2000年2月3日(木)
東京・渋谷クラブクアトロ


●セットリスト

1. インソムニア
2. ダブル・バーガー
3. ハニーフラッシュ
4. BODY FRESHER
5. 大車輪
6,7. 羽毛とピストル〜ティラノサウルス
8. 女を探せ!

田島貴男 (VOCAL and GUITAR)
沖山優司 (BASS)
木暮晋也 (GUITAR from ヒックスヴィル)
平井直樹 (DRUMS from ブンブン・サテライツ)
松本健一 (SAX)
L?K?O (TURN TABLE)


さいとうさん

・6時開場
私は整理番号23番で最前列。観客も超満員。
セッティングの都合でオリジナル・ラヴからスタートという事らしい。

・7時10分
ステージ上に松本さん1人で登場。
タクハツ!エレカシ!コールに照れながらシンセを弾き出す。
開場の密度が一挙に前のほうに凝縮され後ろからギュームッ!と押される。最前列のバーで肋骨が折れるかと思うほど。苦しかった。。。
ポコポコピコピコみたいな音にいろんなノイズが絡んできて段々盛り上がっていく。一体何が始まるの?っていう不思議な雰囲気。こんな始まり方はOLのライブでは初めて。

松本さんのソロが約5分間続いた後メンバー登場。
田島はカーキ色?のTシャツの下にもう一枚オレンジのチビT?みたいなのを着て下はジーンズにスニーカーでした。髪はまたちょっと伸びたかな?

1. インソムニア
98年赤坂ブリッツ風のインソムニア。沖山さんの躍動感のあるベースラインが凄く面白かった。間奏も田島と木暮さんのギターがギョワンギョワンに! ステージ上を二人してヨレヨレフラフラと。最初からキテルなぁ(笑)。
去年のインソムニアをエロインソムニアとするならばこっちのほうはハードインソムニアって感じ。こんなに壊れたインソムニアは初体験! 相当いい!! 平井さんも歌いながらドラム叩いてました。

2. ダブルバーガー
やっぱり燃えますねこの曲。どんな歌詞なのかアルバム(シングル?)が楽しみ。
何と言っても田島と木暮さんの骨太なツインギターが圧巻!平井さんのドスドスなドラムもサイコー!木暮さんも相当燃えていてステージから客を煽ってTシャツひっぱられて落っこちそうになってました。アブねーぞ(笑)。

3. ハニーフラッシュ
えっ?!もうやっちゃうの?ってビックリ。いつもならトリにもってくる大盛り上がりなこの曲を3曲目にもってくるとは! 最後までこっちの体力持つかな?と不安になった瞬間(笑)。

4. BODY FRESHER
この曲をまたやるとは思わなかったから意外。冬ツアーと同じアレンジ。
そういえば'97年のクアトロでもやったんですよねぇ。あの時に比べたら随分とプレスリー度が増してます。

 田島MC:「えーギター変えた!

大爆笑。アメリカンショースターから茶色のギターに。
見ればわかるっちゅうねん(笑)。でもよっぽど自慢したいギターだったのかな?黒の鷲(鷹?)みたいなマークがついてたんですけど。ギブソンのファイアーバード??

5. 大車輪
割とCDに忠実なアレンジ。イントロの松本さんのブブッブッというサックスはなくなっていた。たまにはこういうストレートなアレンジも新鮮である。「ありがとありがとありがとぉよぉ」のエンディング(笑)。

 田島MC:「今日はDMBQとやれて本当に嬉しいっス!
事故によっちゃんちょっとあっちゃったんでね。延期になりまして、たまりにたまったボクのリビドーといいますか、ディザイアーを、ですね、えと、ちょっと、なんですか、先走りしていって・・・じゃいきます

#だったかな?(笑)

6. 羽毛とピストル
昨年冬ツアーと同じアレンジ。木暮さんのギターのフレーズには相変わらず痺れる。
「ベイッ!(ベイビーの途中で)」と悶絶した後ギター抱えたまま後ろ向きにステージ上に倒れ込む田島。片足あげたまま動かない。死なないでー!と叫ぶ客。そのままいつものインストに。上げたままの田島の足がリズムをとり始めて復活(笑)。
ステージに寝っころがってる時に気づいたのか、マイクスタンド横に落ちている豆をハコごと拾い上げ中身を客に向かって蒔く。「ナニ?今のナニ?」と驚く客に「マメよマメ!」と解説する私。やったー節分だぁーと満足(笑)。

いつものインストは今回エロ度を抑えてぐっとタイトに。
後半田島と木暮さんとでシカゴ音響派みたいな2音だけを繰り返す
ギター演奏が続く。よくわかんない説明だな。。。

7. ティラノサウルス
いつしかティラノが始まっている。この流れは非常に面白かった!
後はいつものハードでへヴィなアレンジ。後半マイクの音が出ず。田島怒ってどうなる事かと思ったがすぐに気分を切り替えて最前列のど真ん中に陣取っていた身長180センチ以上もありそうな男性と両手を繋いでセッセッセみたいにしながら躍ってた。んで歌う事無くそのまま終了。こういう事があるからライブは面白い!

