ORIGINAL LOVE presents《BURST!》

第50回 (2000年3月9日放送)


<オープニング>
T「今日は先日渋谷クアトロにてオリジナル・ラヴと対バンイベント
 で燃焼したDMBQのリーダー増子真二さんがニューアルバムを
 ひっさげて登場です。」

M-01. 黒猫/オリジナル・ラヴ

・近況
T「『黒猫』を聴いて頂きました懐かしいですね。私の近況は相変わらず
 作詞期間。もう毎日毎日本当にもう何て言うのかなつら〜い日々を
 送ってますね非常に。書斎みたいなモノを作りまして朝から晩まで
 ずーっとそこで詩を書いたり、書けないといろんな人に電話かけた
 りして「どう?最近」とか言って無駄話をけしかけるというそんな
 毎日が続いてますけどもね。

 もうすぐですねSouth by Southwestっていうアメリカのテキサス
 で行われるバンドが600バンドだっけ?忘れましたけど、700??
 あ、200バンド???あのそのぐらい世界中から集まって町中が
 バンドだらけになるとういうイベントがあるみたいで、うちらも
 そのイベントに参加する事になりまして3月中旬ぐらいに行きます。
 その曲順を丁度昨日考えた。これからリハみたいな感じで。
 まーそんな近況なんですがー。大してだから、ハハハ、大した事も
 ないんです最近(笑)。」

<リコメンド>
T「だからここ1.2ヶ月全然レコード買ってなくて、自分のニューアルバム
 7月か8月かちょっとわかりませんけども、こちらのほうにかかりっきり
 の状態が続いてまして。
 この間ムーグ山本さんの家に遊びに行って『ニューウエイヴナイト』
 という感じで80年代初頭の曲をたくさん聴こうと、木暮晋也と一緒に
 聴きまくりタイムをやって『ニューウエイヴ大賞』が決まりました。
 やっぱりパブリック・イメージ・リミテッド(P.I.L)のパリライヴ
 でしたね。一番カッコイイなという事になった訳なんですが。
 そん時に聴いてやっぱりいいなと思ったのがコントーションズ。
 ジェームスチャンスがいたバンド。テリーボーイズみたいなペッズ
 みたいなカッコしてて、ロックンロールスタイルなんだけどフリー
 ジャズみたいな人なんですけど。」

M-02.コントートユアセルフ/コントーションズ
M-03.ソーシャリスト(from『メタルボックス』/
   パブリック・イメージ・リミテッド

T「この間、ある雑誌かな?本かな?わかんないけど、の取材で
 『無人島に持って行く1枚』にこのP.I.Lの『メタルボックス』を
 選んでみました。なんでかと言いますと……いや、あのその本
 買って下さい(笑)。」※注1

<談話室バースト!>
T「名前変えてみた。」
ゲスト:増子真二(以下M)

・帰ってきたヨッちゃん、ミレニアム改造ヴァージョン。
T「今日のお客様は3/18に待望のニューアルバム『JINNI』を
 リリースする増子真二さんです!」
M「こんちわー。増子です。どーも。」
T「先日はクラブクアトロでやっと対バン実現しまして!」
M「すみませんでした。いろいろお手数おかけしまして。」
T「いやいや(笑)。いや〜楽しかったです!あの〜よっちゃんは
 その後もうあの〜体調は…いい感じだね?」
M「うん。もう万全ですね。」
T「万全ですね?この間楽屋でよっちゃんに事故の話聞いたら結構凄い
 事故だったみたいすね。本気でヤバイクラスの事故だったみたいで。」
M「結構いい感じの事故だったみたい。大型四駆だからね(笑)。」
T「いや〜ホントによく生きてたなっていうか。」
M「楽勝でしょ多分あの人だったら。生命のぶっとさが違うよね。」
T「ああーそうですね。ひょっとしたら前よりも肝が据わってドラム
 うまくなったかな?(笑)」
M「そうなんですよ。腰を痛めてしばらくコルセットするようになって、
 その間に姿勢が矯正されてアタック音とか強くなったんだよね。」
T「へえーー! そう!前に観たよりも音がバツッ!とシャープに
 なってるんですよね。」
M「凄い上手になったよ怪我して(笑)。」
T「そうそうそう!より凄みっつーのが出てきたなあと思って。」

