| Q:焼くとき、途中まで窯のフタを開けておくのはナゼ? (質問箱191)
 
 A:粘土や釉薬に含まれている水分を窯の外に逃がすためです。
 
 
  
 素焼きや本焼きをするとき、昇温の途中まではフタを少し開けておきます。
 粘土や釉薬に含まれている水分を窯の外に逃がすためです。
 
 最初から閉めきった状態で焼くと、窯の鉄部分が、錆(さび)やすくなります。
 また作品に変色が見られたりします。
 
 私(林)の場合は、電気炉なら600度を越えるまでは、5センチほどフタを開けておきます。
 
 水分なら100℃で水蒸気にりますが、粘土と分子の状態で結合している「結晶水」が
 水蒸気になるピークが530度くらい。
 
 水分は出なくなりますが、フタを閉めるのはもう少し待ちましょう。
 
 粘土の中の石英に含まれる珪酸分が膨張するのが573度。
 フタを閉めると、温度が急上昇するため、
 この温度帯を過ぎた600度になってからフタを完全に閉めます。
 
 ガス窯でも同様で、
 600度くらいで、窯の天井にある蒸気を逃がす口を閉じます。
 
 いま、518度なので、あと1時間ほどしたらフタを閉めます。
 
 
  
 
 
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