休日の山歩き 23 鷹ノ巣山・七ツ石山 Takanosuyama, Nanatsuishiyama
[奥多摩] 鷹ノ巣山(1737m)、七ツ石山(1757m)
       日原から登り、石尾根を経て鴨沢に下る
2010年5月22日(土)
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鷹ノ巣山('08年)
鷹ノ巣山('10年)
鷹ノ巣山('11年)
 千本ツツジから石尾根縦走路を
 振り返る。
 左・高丸山
 右・日陰名栗峰、その奥左に
 鷹ノ巣山が少し見える

【奥多摩、石尾根縦走へ】
5月下旬の週末、3か月ぶりに山に行ける状況になった。今回は、もう1年も行ってない奥多摩だ。
雲取山から奥多摩駅までの石尾根は、雲取山〜七ツ石山間鷹ノ巣山〜奥多摩駅間 を既に歩いたから、残る鷹ノ巣山〜七ツ石山間を歩けば完歩だ。鷹ノ巣山へは、日原から稲村岩尾根を登り、鷹ノ巣山から七ツ石山まで縦走し、あとは鴨沢へ下山することにする。
土曜日朝、5時台の電車で奥多摩へ向かう。青梅を過ぎると車内はほとんど登山者ばかりで、7時17分に奥多摩駅に着いた。駅前からの東日原行きのバスは今は土曜と日曜は同じ時刻になっており、7時25分にほぼ満員で2台出て、約20分で終点東日原に着いた。柔らかい日差しがあり、天気は申し分ない。

【東日原から登山開始】
午前8時前、多くの登山者と前後して車道を歩き始める。前方に稲村岩を見て、鷹ノ巣山登山口の案内のある所から下って日原川を渡り、巳ノ戸沢の右側(左岸)を歩く。堰堤の先で、手のひらほどの大きさの標識で「鷹ノ巣山・対岸に渡る」というのが岩の上に置かれていたので、左側に渡ると、下山者向けにも「日原方面・対岸に渡る」とあった。しかしその先でまた右側に戻ったりして沢の岩の間を歩き、次第に道が険しくなり、ふと前を見上げると、立派な石積みの登山道があり、10人ほどの団体が列をなして歩いているではないか。いつの間にか登山道から外れて沢の中に入り込んでしまったらしい。決まりが悪かったが、間違った地点まで戻らずそのまま登山道へよじ登った。

東日原 巳ノ戸沢 稲村岩尾根
東日原から 稲村岩が聳える 沢の上方に石積みの登山道が・・ 稲村岩尾根の登り

【稲村岩尾根を登る】
その先で木橋で左側(右岸)に渡り、さらにこけむした木橋のある地点で沢から離れジグザグの急登になった。登り着くと稲村岩のコルで、先ほどの男性ばかり10人余の団体が到着していた。左手の岩を登ると稲村岩に裏側から登れるらしいが、右手の稲村岩尾根に取り付く。すぐに、10人余の団体から若者5人ほどが抜け出てきて、速い歩きで追い越していった。この尾根は急登で、尾根道なのにジグザグになったりしている。新緑が美しく、ぱっとツツジが咲き、またまだつぼみのものもある。何度か短い休みを繰り返し登り、多くの人と抜きつ抜かれつし、ヒルメシクイノタワを過ぎるとやや緩やかになり、先ほどの10人余の団体の最後尾の2人と前後して歩く。疲労と空腹が限界近くまで高まった時にようやく鷹ノ巣山山頂に着いた。午前11時、東日原から約3時間で、ほぼコースタイムどおりだ。

【鷹ノ巣山山頂で】
1年半ぶりに訪れる山頂だ。広い山頂は南側が緩く下がって開け、奥多摩の雄大な山並みが広がる。正面に三頭山、その左に御前山と大岳山が見え、右にはやや薄いがひときわ高く富士山が見える。南を見下ろしながら、ガスコンロで湯を沸かし、弁当を食べた。山頂で休む登山者は、各年代層の男性単独者が多く、次に多いのは夫婦連れと思しき組、あとは先程来の男性10余人組などだ。
この山頂は3方向から道が上がってくる。そのうち南に下山する人が多いようだが、その先はさらに石尾根、水根沢、榧ノ木尾根と分かれる。そして私はここから西に向かい、七ツ石山を目指す。まず、山頂下で北西の木立が切れ、雲取山や飛竜山がよく見える。