・どうでしたか?ウチのバンド
T「DMBQ良かったですよ!この間。」
M「この間ちょっと負けたなぁ…」
T「なんでえ〜〜?!]
M「ちょっとおされたですけどね実は…」
T「そーんな事ないっすよっ全然!」
M「いや、かなりヤバかったすね。うーん。久々にヤバイぞと。」
T「うっそーー!!」
M「いや、ホントですよ。みんなで唸ってたんですよ。
 うちのお客さんにも大好評でしたよオリジナル・ラヴ。」
T「あ、そうですか。嬉しいなあ〜。でもね。オリジナル・ラヴのファン
 の人もDMBQにみんなビックリしてましたよ。凄いって言って。
 うちのレコード会社のディレクターが凄い好きになって一番前で観て
 ましたよ。あのね。うちのディレクターって結構冷めたヤツなのに、
 『いやー音がでかいのに気持いいよ。全然不快じゃない。どうして?』
 みたいな(笑)。」
M「へえー嬉しいですね。」
T「みんなたまげてまして。ほいでだっていつもうちのライブの機材
 やってるスタッフとかも、オリジナル・ラヴ先で良かったねって(笑)。
 あのドラム渡しの後はねヤバイよヤバかったよっていろいろ言ってた。
 凄い演奏力だと思いましたよ!」
M「どうなんですかね。」
T「リズムの安定度。殆ど中国の歌劇団じゃないけどさ、結構曲芸師じゃ
 ないですか(笑)。メンバー全員あそこまで動いて演奏がブレない、
 太いまま維持できる。あのへんがオリジナル・ラヴのバンドメンバー、
 相当課題だ!練習する!とか言ってさ。マジで落ち込んでましたよ。
 うちのドラムとか木暮とかコウ君とかも。」
M「コウ君動きようないじゃないですか(笑)。」
T「コウ君もでもノってる時はターンテーブルの上に乗っかったり(笑)。
 それでも演奏がズレないのは凄い!」
M「いや実はズレてるんですけどね(笑)。
 感じさせないように動きとかでカバーしてますね。」
T「面白いしね。演奏が乱れないからまたよりいいんですね。
 あれ乱れちゃったらつまんないじゃないですか。」
M「そうですね。ただ単に動いてぐちゃぐちゃになるのはイヤだしね。
 だから普段の実力の7割でなんとか演奏聴かせれないと(笑)。」
T「なるほどね。練習キッチリやってる…本番は7割……
 そ、そしたらすごっすごいんじゃないですかDMBQ !」
M「(笑)、7割ぐらいでライブやってなんとかお客さんを納得させ
 ないと。演奏に気を取られてると動けないから演奏してる段階で
 楽勝で弾けるっていう自信のある曲しかライヴには持ってこない
 ですね。」
T「あ〜なるほどね。一緒にステージやってみて改めてDMBQは
 追求してるなあって演奏に関してはねそういうのがわかったの。」
M「ありがとうございます。」

