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            | ■ 織部の被膜を取る希塩酸は、このくらいに薄めて使う! /陶芸の知恵袋114
 
 織部の表面にできる被膜(ギラギラ)を希塩酸で取ると、
 透明感が出て美しくなります。
 
 1、ビン入りの「試薬・塩酸(塩化水素35%)」250CCを薬局で購入します。
 
 ※身分証の提示や、印鑑を押したりが必要になることもあります。
 住所氏名を書かせるところもあります。
 
 
 2、希塩酸を作ります。
 希塩酸とは、塩酸を水で薄めたものを言います。
 
 プラスチックのバケツに12リットルの水を入れます。
 (2リットルのペットボトル6杯分ですね)
 そのバケツに、「塩酸」250CCを静かに注ぎます(塩化水素=0.73%)。
 
 ※「劇物」です。発煙性があり、吸い込むとノドを痛めるので、
 取り扱いは慎重に!!
 ※水に希塩酸を注ぐこと!逆は決してしないでください!
 
 3、あらかじめ水に半日浸しておいた織部の作品を、水から引き上げて、
 希塩酸を入れたバケツに入れます。そのまま1時間浸します。
 
 ※先に作品を水に浸しておくのは、希塩酸を器の中まで浸透させないため。
 
 4、引き上げたあと、しばらく水に浸けてから水洗い。
 ツルリと一皮むけたきれいな織部になります。
 
 
 
 ※「塩酸」の薄め方は、畏敬する陶芸家に数年前に教わったものです。
 これまでいろんな濃度で試してきましたが、
 以来、これが「決定版」となりました。
 
 それ以前には「なめてピリッとするくらいに薄める」と教えてくれた人もいて
 「え、平気ですか!」と聞き返しました。
 自分でやってみましたが、たしかにピリッと酸っぱいような塩辛いような
 刺激があって、すぐに吐き出しました。
 
 決してマネはしないでください。
 
 ※本などを見ると、
 10リットルの水に286CCの塩酸を入れる(塩化水素=1%)というのもありました。
 薄め方と浸しておく時間は、それほど厳密でなくても大丈夫です。
 
 
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