しかしその後、今度はギターの音が出ず!
「鳴らねぇよオラァーー!」と叫ぶ田島。サイコーだ!(笑)。

8. 女を探せ!
ヒッチコックの「サイコ」風なイントロといいベックボガードアピス風の(どこがだよ)リズムといい盛り上がりますねー。ライブ映えする曲です。「お〜んな〜をさ〜がせ〜」から「あ〜さ〜ま〜では」「欲望と〜」あたりの歌詞がどんな事になってるのか非常に気になる(笑)アルバムが楽しみ!!

 田島MC「ありがとー!オリジナル・ラヴ!ありがとー!DMBQ!

最後は天井近くにあるコードに木暮さんがギターを引っかけて。
メンバーが去った後、ステージ上にそのギターだけがウワンウワン鳴りながら揺れている光景はなかなかカッコヨカッタ。

以上約1時間。8時10分終了。

この後8時30分からDMBQがスタート。
最前列をDMBQのファンの方々に明け渡し後方でビールを飲みながらゆったりと観てました最初は。木暮さんはステージ左手の端のほうで、L?K?Oは右側後方でポカリスウェットを飲みながらステージを観てましたよ。

凄かったですDMBQ。ゆったりと観るつもりがいつの間にか興奮してノリノリになってしまいました。演奏は骨太ロックって感じなのですがバンド感が凄くてメンバー1人1人が見せます。特にドラマーのよっちゃんがカッコよすぎ!腹が割れてる訳だ(筋肉バリバリって事です)。

増子さんのパフォーマンスも凄くて。
ステージ右横の2段に積まれたスピーカーの上によじ登り、天井スレスレのところで寝そべって歌い、その後下に降りてきてダイブ!客も慣れてるのか?(ほとんどが男性)あっという間に増子さんをコロコロと転がし客席後方へと運ぶ。後ろのカウンターの上に立ちステージを指さす増子さん。そして客に道を空けろと指示する。瞬く間ににモーゼの十戒よろしく道が出来上がる。そこをダーッと走ってステージに登る彼。なんと大がかりな演出!見てて興奮した。そしてエンディングでは増子さんがよっちゃんのドラムセットを勝手にバラして1組ずつ客に渡して行く「どぞよろしく」みたいに頭を下げながら(笑)。最後は叩くものが何も無くなって苦笑するよっちゃん。これって定番の演出なのかな?例えそうだとしても始めて観るモノにとっては最高に面白かったです。

この後対バンっていうくらいだから田島/木暮/増子さんとでギターバトルでもやってくんないかしらと思ってたんだけど何もなくて残念。9時30分終了。でも、これが3150円1ドリンク付きっていうのはお得だった。

<感想>
DMBQはメチャクチャカッコ良かったがやはりオリジナル・ラヴはユニークの一言に尽きる。詞/曲/アレンジ/声/パフォーマンス/容姿も?(笑)どれをとっても唯一無比。ここのところが代替がきかない所以なのである。
でも、対バンだから何か特別な事をやってくれる?とかレコーディング中なんで新曲もっとバリバリやってくれる?などという期待が大きすぎたもので、去年の冬のツアーと殆ど変わらない選曲/アレンジには多少不満が残りました。ただ、ツアー終了後即レコーディング突入と時間が無かったんで仕方ないかも。それに頻繁にライブに足を運びすぎるファンの贅沢な我が儘なのかもしれない。

そういう意味では、今回オリジナル・ラヴのライブを初めて観たというDMBQのファンの人がどのように感じたのか非常に興味のあるところだったのですが、DMBQの掲示板を拝見させて頂いたら「従来のイメージと相当違って驚いた!」という人が多いようでした。これは痛快であります。
田島氏にも増子さんなみの大がかりな演出を期待しつつ(笑)次のライブ&アルバムを心待ちにする今日この頃であります。


まるやまさん

 前回の“Firewalking”から今回の“XXX”に残ったメンバーは“Fire〜”の最終日でMacの箱を被っていた人達(松本・沖山・L?K?O)だったことを考えると、最近は“自分と一緒におバカになれる人・いかにいい壊れ具合をしてくれるか”みたいなところでメンバーを選んでいるのかなと思いました。

