(前回までのあらすじ)
「後で決めます」でデビューした針井探偵の活躍については、「針井探偵の今後の活躍について」、および「アナグラム」、で述べたところであるが、ついに「名探偵最後の事件」において連続殺人犯として逮捕され、針井探偵シリーズは幕を閉じた、と思われた。
これは単なるひき逃げ事故ではない!針井探偵(脱獄中)はそう確信した。これは計画的な殺人である。それは、現場に大量の牛乳がまき散らされていたという、ささいなことからの推理であった。
「『飛び出すな 車は牛乳止まらない』という犯人からのメッセージだよ、これは。」
しかし、脱獄中の身であるからしてそれを聞いてくれる相手もいない。
はたして、針井探偵(脱獄中)の予想通り、青いインクで書かれた犯行声明が警察に送られてくる。そして極左と極右のメンバーが次々と殺される。
「これは即ち『さあ青だ いやもう一度右左 いやもう一度右左』。ということは、犯人はまだまだ殺人を繰り返すつもりだ。」
と断言する針井探偵(脱獄中)。だが、彼の推理を聞いてくれる人もいない。
針井探偵(脱獄中)は、自ら右翼の大物に変装し囮捜査で犯人を誘き寄せる。しかしすんでのところで犯人はつかまらず逃走する。今度はアイドルが狙われることを予想する針井探偵(脱獄中)。
「マーダー大丈夫は、モー。危ない。」
だが、警察は彼の推理をまともに聞くはずもなく、針井探偵(脱獄中)は逃亡するしかない。
この卑劣な殺人鬼の犯罪を止めなければならないと天に誓うが、お前が言うなと突っ込まれる針井探偵(脱獄中)。
連続殺人犯を追い詰める針井探偵(脱獄中)。連続殺人犯の正体は、実は小学生だった! そこへ警察が駆け付ける。にらみ合う連続殺人犯(小学生)と針井探偵(脱獄中)のどちらを先に逮捕するか迷う警部(聖書原理主義者)。
「早急に事件を解決するつもりなら、小学生を先に捕まえたまえ。君たちのお仲間の交通安全協会(財団法人)も常日頃主張しているではないか。『急がば回れ、補導 今日』」
警部(聖書原理主義者)はつぶやく。
「小学生にもかかわらず、緻密に計画された連続殺人をおこなうとは…なんという怪物だ。」
それをたしなめる針井探偵(脱獄中)。
「子供にむかって、お前は怪物だ、なんて言ってはいけない。それは禁句だ。」
唐突にあらわれるワトソン役。
「ところで、この事件を記録する際、なんとタイトルをつければ良いだろう?」
「ふむ、時節柄、針井(他)とモンスターズ・禁句(アカデミー賞受賞)が適当だろう。」
針井探偵(脱獄中)はこの場所から無事逃亡することが出来るのだろうか。
奇絶! 怪絶! また壮絶! (ヨコジュン)
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