鷹ノ巣山山頂 鷹ノ巣山山頂
鷹ノ巣山山頂 鷹ノ巣山山頂から南方向。左・三頭山、中央・富士山
鷹ノ巣山山頂 鷹ノ巣山山頂下
鷹ノ巣山山頂から富士山を望む 鷹ノ巣山山頂下から西方向。左・日陰名栗峰と高丸山、右・雲取山

【石尾根縦走路を歩く】
道は広い防火帯で気持ちよく下っており、ここから先は長いから、快足で下り始める。この時間、この方向から鷹ノ巣山に登ってくる人も結構多い。中にマウンテンバイクを押してくるグループもいて、峰谷の奥集落から登ってきたそうだ。程なく鷹ノ巣山を巻く道が分かれる。1年半前に折り返した地点であり、いよいよ私にとって石尾根縦走路の未踏区間に入る。まず、鷹ノ巣山避難小屋までは、目と鼻の距離だった。立派なログハウス調の小屋で、トイレを借りた。
その先で道は平坦になり、葉の大きいフキだろうか、ポツポツと植わっている。やがて尾根通しの道と左に巻き道が分かれるが、標識などはない。尾根通しの道を進む。この縦走路は鷹ノ巣山のような賑わいはなく静かで、少数だが東西双方向に登山者が歩いている。
道がやや登りになると、早くも脚に変調が来た。太股がつりそうになったのだ。先ほどの山頂下で速足が過ぎたためか。腰掛けて少し休み、これ以後、速すぎず脚の様子を見ながら歩くことを心掛けた。

鷹ノ巣山避難小屋 石尾根
鷹ノ巣山避難小屋 日陰名栗峰の東側の開けた場所から鷹ノ巣山を望む
石尾根
千本ツツジの東側の開けた場所から左・高丸山、右・日陰名栗峰を望む。鷹ノ巣山は見えない

【3つのピークを踏む】
ややきつい登りの後、展望の良い開けた場所があり(上2枚目の写真)、その先の木立に囲まれた平坦地に最初のピークである日陰名栗峰(1725m)の標識があった。あとも同じように続き、次の鞍部で尾根道と巻き道が出会い、標識もある。ここで、楽な巻き道に移ろうかと思案し、地図によると巻き道にはヤマツツジの群生(花期6月)とあるので、次に花期に来る時に巻き道はとっておいて今日は高丸山への尾根道を歩くことにした。しかし、その登りはザレ気味で滑り易い急坂で、また脚に来たので、ツツジの下に座り込んだ。
そこへやや年輩の男性が2本のストックを使い快調なペースで歩いてきて、巻き道との接点でも迷わずこちらへ登ってきた。歩き慣れた方のようで、巻き道は展望が良くないからと言い、快調に登っていった。この男性とは、この後、私が脚に来てへばって休んでいるとその人が追い越していき、次にその人が悠然とタバコを吸って休んでいるので私が追い抜き、こうして抜きつ抜かれつして鴨沢まで一緒に歩くことになる。
さて、急坂の上の2つ目のピーク、高丸山(1733m)は、その後も急な下りで、次の鞍部はやはり接点の標識がある。緩やかに登った所から日陰名栗峰などを振り返ると、随分歩いてきたものだと思った(上3枚目の写真)。
3つ目のピークは千本ツツジだが(このページ冒頭の写真はここから石尾根を振り返ったもの)、標識はなく、ツツジが沢山見渡せるのかどうか、名前の由来も分からなかった。ただ、ミツバツツジの仲間だろうか、花が終わって葉だけになった木があるにはあった。

【七ツ石山へ】
千本ツツジから緩やかに下っていくと、左から巻き道が合流し、次の分岐は右が七ツ石山、左が七ツ石小屋への方向で、右を選ぶ。やや登ると再び同じ方向の分岐になり、一休みした。そこの人にどこから来たのかと聞かれ、日原・鷹ノ巣山からと答えても、あまり合点がいかない様子だった。上下双方向に歩く人がおり、ようやく、雲取山の賑わいの領域に入ってきたらしい。
古びた神社の前を通り、一登りで七ツ石山山頂に着いた。今日の最高地点だ。午後2時半、鷹ノ巣山から2時間半かかっており、コースタイムより30分オーバーだ。予想外にきつかった。雲取山までの尾根道が見渡せる。これで、石尾根を3区間に分けてほぼ完歩した。細かく言うと七ツ石山からブナ坂までの部分がつながっていないが、次の機会に回す。2本ストックの健脚が先に着いており、鴨沢のバス時刻の話をした。

