[01]王殺 僕は近々王を殺す 風がそれを求めている 雲雀がそれを求めている 僕の左手が求めている 王を殺すことを 王は殺される [02]王殺 月の冠戴けし我が王は 椅子に腰掛け紫煙の河 悠久をここで止める為 杯を置き待ち望むのだ 我が王はつぶやけり 王ごろしよくたびれた 時は変わらねば成らぬ 我はねむらねば成らぬ [03]王殺 7年前僕は死んだ はずだった おかしい おかしい 死んだ はずだった
シリーズ 「望郷」全36編