その4
8/12(木)
顔振峠を下ってR299を目指すが、この下りがものすごい勾配で、かなり恐かった。確かに、これを逆から上ったらかなりきついだろう。まぁ今日の最初の上りもけっこうなものだから、どっちから上ってもきついってことか。
R299に出ると、飯能市街の方向へ。緩やかな下り基調だけど、相変わらず大型車がバンバン通って、そして路肩がないために走りづらいし危ないし気まずい。完全に車の通行しか考えられていない道だ。
ヒヤヒヤする場面も多々あったが、なんとか歩道がある落ち着いた区間までやってきた。正丸トンネルからのR299は2001年11月20日の正丸200kmランのときに通った道と同じなので、ところどころ記憶に残っていて懐かしかった。
次第に飯能市街に入り、飯能駅付近を通過し、最初のコンビニ(セブンイレブン飯能双柳店)に吸い込まれるように入った。なにしろ、出発してから45km、奥武蔵グリーンラインのアップダウンを無補給で走り続けてきたのだ。
国道に出てからは直射日光をモロに浴び、そして太陽が高い位置に昇ってきて気温も上がり、体力の消耗と水分の消費がすさまじかった。まだ11時だというのに気温は37℃。この分だと、午後1時くらいには40℃近くになりそうだ。
セブンの横で休憩、補給しつつ、SUNA Lifeをモブログ更新。この辺りまでやってくると日帰りでもこれる範囲だし、実際に日帰りランで通っている道なので、なんとなく旅という感覚が薄れてくる。「旅」は奥武蔵グリーンラインまでといった感じ。
ひたすらR299を進む。次第に気温が上昇していき、湿度も高い。普通にジッとしているだけでも倒れそうな暑さだ。圏央道と併走する辺りではアスファルトからの照り返しも強烈になってきて、S720iの表示で39℃を記録。いくら水があっても足りないくらいだ。
入間のふれあい橋交差点でR16へ。後はひたすらR16を走る。R299もひどかったが、R16も相変わらずトラックを含めて交通量が多い。しかし、比較的路肩が確保されている区間が多いので、それなりに走りやすい。
R16をしばらく走って行くと、見覚えのあるショッピングセンターの建物が目に入った。ここは正丸200kmランのときに建設中だった。そのときの写真はこちら。2001年の正丸200kmランのランレポにも「でもここの店が完成しても、恐らく一度も来ることはないだろうなぁとか思った。」と書いたとおり、こんなところまで2度と来ないと思っていたが、店に入ることはなくとも、店の前にはまた来てしまった。
時刻は12時を回り、いよいよ一日で一番暑い時間がやってくる。日を遮るものが一切なく、ひたすら直射日光を浴び続けている。さらにアスファルトからの照り返し、そして車が出す熱風(これがかなりきつい)。ついにこの旅最高の42℃を記録した。ここまでくると頭がおかしくなりそうだ。幸い、おれは体温調節機能がかなりいいので、水分をどんどん出して対応しているけど。
陸橋を渡るとき、かなり急な角度でスロープを昇降しなければならなかった。またキャリアがずれて後輪に巻き込まれたら嫌だなぁと心配しつつ下って行くと、下りきったときのショックでキャリアがずれ、予想通り後輪ロック。こけはしなかったが、かなり参った。なんとか帰宅するまでホイールは保ちそうだったが、心配でしょうがない。
米軍横田基地の横を走る道まで来ると、奥多摩方面へ行くときに割とよく通るところなので、もう完全に日帰りツーリング感覚。基地の横を抜けると、多摩川にかかる拝島橋を渡る。
八王子の市街地を抜けてしばらく走ると、最後の峠「御殿峠」が待っている。峠としては大したことないが、この猛暑と荷物と疲労で、それなりに応える。無理せず、じっくりと上っていった。
橋本を過ぎ、お馴染みのR16を走って行く。交通量はあるが、片側2車線になり、だいぶ走りやすい。R299の辺りから感じていたが、車が多くて走りにくい道を走っていて「こんなところ早く走り抜けてしまいたい」という気持ちと、「もうすぐ旅が終わってしまう」という2つの気持ちが心にあった。家に向かって走れば走るほど、旅の終わりが近づいてくるのだ。
相模大野の陸橋を越える。もう10kmも走れば旅が終わってしまう。R299とR16ですでに現実に戻っているが、それでも寂しい。辛くも楽しかった旅が、終わろうとしている。2年前の北海道〜神奈川ロングツーリングのときも、旅の終わりは似たような感覚だった。
そして15:20、無事に帰宅。ついに自宅に到着した。長野を出発し、群馬や埼玉の山々を走り抜け、そして自宅までの走行ラインがつながった。ロングツーリングのときもそうだが、この「家まで自走の線がつながる」ということに大きな意味がある。
飛行機や電車で遠くへ行き、そこから別の場所まで走り、また同じような手段でワープして帰ってくる旅もありだと思うが、自宅までつながる旅は、確実に家と遠くのスタート地点がつながっていることを実感できる。自分の足で、走り続けてきたのだから。もういちどこの地図を見ると、感動が蘇ってくる。
今回の旅は、ホイール破損というトラブルがあったものの、走行不能になるほどのトラブルはなく、また体も怪我なく、過酷な猛暑の中でも日射病や熱射病にかかることもなく(もちろん、これはしっかりと水分をとるなどの対策をしたからである)、笑顔で旅を終える事ができたのは嬉しい限りだ。
初日からいきなり激坂の峠を上り、国道最高の渋峠では雨に降られ、赤城山の後の榛名山では下りでトラブル、素晴らしい景色の妙義山の後は猛暑の塩之沢峠に苦しみ、秩父からは奥武蔵グリーンラインを楽しんだ。
学生の頃と比べると「たった4泊5日」だけど、社会人となった今、この4泊5日はとても貴重な限られた休み。休みを有効に使って、存分に夏のツーリングを満喫できたと思っている。計画を立てるのは結局直前になってしまったが、それでもしっかりと行動して宿の予約などをした。準備なくしてここまで楽しめなかっただろう。
今回走った長野や群馬は非常に魅力的な土地で、機会があればまた訪れたい。そして、来年以降も、夏休みを利用して、様々な土地を走って行きたい(自走帰宅には範囲に限界があるので、あまりこだわらない)。まだ見ぬ土地へ、日本はまだまだ広い。自分の目で、自分の足で、その土地を確認しに行こう。
地図:Map(CLICK here!) | データ:Polar Data(CLICK here!) | |
出発:6:59 | 到着:15:20 | |
走行距離 | : | 107.5km |
走行時間 | : | 5h 37m 47s |
平均速度 | : | 19.4km/h |
最高速度 | : | 48.4km/h |
上昇距離 | : | 1170m |
温度(最低/平均/最高) | : | 22℃/31℃/42℃ |
積算距離 | : | 6147km(ロード) |
カロリー消費量 | : | 1114kcal |
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