無防備の鶯図式で、解図欲の湧いてくる形です。 ちなみに、「無防備図式」は、玉以外に受方の駒が盤面にないもの、「鶯(ウグイス)図式」は使用駒が玉桂香歩4種類だけのもの(石川幸雄さんが「オウホケキョウ」から命名)です。
本作は初形と持駒から二桂詰になりそうな雰囲気。 進めてみましょう。
29桂、36玉、28桂、25玉、
37桂、24玉、36桂、33玉、
25桂、32玉、24桂、23玉、
最後、31玉、21歩成までなら純粋な二桂詰。 二桂詰はくるくるNo.61で紹介していますが、江戸時代からたくさん作られていて、それだけでは新作とはいえません。 さて、本作での作者の工夫は?
13と、24玉、14と、25玉、15と、36玉、
46と、37玉、47と まで21手
なんと、ここからと金追いが始まります。 二枚のと金によって、もときたコースを逆にたどり、還元玉での詰上り!
- 作者:
- 行きは2枚桂による送り、帰りは車井戸による往復還元玉です。
何とか無防備・貧乏図式にできました。
二桂詰、と金追いともよくある趣向とはいえ、それを組み合わせて往復趣向にしたのは本作が初めて。 鶯無防備の初形、還元玉と、うまい演出ですね。 玉は桂馬の方向に動けないので、桂で送る移動趣向は多くありませんが、やよいさんのくる展160、167や本作を見ていると、工夫次第でまだまだいろいろな趣向ができるような気がしてきます。
それでは、みなさんの感想を。 解答到着順です。
- 凡骨生さん:
- 跳ねた桂を食らっての還元王だった。
- ほいさん:
- オー、戻ってきて還元玉とは味がいいですね。
- きたさん:
- 往復になって少し複雑化した感じ
- 市橋宗士さん:
- 「香車」と「と」の配置があまり見かけぬ形、「京都」図式なんて、どう?
歩もあるので「京都府」図式?
- 占魚亭さん:
- 還元玉とは思いませんでした。
- 長谷繁蔵さん:
- 下の方で詰むのかと思ってたら還元玉だったあ! 上手い
- 小林巧さん:
- 大分古いけど…「なのに、貴方は京都に行くの♪」
その後、貴方が香とから帰って来るとは…意外でした。
4五とが4六ならば一手詰なのに、桂2枚を使ってと金位置をズラすのが、面白い。
「京都図式」。
そうだ、京都行こう!?
- DD++さん:
- 21歩成まで15手で詰んであれ?と思ったら、23玉を後回しにして下へ戻るんですね。還元玉は意外でした。
- 池田俊哉さん:
- 妙案を思わせる2枚桂追いかと思いきや、往復するのはうまい
- 隅の老人Bさん:
- 桂で追っかけ、と金で戻す。
還元王、お見事!
- S.Kimuraさん:
- 玉が戻ってくるとは思いませんでした.
- タクさん:
- 簡単に折り返す仕組みが巧い。
- 嵐田保夫さん:
- 行きはダブル桂帰りはと金。
- やまかんさん:
- まさか初形から往復するとは思わなかった。シンプルでよく出来てるが22歩と33歩は31歩でよさそう。
なるほど。 31歩では無防備にならないので、22歩、33歩を11とにして純粋な京都図式にするといいかも。
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