七ツ石山山頂 七ツ石山山頂 七ツ石小屋
七ツ石山山頂 七ツ石山山頂から石尾根と雲取山を望む 七ツ石小屋

【鴨沢に下山】
そこそこに下山。コースタイム並みの2時間で歩くとちょうどバスに間に合う計算だ。先ほどの分岐まで戻り、七ツ石小屋の方向に下りる。いくつか分岐点を経て、小屋の前を通り、やがて、「鴨沢バス停へ約110分」と表示された分岐からは、鴨沢と雲取山とのメインルートだ。ここからは2年前に往復した馴染みの道だ。歩き易い傾斜が続く。やや速足で歩いても、下りでは脚に来ることはなさそうだ。堂所から尾根の側面に入り、道より下側が杉の植林だ。水場で山の水をいただき、両側杉林の間を下り、民家があり、植林の遙か下に小袖の車道が見えるようになり、やがて車道に出た。空き地に駐車しており、そこからの鴨沢への近道は今回初めて歩く道だ。下の方に多摩川の水面が見えてきて、鴨沢集落を経てバス停に着いた。計算どおり、バス時刻の15分前だ。
程なくバスが来て、乗客のほぼ全員が座れるような状態で、増発が出るためか、定刻は16時46分だがその5分前に発車した。途中のバス停で乗客を拾い順調に走った。奥多摩駅でタイミングよく電車に乗り、帰路に就いた。

ツツジ ツツジ ツツジ ツツジ
日原で 稲村岩尾根で
ツツジ ツツジ 鴨沢
高丸山で 鴨沢で 鴨沢バス停

【余談 ここまでのブランクについて】
前回、2月に陣馬山に登ってから、色々なことがあった。まず、完治したはずの足だが、3月には立川のハーフマラソンも完走したのに、その翌週、家の近くをジョギング中に、谷川岳で痛めた左ふくらはぎの辺りがまた痛み出したのだ。すぐジョギングを中止し、翌日、前回と同じ整形外科医に診てもらうと、もう若くないのだから無理をしないこと、普段からストレッチをし、運動前と途中にもすること、などと注意を受けた。
さらに、4月に千葉県木更津に転勤になり、自宅通勤2年で再び単身赴任になり、4月は慌ただしく過ぎた。5月の大型連休も過ぎ、ようやく山歩きに出かける余裕ができた。金曜夜に千葉から東京の自宅に帰り、土曜の早朝出発した。
今回は久しぶりの歩きでしかも長行程になり、両脚が音を上げたが、左のふくらはぎは幸いに再発しなかった。だんだんと、無理はきかなくなってきた。

三頭山から石尾根 三頭山から
石尾根の山々を望む
(2009/1/25)
【行程】
西武線⇒国分寺発5:48(中央線・青梅線)⇒奥多摩着7:17=奥多摩駅発7:25(バス)⇒東日原着7:45

7:50東日原→7:56鷹ノ巣山登山口→8:46稲村岩のコル→10:20ヒルメシクイノタワ→10:58鷹ノ巣山山頂11:48→12:04鷹ノ巣山避難小屋→12:46日陰名栗峰→13:23高丸山→13:48千本ツツジ→14:10分岐(左七ツ石小屋)→14:25七ツ石山山頂14:35→14:38分岐(14:10と同じ)→14:46七ツ石小屋→14:52分岐(右ブナ坂、左鴨沢)→15:14堂所→15:30水場→16:13小袖車道→16:16鴨沢近道→16:32鴨沢バス停

鴨沢発16:40(バス)⇒奥多摩駅着17:10=奥多摩発17:15(青梅線)⇒拝島⇒西武線

【標高差】
東日原620m→鷹ノ巣山1737m→七ツ石山1757m→鴨沢540m=+1137m−1217m
地図
【歩行時間】 []内はコースタイム
東日原→鷹ノ巣山  [3時間05分]     3時間08分 (+山頂50分)
鷹ノ巣山→七ツ石山 [2時間05分]     2時間37分 (+山頂10分)
    (コースタイムは巻き道の場合か)
七ツ石山→鴨沢   [2時間15分程度]   1時間57分
合計歩行時間    [7時間25分]      8時間42分(山頂休憩含む)

【参考資料】
山と高原地図「奥多摩」(2009年版)

2010/5/27整理 5/31修正

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