<バースト!選曲>
T「3/18に出ます『JINNI』の中から何曲かかけて行きますが。
 これはいつレコーディング?」
M「年末ですね。12月の中ぐらいかな?」
T「じゃもう結構事故後…」
M「うん。バタバタしてるうちにあ、もう録りだわって感じですね。」
T「バツーンと一回勢いで録ったみたいな。」
M「割とスルスルスル〜っと録りましたけどね。」
T「その感じ凄いいいですよね。ほいで録ったら直さないっていう
 感じでしょ?」
M「そうですね(笑)。」
T「そういうイキのいい感じの気持いい凄いいいアルバムでしたよ。
 ライヴやってる曲とかも入っててじっくり聴きたいなぁって思って
 たんですけどやっとこの形になって嬉しいなみたいな。で、
 『JINNI』っていうのは…月並みな話、ボクもアルバムタイトル
 の事聞かれるの凄くイヤなんすけど(笑)だけどこういう時
 聞いちゃうねやっぱり(笑)。」
M「(笑)、イスラム神話の悪魔ちゃんなんですよ。」
T「へえーーー!」
M「精霊の名前でかなりショボイんですよ。」
T「ショボイ悪魔なの?」
M「なんかショボイのしかいないんすけど(笑)。いまいち迫力の
 ないヤツなんですよ。随分昔から好きで。字ヅラが縦棒ばっかりで
 それが気に入って。ま、ホントは漠然とつけただけ(笑)。」
T「ボクね。モロッコ1回行った事あるんですよ(※注2)。10日ぐらい居たの
 かな。ホントに断食の日ありましたよ週に1回。でもねおじさんとか
 つまみ食いとかしてるんだよね。はらへったーとか言って(笑)。」
M「結構楽勝ムードなんだね(笑)。」
T「ちゃんと朝と夜にお祈りしてましたよ。町中にコーランのうなり声が
 ぶわーっ!と。町中がみんな遺跡みたいなのでもう紀元前も2千年も
 現在もねーやみたいな、もっの凄い臭くて市場も凄く面白かった。」
M「モロッコかなり行きたいですね。人が交差しまくってるとこですね。」
T「モロッコのフェーズの市場サイコーでしたよ。もう倒れるぐらい
 臭いのよ。その前にホテルでクスクス食べて次の日全員下痢になった
 んですよ(笑)。行ってる間ずーっと下痢でさぁ(笑)。そいで
 市場に行ったら肉に蠅から何から凄くてこれは下痢になるわな。
 よーくわかったみたいな(笑)。お茶に泥が入ってるの普通だし。」
M「いやですね(笑)。」
T「でもおいしいんだよな(笑)。慣れるよ。増子君とかハマルかも
 しんない。」

M-04.エクイップメント(アルバム1曲目)/DMBQ

・一発録りのテンション
T「はい。ね。突然終りましたね?」
M「2曲目に続くんでピシっと切れちゃうんですよね(笑)。」
T「なるほど。じゃ実際はメドレーでレコーディング?」
M「いや、曲間が0というかマイナス1ぐらいになってますね。」
T「マイナス1?(笑)」
M「ぐいって寄せたんです(笑)。」
T「これ歌いながら録ったんですか?」
M「いや、これ歌あとですね。一発でホントは録りたかったんだけど
 やっぱかぶりがでかすぎて(笑)。」
T「そうそうそう(笑)。でもかっちょいいっすよね。結構ギターソロ
 も弾くんだね?(笑)」
M「ちょくちょくやってますよ(笑)。」
T「そういうのも聴けたりしておもしろいっていうか(笑)。
 これはアナログのマルチで録ってるの?」
M「そうですね。」
T「マスターもアナログで?反転じゃなくてなんだっけ?
 反射っていうのかちょっと音がもれるっていうか聞こる感じの…
 今のオリジナルラヴのアルバムも全部アナログでやってますよ。」
M「あ、ホント。アナログはやっぱりいいですよね。」
T「やっぱり一発録りって直しちゃダメだね。ホントだったら歌も
 同時が、っていうかうちら同時でやってないんだけどやっぱり。
 だけど仮歌でかぶってるバージョンが結構良かったりして。」
M「一発で行けばいいんですけどね。大体歌で失敗したり(笑)。」
T「(笑)。」

M-05.ブームランロック(アルバム2曲目)/DMBQ

T「かっこいいすよねこれー。♪ッッガッガッガッガッガ…この溜め!
 溜まってますよねこれ。こういうの嬉しいですよ(笑)。」
M「アハハ、ホント?(笑)これだけどカラオケに影響受けたんですよ。」
T「カラオケ?!?!」
M「うちケーブル入っててカラオケチャンネルってあるじゃないですか。
 あれをある日見てたら全ての歌メロが安っぽいオルガンとかでなぞられ
 ててこれは凄いと思って。オレも歌メロなぞる曲つくりたいと。
 これ歌メロとギターおんなじじゃないですか。」
T「(爆笑)。」

