ヤマイヌワラビ(メシダ科メシダ属)  山犬蕨
         Athyrium vidalii (Fr.et.Sav.) Nakai

(特徴)夏緑性。根茎は斜上。葉柄はやや紅紫色を帯び、下部で暗褐色、基部鱗片は披針形、褐色〜茶色。葉身は標準で三角状卵形の2回羽状複葉、汚緑色〜緑色のやや硬い草質だが、形には変化が多い。最下部羽片の外側第1小羽片が著しく小さくなる。中軸や羽軸も紅紫色になることが多く、羽軸背面は無毛。羽片は無柄か短い柄がつき、小羽片はやや鋭頭で前側の耳垂は小さい。羽軸と小羽軸の分岐点表面に刺状の突起がつくことがある。胞子嚢群は中肋寄りにつき、包膜は長楕円形、馬蹄形、鉤形が混ざり、辺縁は全縁か細裂する。山地の林床、林縁で普通に見られる。変異の大きいヤマイヌワラビの種内分類群として、各軸が紅紫色を帯びず、淡緑色のものをミドリヤマイヌワラビ、葉の表面に毛が生えるものをケヤマイヌワラビ、羽軸背面に細毛が密生するものをトガクシイヌワラビ、小羽片が深裂し、小羽片の基部がクサビ形、包膜が歯牙縁となるものにエゾイヌワラビの名がついている。
(撮影・2006年6月7日、ワラビカス谷)


(この画像から入られた時は下のボタンをご利用ください)

シダ図鑑表紙へ<        >HOMEへ