陶芸エッセイ 4 陶芸のための風変わりな小道具とは? |
「単身赴任・やきもの扮戦記」 連載第4回 | |
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「電子蚊取りにできないこと」 単身赴任中の自称「工房」に、様々な小道具が増えてきた。陶芸用品の店で買った一般的なもの、自作のもの、そして中には風変わりなものもある。 まずは、傘の骨で作った削りカンナ。適当な長さに切って、先をカナヅチで叩いて平らにしてから、直角に曲げたもの。文様ぎわの掻き落としなどの細かい作業にはうってつけだ。傘は徒歩通勤の帰り道で調達した。ガードレールに立てかけてあったものを頂いたのだが、いや、見かけたその日に持ち帰ったわけではない。二日たっても同じ場所にあったので、手にとって開いてみると、骨が一本折れていた。捨てたものと解釈させていただいた。 半乾きの粘土に文様を彫る竹ベラも手製である。会社の会議で弁当として出た「富山の押し寿司」。蓋の押さえとして使ってあった、割り竹の先を削ったものだ。 「使い捨ての便利なのがありますよ」と、文明の利器をわざわざショーケースの上に並べてくれたり、「何が出ましたか?」と虫の種類をたずねられたり。 粘土に布目をつけるのに使うのは蚊帳。漆(うるし)工芸用に市販されている麻でできたものを使っている人が多いが、細かい布目のしっとりした風合いが好きなので、木綿の蚊帳を使っている。郷里の実家から送ってもらおうと、母親に電話を入れたときの会話がおかしかった。 蚊帳(木綿でも麻でもけっこうです)をお持ちの方、こんどのゴミの日に出そうとおもっていらっしゃるのなら、ぜひ譲ってください。 蚊帳にもぐり込むときの、不思議な安らぎの別世界にはいってゆくような感覚が、僕は大好きだった。あれは胎内回帰のようなものだろうか。
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