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            | ■ 「釉はげ」や「釉ちぢれ」は、こうして防ぐ! /陶芸の知恵袋104
 
 どこかの段階で、釉薬が素地からはがれたことが原因です。
 
 釉はげ(釉メクレ)や「釉ちぢれ」を防ぐするための方法を、順を追って説明します。
 
 でも、「釉はげ」や「釉ちぢれ」を景色として茶人たちは愉しんできました。
 私もそこに、たくまない美を感じることがあります。
 
 
  
 さて。防止策です。
 1、素焼きされた作品に、ホコリや手の脂(あぶら)を付けないこと。
 
 不用意に触らない。手を洗ってから作品に触る。
 スポンジの水をよくしぼって、ぬぐうようにホコリを取る。
 
 2、釉薬を何度も掛けないこと。厚く掛けないこと。
 
 素焼きの作品から出る泡で、釉薬と素地のあいだに隙間ができる。
 二重掛けする場合は、気泡でふくらんだ部分を押さえてつぶしておく。
 
 また厚く掛けると、乾燥するときに亀裂が入りやすい。
 
 3、釉を掛けたあとにできるピンホールを、そっとなでて均しておく。
 
 焼成のとき、小さな穴から、ちぢれが始まる。
 
 4、釉を掛けたあと、良く乾燥させてから焼くこと。
 
 蒸発する水分が多いと、釉薬を押しのける。
 
 5、「あぶり」(〜900度くらいまで)段階で、ゆっくり温度をあげててやること。
 
 急ぐと水分の蒸発が急激に起きるため。
 
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 「釉はげ」「釉ちぢれ」対策。以下は釉薬に手を加える方法
 
 7、釉薬に化学ノリ(CMC)を加える。
 
 灰を使った釉薬は、素地に密着しにくい。
 CMCを加えることで、乾燥しても浮かなくなる。
 
 6、釉薬に入れる「粘土系」の材料を減らす。
 
 粘土は乾燥で収縮するため、釉薬に亀裂が起きるため。
 
 ※粘土系=蛙目(がいろめ)粘土、木節(きぶし)粘土、カオリンなど。
 また、益子の赤粉(あかこ)などは、素焼きくらいの温度で仮焼きしてから使う。
 
 
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