロルピリホスの全ての「許容範囲」を取り消している。さらに、当局は、連邦殺虫剤・殺菌剤・殺鼠剤法(FIFRA)に基づいて、取り消された許容範囲に関連するクロルピリホスの登録食品使用を取り消す意思通知書を発行する。 ”本日、EPA は公衆の健康を保護するために、すでに必要とされている措置を講じている。食品へのクロルピリホスの使用をやめることは、子ども、農業労働者、そして全ての人々がこの農薬の潜在的に危険な結果から保護されることを確実にするのに役立つ”と EPA 長官マイケル S.リーガンは述べた。 ”前政権による遅延と拒否があったが、EPA は科学に従い、健康と安全を最優先する。” クロルピリホスは、大豆、果物やナッツの木、ブロッコリー、カリフラワー、その他の条植え作物(row crop)など、さまざまな農業用途や非食品用途に使用される有機リン系殺虫剤である。ある酵素を抑制し、そのことが神経毒性を引き起こすとがわかっており(訳注1)、子どもの潜在的な神経学的影響にも関連している。 当局が本日発表する手順は、北米農薬行動ネットワークと天然資源防衛協議会によって提出された 2007年の請願に応じて、EPAに最終規則を発行するよう指示する第9巡回区控訴裁判所の命令に対応している。請願書は、EPAが全てのクロルピリホス許容範囲、または食品中の最大許容残留レベルを取り消すことを要求した。これらの許容範囲は、一部には子どもの神経発達への影響の可能性があるために安全ではなかったためである。 前政権下では、EPAは 2017年に請願を却下し、2019年にその後の異議申し立てを却下した。これらの却下は、2019年の第9巡回控訴裁判所で、農民、健康、環境、その他の団体の連合によって異議を申し立てられた。 2021年 4月、裁判所は、”... EPA は連邦食品医薬品化粧品法に基づく法的に要求される合理的な確実性の基準に対して現在の許容範囲が害を及ぼさないと結論付ける法定義務を放棄した...”と認定した。その決定において、裁判所は EPA に対し、請願を許可し、当局がクロルピリホスの許容範囲を裏付ける安全性の決定で修正するか、許容範囲を取り消す、及びクロルピリホスの食品使用登録を修正または取り消すという最終規則を発行するよう命じた。 EPAは、クロルピリホスの使用による現在の総暴露量は、そのような暴露から害が生じないという合理的な確実性があるという法的に要求される安全基準を満たしていないと決定した。欧州連合やカナダを含む他の多くの国々、及びカリフォルニア、ハワイ、ニューヨーク、メリーランド、オレゴンを含むいくつかの州は、食品へのこの農薬の使用を制限するために同様の措置を講じている。 農民は歴史的にクロルピリホスに依存してきたが、州レベルでの制限と生産量の減少により、その使用は減少している。さらに、近年、ほとんどの作物にいくつかの代替品が登録されている。特定の標的害虫に利用できる他の化学物質や昆虫成長調節剤もある。 EPAは、クロルピリホスの代替品と代替品の検討に取り組んでいる。 米国には安全で豊富な食料があり、連邦政府や栄養学の専門家が推奨するように、子どもやその他の人々はさまざまな食料を食べ続ける必要がある。新鮮な果物や野菜を洗ったりこすったりすると、表面から微量のバクテリア、化学物質、汚れを取り除くのに役立つ。果物、野菜、穀物、及びその他の食品の中または上に残る可能性のある非常に少量の農薬は、作物が収穫され、輸送され、光にさらされ、洗浄され、準備され、調理されるにつれて大幅に減少する。 この措置は、クロルピリホスの進行中の登録審査にも組み込まれる。 EPAは、クロルピリホスの提案された暫定決定、改訂された人の健康リスク評価の草案、及び生態学的リスク評価の草案について提出されたコメントを引き続き検討している。これらの文書は、www.regulations.gov のクロルピリホス登録レビュードケット EPA-HQ-OPP-2008-0850 で入手できる。 パブリックコメントを検討した後、当局は、人間の健康と生態学的リスクを低減するための追加措置を検討する可能性のある暫定決定を発行することにより、クロルピリホスの残りの非食品用途の登録審査を進める。登録レビュープロセスの詳細については、こちらをご覧ください。 クロルピリホスと最終的な許容ルールの詳細については、EPAのウェブサイトで利用可能である。 訳注1
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