尾瀬の花 | コース案内011 |
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鳩待峠〜富士見峠2 |
011:小田代〜中原山〜アヤメ平〜富士見小屋〜富士見峠
小田代(こ たしろ)には真新しい距離表示杭があり、それによると富士見峠までは残り2.2kmで、鳩待峠からは4.1km歩いてきたことになります。
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小田代から200mほど進んで行くと大きな標識があり、そこが中原山で
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中原山山頂 |
標高は1,968mと記載されていますが、標識がないと山の頂上との認識できない山頂です(^^♪
標識の直ぐ脇にはツルシキミとアカミノイヌツゲが生えていて、9月下旬〜10月初旬には真っ赤な実を着けています。中原山から富士見峠に向かって進んでいくと前方眼下に、アヤメ平が見えてきます。
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眼下にはアヤメ平 |
アヤメ平は細長い湿原で、左側:尾瀬ヶ原側に傾いた傾斜湿原で、しかも木道そのものもアップダウンしているので、先を歩いている人が見えなくなったり、高い所に見えたりしていて、尾瀬ヶ原では味わえない光景となっています。
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アップダウンしているアヤメ平 |
アヤメ平は池塘の多い高層湿原で、かっての踏みつけによる荒廃も関係者の復元努力がみのって、殆ど植生が回復し、下の画像に写っている池塘の手前にも、サワギキョウの群落まで復活していました。
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アヤメ平の池塘 |
アヤメ平は大きな湿原で、ここを目的で訪れるハイカーも多いのですが、なぜかベンチは少なく、富士見峠側の出口側に1ヶ所にあるだけです。
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12月のアヤメ平・ベンチ |
進行:右手にあるベンチの横には標識があって、鳩待峠を出発してから5.3km歩いてきて、残り1kmで富士見峠と分かりました。
先ほど通り過ぎた中原山の標高が1,968mなのに、アヤメ平の標高は1,969mと、「平」の方が「山」より1m高いとは、何か不思議な気がします(^^♪
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アヤメ平:標高 1,969m |
アヤメ平を出発して先に進むと木道は、右にカーブしながら緩やかに下っていきますが、その右手にツルコケモモが鳩待通りとしては珍しく生えていますから、見落とさないように進んで下さい。
やがて鳩待通りは、尾瀬では他にない素晴らしい光景の場所へと差し掛かります。
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右手奥の山は荷鞍山 |
前方にフタコブラクダの背のような荷鞍山が見えてくると鳩待通りは左手が針葉樹の疎林、右は笹原の崖で、前方には小さく富士見小屋(赤丸の中)が見えてきます。
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正面奥:皿伏山、赤丸:富士見小屋 |
笹原を通る鳩待通りは左にカーブしながら更に下っていき、無雪時にはロープが張ってあって中に入れない湿原:セン沢田代の入口前を左手に見ながら更に、
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12月の積雪期の入口と、セン沢田代 |
ナナカマドなどが多い道を下っていき、長沢新道分岐に到着します。左折すれば尾瀬ヶ原:竜宮十字路への長沢新道、富士見峠は直進です。
詳しくは富士見田代(ここをクリック)をご覧いただきたいのですが、長沢新道に進んで右折、鳩待通りを進んで左折すると、尾瀬でも有数の撮影スポットとなっている富士見小沼に周遊できます。
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晴れた日で風が弱いと、小沼には燧ヶ岳が映り込んで、素晴らしい光景となりますが、12月ともなると標高が高いだけに、水面は波立ったまま凍りつきます。
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12月には氷結 |
富士見小沼に別れを告げて先に進むと、鳩待通りは尾瀬の湿原を通るコースとしては最大斜度の富士見田代を通り、一気に標高を下げながら富士見小屋に到着します。
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富士見小屋 |
富士見小屋の前に標識があり、そこには富士見峠:1883mとの表示がありますが、正確には間違った位置に設置されている標識です。
峠とは国字で、その道で一番高い個所を指すのですが、富士見小屋前の標識の位置は、本当の富士見峠より低いのです。
そして本当の富士見峠は富士見小屋から100mほど離れていて、多くのハイカーたちは、正式な富士見峠を通らずに、「富士見峠を通った」と思っています。
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左の画像は空撮業界の第一人者:「わかばさん」に許可いただいて掲載している Aは尾瀬沼に向かう皿伏新道、 @は尾瀬ヶ原:見晴(下田代十字路)に向かう八木沢道で、 正式な富士見峠は赤丸で囲んだ個所で、 富士見峠とは「富士見林道〜尾瀬ヶ原:見晴」の間の一番高い個所で、 その途中にある富士見小屋は低くて「峠」ではないのです。 |
富士見小屋に立ち寄る多くのハイカーは、
鳩待峠〜アヤメ平〜富士見田代〜富士見小屋〜富士見田代〜竜宮
竜宮〜富士見田代〜富士見小屋〜富士見田代〜アヤメ平〜鳩待峠
富士見下〜富士見小屋〜富士見田代〜竜宮
竜宮〜富士見田代〜富士見小屋〜富士見下。
鳩待峠〜アヤメ平〜富士見田代〜富士見小屋〜富士見下
富士見下〜富士見小屋〜富士見田代〜アヤメ平〜鳩待峠
などのコースを通り、皿伏新道を通ったり、八木沢道を通ったりする人数は極めて少ないため、正式な富士見峠を通る、あるいは立ち寄った人は限られています。
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正式な富士見峠 |
前記の理由で正式な富士見峠は、通る人の少ない寂しい峠、尾瀬でも一番寂しい峠(他には鳩待峠、三平峠、沼山峠、白砂峠があります)となっています。
但し、昭和40年以前、鳩待峠まで車が通れるようになる前には、富士見下〜富士見小屋〜富士見峠〜見晴(下田代十字路)が、尾瀬ヶ原に入るメーンのルートでしたから、多くのハイカー・馬車などで賑わっていて、昭和30年代に尾瀬ヶ原に行ったことのある方の多くは、富士見峠を通っていらっしゃいます。