■たんぽぽ 石倉の思いからたんぽぽは登場するのだが、全編を通してたんぽぽは「倫子の象徴」として用いられているように思う。 たんぽぽを見ると誰もが感じるのは「温かさ」「春」だろう。石倉のためにたんぽぽを探す倫子の姿は、直江にとってそのままたんぽぽそのものとダブって見えた。
直江が彼女を表して言う言葉。 「あったかくて強くて」 「春みたいな笑顔」 これらは、『たんぽぽ=生命』 と同じ意味を持つ。 加えて、彼女を受け入れる決心をしたのは、たんぽぽが咲き乱れる川原だった。