休日の山歩き 9 鷹ノ巣山 Takanosuyama
[奥多摩] 鷹ノ巣山(1737m) 水根沢から登り、石尾根に下る
2008年11月15日(土)
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鷹ノ巣山('08年)
鷹ノ巣山('10年)
鷹ノ巣山('11年)
(左)奥多摩駅近くで雲取山
   までの方向を示す標識
(右)奥多摩駅 

【奥多摩を縦走する】
奥多摩を東西に貫く代表的な稜線としては、まず、東京・埼玉の都県境でもある、棒ノ嶺〜蕎麦粒山から長沢背稜へ連なる長大な稜線があり、次に、雲取山から奥多摩駅あたりまで伸びる石尾根がある。奥多摩の山々をより知るために、これらの稜線を縦走してみたいと思った。
石尾根は、すでに今年、雲取山から七ツ石山(ただし山頂を巻いた)まで歩いたから、その東側のうち、まずは鷹ノ巣山から奥多摩駅まで歩くことにした。鷹ノ巣山へのルートはいくつもあるが、日原から稲村岩尾根で登り、石尾根で下る計画を立てた。

【いきなり計画変更】
午前5時、西武線の1番電車で国分寺に出て、立川から青梅線で、奥多摩駅に7時17分に着いた。おそらく、9年ぶりの奥多摩駅だ。日原行きのバス乗り場に立ったが、他に乗る人はいないし、バスも来ない。ここで、Webで調べた日曜のバス時刻と土曜は別時刻であることを知った。日原行きは約20分前に1本出ており、次は約1時間も待たなければならない。いきなり計画が狂ったが、鷹ノ巣山へは別のルートから登ることにし、目の前に止まっている小菅行きのバスには多くの人が乗り込んでいるから、これが青梅街道の方に行くのだろうと考え、とにかく乗ると、7時30分に発車した。車内で地図を見て、水根沢を詰めるコースが時間的にも早く、ガイドブックの解説もあるので、水根バス停で下りた。他に下りた人は1人だった。

【水根沢から鷹ノ巣山を目指す】
全く想定していなかった場所なので、まずバス停の周りの様子を観察した。奥多摩湖も近く、広い無料駐車場があり、トイレがある。ヒノキの案内板を見て、奥多摩むかし道と一緒に鷹ノ巣山への登山道をスタートし、標識に従って集落から杉木立に入った。途中「熊出没注意」の張り紙があり、9月17日に登山家の方がランニング中に熊に襲われたのもほんの一本隣の登山道であることが示されている。熊除けのベルを今回は忘れてきたので、一抹の不安があった。

水根バス停の駐車場 水根バス停のヒノキの案内 熊出没注意 ヒノキの標識
杉林 水根沢を渡る 紅葉

登山道は水根沢の左岸の急斜面に取り付けられており、左手遙か下に沢音を聞きながら着実に高度を上げていく。杉林は暗くはなく、葉が落ちた広葉樹林は見通しが良く、残った紅葉もきれいだ。道の傾斜が緩くなり左手に沢が近づいてきて、ワサビ田を見送り、沢の右岸に渡り、しばらく右手に沢を見ながら登り、沢を離れて急斜面をジグザグに登り、杉林の尾根登りになる。急坂を上っていくと、やがて丁字路のように分岐があり、左右の道とも傾斜は緩やかだ。まだ新しい標識が立っている。ここで一息入れ、菓子パンを食べた。

【鷹ノ巣山手前の分岐の連続】
ここから先、鷹ノ巣山までは、道が入り組んで何度か分岐点が現れるが、この最初の分岐は、左右どちらへ行っても鷹ノ巣山へ通じている。実は私は、ガイドブックが右の道(反時計回り)を太線にしているのに対し、現場の標識が左の道(時計回り)を鷹ノ巣山と表示している関係で、最初の分岐を見落として2つ目の分岐から出会ったのかと勝手に思い違いしたままいくつかの分岐を過ぎた。しかし分岐点の標識は古い新しいの違いはあるもののいずれも明瞭で、見落としそうにない。実際には、2つ目の分岐から榧(かや)ノ木尾根の登りになった。また、この部分で石尾根縦走路は、ピークを結ぶ「尾根道」とその南側の「巻き道」の2本が併走しているが、4つ目の分岐で石尾根の巻き道に出会い左折した。そして5つ目の分岐で、巻き道と尾根道の接点になり、わずか数メートルの横移動で、防火帯として切り開かれた気持ちの良い尾根道が併走している所に飛び出した。ここから最後の急登で鷹ノ巣山頂上(1737m)に着いた。