・考え過ぎだってば。
T「これ重いですよね演奏。」
M「そうですね。割と軽快な曲なんですけどね。」
T「今回全部テンション高いですね。飛ばしてイクゼ!みたいな。」
M「かなり頑張って上げたんですけどね。なんか重いですねやっぱり。」
T「でもいい重さになってますよ。カジュアルに普段から着れる服みたい
 な感じ。今日はキチンと気合い入れて聴きましょうってアルバムも凄く
 いいけれども、これはいつもGパンみたいな感じっていうかさ。
 そういう気持いい感じのアルバムですよ。」
M「そうなるとホントいいですけどね。意外と深読みする人とかいるん
 ですよ世の中にはね(笑)。みんな気軽に聴いてくれればね。一番
 いいんですけど。」
T「カジュアルなね。」
M「カジュアルっぽいつもりなんですけどなかなかそうは言ってくれ
 ないんですよね。あれは何ですか?とか細かい重箱のスミみたいなの
 つっついてはいろいろ聞いてくる人多いですね。普通の楽勝のバンド
 なんすけどね(笑)。」
T「うん。そういうポップさがありましたよ。」
M「嬉しいなあ。」

・ギターにマイクが生えてる!
T「全然話題変わるんだけど、この間小林君に話聞いたんだけどさ。
 昔ギターのこっからマイクをさ(笑)。」
M「そう、ギターのボディーの裏に穴を開けてそっからマイクスタンド
 をネジで付けてぐっと出してみたんすけど。なかなかイカッタんです
 けどね。」
T「(笑)、ギターとベースとみんなそんな風にやってたんでしょ? 
 それ凄いなあと思って(笑)。」
M「しばらくやってたんですけどすんげえ歌いづらいですよね(笑)。」
T「(爆笑)。」
M「こんな、マイクがもう口を通り越して顎のあたりにあるから
 ズラす訳ですよ。だけどマイクが常に自分の顔の真ん前にある
 から(笑)なんとか動きながら常に歌う事はできないかと思って。
 ヘッドセットっていうのはポリシー上許せん!ってところが(笑)。」
T「その話聞いた時に木暮と二人でそーれだよ!って(笑)。
 テキサスでも何か技ないかって思ってたんで、それだー!(笑)」
M「いいっすよホント(笑)。裏に木ネジの長いので止めてあるだけ
 だから、ギターケースの中にもスッと入るんですよ。」
T「(大爆笑)。へえー。なるほどね。すごいよねだけど(笑)。」
M「けどね。常にここにマイクだからちょっとうざったかった(笑)。
 それに今度ギターが動かせない(笑)。上下は出来るんだけど、
 縦にしゃくり上げるような動きは凄い危険でしたね。自分にマイクが
 ガーン!とあたったりとか(笑)、けどしばらくやってましたよ。
 でももういいやと思って辞めた(笑)。」
T「それおいしいよなぁ。ひょっとしたら詳しく方法聞く可能性
 あります(笑)。」
M「ああいいっすよ(笑)、まだあるかもなぁ。1本はね、
 シェルターの隙間に落ちたから多分ステージの下にあるよ(笑)。」

M-06.アイヴガッタグルーヴ(アルバム7曲目)/DMBQ

<エンディング>
T「いろいろまだ聞きたい話もあるんですけど…
 1人でブルース弾いて歌ったりとかしないんですか?」
M「あんまり1人ではやってないですね。よっちゃんと2人のユニット
 があるんですよ。それはオープンコードとか使って…楽しいですよ。」
T「あ、そうなんだ!そういうの凄い聴きたくなってきて。」
M「あ、そうすか。やってみようかな(笑)。」
T「うんうん!オレね。絶対ね。イケテルような気がする!」

*******

Reporter の Arai さんより:

※1 T「『無人島に持って行く1枚』にこのP.I.Lの『メタルボックス』を....」
 レコードコレクターズ別冊「無人島レコード」の事だと思われます。
最近引退表明をしたらしい能地祐子とレコスケのイラストでお馴染み
の本秀康との編集の一冊、3月29日発売予定。
 約100人のアーティストに無人島に持って行くレコードを1枚選ん
でもらうという内容だそうです。

 能地祐子のHPでこの本の事について触れています。
 http://www.dadooronron.com/nowadays/0002.html

#ちなみに僕の「無人島」は...、ボックスじゃダメでしょうか?

※2 1993年秋のこと。『Sunny Side』のジャケットと「接吻」のヴィデオクリップ
 で見られます。その後、『Very Best』でちゃっかり流用されてましたが。



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Listening & Reported by Jun Arai
Page Written by Kiku^o^Sakamaki