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「いて座」
ケンタウロス族という馬人は腰から下が馬という怪人であり、ほら穴に住んでおりました。 |
そのケンタウロス族の性格は、ひどく乱暴で、野蛮であると見られておりました。 |
タイタン族のクロノスとニンフのフィリュラとの間に生まれた、ケイローンという子供がおりました。 |
そのケイローンの生い立ちとは、ある日クロノスが、しっと深い妻の目を盗んで、ごまかすために、自分の姿を馬に変えて、フィリュラに会いに行きました。 |
そのために、上半身が人間であり、下半身が馬の姿となったケイローンが生まれたのです。 |
ケイローンは半人半馬の姿こそしておりましたが、ケンタウロス族にもかかわらず、優しく、教育があり、武術にもたけておりました。その上、賢明で正義感が強い、馬人に成長しました。 |
このケイローンは、音楽の神アポロンと月の神アルテミスからは、音楽、狩り、医術、予言などを授けられました。 |
そして、ペーリオン山のほら穴に住んで、ギリシャの若い英雄たちに教育をしました。 |
その教育をした人たちには、カストル、トロヤ戦争に出て来るアキレウス、大力士ヘルクレスに武術を教えました。 |
医者の神となったアスクレピオスには医術を教育しました。 |
その他にも、アルゴー船遠征隊を率いて、金色の羊の皮を取り返しに行った、ヤーソンを育てたという話もあります。 |
後になって、ラピテース人が侵入してきたために、ケイローンはペーリオン山の自分が住んでいた、ほら穴を追い出されてしまって、ペロポネソスのマレア半島にやって来ました。 |
そのマレア半島に来た、ちょうどその時に、英雄ヘルクレスに追われて、逃げて来た、ケンタウロス族の仲間といっしょになり、ケイローンの周りにみんなが集まりました。 |
その時、突然ヘルクレスが放った矢が飛んで来て、その矢がケンタウルスの腕を貫いて、ケイローンのひざにグサッと刺さりました。 |
その矢はヘルクレスがヒドラの恐ろしい猛毒を矢に塗っていたものでした。ヒドラの恐ろしい猛毒とは、それに少しでも触れると、すぐに死んでしまうというものでした。 |
ヒドラの恐ろしい猛毒にもかかわらず、ケイローンは不死身の身であったために、この矢でも死ぬことはできなかったのです。 |
ケイローンは猛毒が体中にまわって、もがき苦しみました。しかし、傷の痛みがあまりにもひどく、あまりの苦しさに耐えかねたケイローンは、こころから死ぬことを願って、自分の不死身の力をプロメテウスにゆずって、ようやく死ぬことができたのです。 |
これを見ていた大神ゼウスは、ケイローンの死を惜しんで、天空に上げて星座にしました。 |