最初の分岐 山頂東側の接点の巻き道(左)と尾根道(右) 石尾根縦走路の尾根道で山頂へ
鷹ノ巣山頂上から南〜西の方角 鷹ノ巣山頂上
鷹ノ巣山頂上から西〜北西の方角 鷹ノ巣山頂上

【鷹ノ巣山頂上】
山頂は広くて気持ちが良く、10人ほどが憩っており、約10人の団体も到着した。今回果たせなかった稲村岩尾根からも何組か到着した。山頂からは特に南の展望が開けている。晴れているがやや雲があり、南の山は三頭山だろうか、それより東側の奥多摩の山は厚い雲がかかっている。西の雲の上に突き出ている横幅のある山が気になったが、団体の引率の方に、大菩薩嶺だと教えてもらった。また、北西から北にかけては、葉が落ちた木の先に雲取山やその右に連なる山々が垣間見えている。雲取山は意外と近いが、それもそのはず、同じ石尾根でつながっているのだ。
コンロで湯を沸かし、味噌汁と弁当を食べ休憩した。そうこうするうち、周りの山々にガスがかかり始め、空は雲で覆われてきた。予報どおり天気は下り坂のようだ。下山は、なるべく違う道を通るためと、鷹ノ巣山避難小屋を一目見るため、西側に下り、南を巻いて石尾根を東進することにした。広く切り開かれた尾根を下ると、巻き道との合流になり、避難小屋はまだ先のようなので、次の機会に譲ることにして、巻き道に移り、奥多摩駅に向けての下山にかかった。

【石尾根縦走路で奥多摩駅に下山】
巻き道には背丈ほどの笹で囲まれた部分もあった。やがて登りで通った接点から広い尾根道に移ったので、X字形に交差し同じ道を通らないようになった。この尾根道は引き続き広く、落ち葉に覆われ、歩くとサクサクして気持ちがよい。水根山と城山のピークは標識もなく気づかず過ぎたが、その先に急な下りがあり、間もなく巻き道と合流した。やがて六ツ石山への分岐があり、3〜4分の登りで六ツ石山頂上(1479m)に達した。松の木立に囲まれた広い山頂には、漬け物石ほどの石が6つどころか数十個も散らばっていた。
再び尾根道に戻ると、広い斜面が一面落ち葉で厚く覆われた所があり、すごい葉の量だと感じさせる。その先の分岐は左を取り、三ノ木戸山の北を巻いて歩く。長い下り道だが、周りの林が暗い杉林(溝状の道が滑り易い)→明るい広葉樹林→明るい杉林→右が杉林・左が広葉樹林、と移り変わるのを楽しんだ。やがて舗装された林道と出会った後、ヒノキの標識に導かれて近道をし、氷川の集落を経て奥多摩駅に着いた。

山頂西側の分岐 六ツ石山頂上 六ツ石山頂上
落ち葉で厚く覆われた斜面 紅葉 道の左が広葉樹林、右が杉林

【帰路はスムーズに】
16時に奥多摩駅を発った。4両編成の電車は始発駅からほぼ座席が満席で、途中駅で満員状態になった。青梅駅では10両編成の東京行き電車がすでに乗客が乗り込んで待っており、すぐ発車した。ウトウトしながら運ばれて、17時半には国分寺で乗り換え、自宅に着いた。早朝は車が便利だが、夕方の渋滞を考えると電車が断然快適だ。

【行程】
西武線⇒国分寺(中央線)5:29発⇒立川(青梅線)⇒青梅6:35発⇒奥多摩7:17着=奥多摩駅(小菅行バス)7:30発⇒7:45水根バス停

水根バス停7:55→水根沢林道→8:59右岸に渡る→10:07最初の分岐→10:46石尾根縦走路の尾根道へ→11:04鷹ノ巣山頂上12:08→12:20山頂西側から石尾根縦走路の巻き道へ→12:40山頂東側の石尾根縦走路の尾根道へ→13:14石尾根縦走路の巻き道と合流→13:34六ツ石山分岐・六ツ石山頂上往復13:45→14:04分岐→三ノ木戸山の北を巻く→15:08林道出会い→15:42奥多摩駅

(所要時間)登り3時間9分、下り3時間34分、休憩含め7時間47分

(標高差)水根バス停530m→山頂1737m=約+1200m、山頂1737m→奥多摩駅約340m=約−1400m

奥多摩(青梅行)16:04発⇒青梅(東京行)16:43発⇒国分寺17:20着⇒西武線

【参考資料】
山と高原地図「奥多摩」(1998年版)、関東の山歩き100選(昭文社1998年)

三頭山から石尾根
三頭山から鷹ノ巣山を望む。手前に奥多摩湖と倉戸山・榧ノ木尾根 (09/1/25)

2008/11/18整理、11/23、12/30修正、09/1/30追記、2/21修正

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