 1曲目の「インソムニア」が始まる前、まずは松本さん一人で登場。ムーグシンセ他を用いて微妙にどこか壊れたSEを10分程?流しつつける。ちなみにこのときの「たくはつ!」コールをしたのは私です(後で他の人から話を聞いたら松本さん、嬉しそうにニヤニヤしていたそうですね)。

 スタート直後から驚いたのは、とにかく木暮さんのアグレッシヴな壊れ方。狭いステージをところかまわずうろうろふらふら。モニターの上にピョンピョン乗るのは当然として、Guitarを弾きながらいちいちポーズを取ったり、ペグ(弦を巻きあげるつまみ)を天井を這うシールドに引っかけて、Guitarをぶら下げて弦を撫でてみたり。それまで小沢健二のLive Videoでの姿や、Hicksvilleのイメージから「もっと穏やかにGuitarを弾く人」と思っていたので、「こんなにフリーキーなプレイをする人だったとは」と、“ニューウェイヴを故郷に持つ男”木暮さんを垣間見れたように思いました。

 逆にL?K?Oは今回はおとなしく、これまで以上にアレンジに深く関わってステージ上での作業が増えたからか(今回はターンテーブルを3台使用(?))、かなり真剣な表情をしていたように思えましたが。

 3曲目の「ダブルバーガー」はまだ発売前なのに観客はすでに大合唱、「もう皆さん歌詞を覚えているのね」。アルバムではこのライヴのアレンジをそのままシュミレートするのか、はたまたターンテーブルのループをベースにミクロなアレンジに変えるか、アルバムに期待ということですね。

 6曲目「羽毛とピストル」が終わってそのまま小刻みなカッティングをしばらく続けていたので、「次の曲は何だ?」と思いながら聴いていたのですが、そのまま「ティラノサウルス」の歌い出しを聴いたときは「そう来たかぁ!」とイイ意味で裏切ってもらえたのが良かったです。 ただ曲の終わりの部分でマイクが故障して歌が出なくなり、マイクを指さしながらスタッフにしきりに合図をするもなかなか交換が捗らず、結局そのまま歌うのをあきらめてギターを降ろすといきなりステージ最前列に来て観客の男性(?)と固い握手を交わす田島っち。「最後までライヴは無事に進むかしら?」と思いつつも曲終わりでマイクが交換されたら、その後も予定通りライヴは続きました。一安心。

 8曲目のタイトルは「女を探せ」だそうですが、歌詞がまだ十分に聞き取れていないので、「本当にこのタイトルなんですか?」と、いまいち不思議な感じがしています。このタイトルでどんな歌詞が乗るのか、はやく正規の歌詞が知りたいものです。

 時間が短いので、通常のライヴなら演奏されるはずのミディアムものがなくすべてアッパーな曲ばかりだったので、全編テンションの高いライヴを観ることが出来て、思わず'97/12/6のクアトロ(私もその場にいました)を思い出してしまいました。

 印象的だったのは田島っちが時折見せた嬉しそうな表情。彼自身もライヴを楽しんでいたように思います。
 そういえば当初の日程で行われていたらDrumsは茂木欣一(ex. Fishmans)氏が務めていた訳ですが、だとしたら彼の“平熱を保ったままの高揚感”を醸し出すグルーヴがOLの楽曲にどういう彩りを添えるか、興味があります。機会があればいずれ実現してもらいたいものです。

 続いて登場したDMBQは以前Blue Talk (ML) である方が「DrumsのRythmが甘い」と指摘されていたように記憶していたので、彼らの演奏に少々不安を持っていたのですが、そういわれれば確かにそういう箇所もあったのですが、同じMemberで数多くのLiveをこなしてるので呼吸が合っていて、アンサンブルそのものはすごくまとまっていました。

 すでに彼らのライヴを見ている方ならご存じのことだとは思いますが、笑ったのはリードギタリスト(アイ高野風)とベーシスト(にしきのあきら風)がいちいちポーズを取る姿。 リードギタリストはモニターに片足を乗せて、客席に向かってぐるりと指さしてみたり(昔“アクション”というメタルバンドが良く取ったポーズ)、Guitarを機関銃に見立てて構えてみたり。ベーシストはテンガロンハットの唾を持っていちいち直す振りをしてみたりといった具合に、エンターテイメントとしてのショーマンシップも見せてくれて楽しかったです。

 ライヴを見るまで、彼らの音楽は“ヘヴィーブルース”だと勝手に決めていたのですが、実際に聴くと徐々にタイムレスになる感じがむしろFunk的(“いかに同じ場所に長くとどまっていられるか”という感じを指しての意)に思いました。
 今回のOLのライヴをDMBQ目当て出来た人たちがどういう感想を持ったか、興味あるところです。


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