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名演5月例会 かの子かんのん

5月14日(火)6時30分
  15日(水)1時30分 6時30分
  名古屋市民会館中ホール 地図  
1 会費 月額    2600円 22歳以下  2000円
     高校生以下 1300円
2 入会金      2900円 22歳以下  2300円
     高校生以下 1600円
                       
  くわしい名演の入会方法はこちら

『かの子かんのん』出演 伊藤孝雄
伊藤孝雄さんのお話を聞く会
4月2日(火)3時 6時30分 名演事務局会議室
 『かの子かんのん』で、樫山文枝さん扮する、岡本かの子の夫の岡本一平役を演じられる伊藤孝雄さんをお招きして、作品の魅力、みどころを語っていただきました。
 写真報告はこちら。
伊藤孝雄さんプロフィール
 
1937年、岩手県生まれ。早稲田大学法学部在学中に俳優座養成所に入所、その後劇団民藝に入団。1964年『人質』で初舞台。以後、舞台・映画・テレビで活躍。最近の名演の例会では、1995年『グレイクリスマス』、1996年『欲望という名の電車』、2001年『湧きいずる水は』『アンネの日記』に出演。


みずからの情炎に身をこがし、世間の常識や道徳にまっこうから挑戦した岡本かの子。
激しく短い人生を、鮮やかに描いた舞台。


 5月例会は画壇で異彩を放った岡本太郎の母、岡本かの子に焦点を当てた書き下ろし作品『かの子かんのん』です。
 岡本かの子は、漫画家岡本一平を夫に、明治から昭和にかけて「青鞜」の歌人として、小説家としてすさまじい人生を送ります。芸術家として個性がぶつかり合う私生活の中、夫との火花の散らしあい、年下の医師や文学青年との激しい恋愛、果ては愛人と起居を共にするという傍目には奇妙な夫婦生活への発展。時には宗教に帰依し、昇華され純粋なまでの夫婦愛がありましたが、同時に、愛と文学に殉ずるエロス的、カリスマ的、母性的な「何か」を持った女性でもあったのでした。
 人々をつかみがたい陶酔に誘う作品はどこから生まれてきたのか、その謎めいた人生が、今解き明かされていきます……。
 樫山文枝、日色ともゑの久々の共演で素敵な舞台が期待できます。

 第一次世界大戦が勃発した翌一九一五(大正四)年、二十六歳の岡本かの子は神経障害の末に、自殺を図り、精神病院に入院しています。ドラマは、かのかの子かんのんチラシ子が女医の京山志保と話しているところからはじまります。かの子はようやく常態に戻りつつあるのです。
 そこヘ、夫の一平が牧師の上松高久とともに会いにくるのですが、かの子は、妹のきんが手伝いに来ると聞いて、形相を一変させます。短歌で知りあった学生を、妹が奪ったと思いこんでいるのです。
 この騒ぎほ、かの子が鉄扉の向こうにある病室に入ることで、ようやく治まります。その過程で、この学生を家に連れてきて一緒に暮らすことを許した一平を、上松は批判せざるをえまぜん。一平はこの責任を十分に自覚して、献身的にかの子の看護をつづけるのです。
 それから九年後の一九二四(大正十三)年、かの子は痔の手術のために入院するのですが、「西洋ローソク」とのあだ名をもつ外科医の瓜生清一に心を奪われます。やがて、書生兼マネージヤーとして従来から岡本家に住込んでいる森川安夫のほかに、この「西洋ローソク」先生が主始医兼愛人として、同居することになります。一平との間には、「仏様の前で警っ」て、「ここ十年ちかく」も、セックスが「ずーっと無い」状態になっていたのです。
 かの子は、一平のことを「阿弥陀様」のような人だといいます。 二人は「相手を縛り付け」ない、自由な関係になっているのでした。こうして、愛の表現と、結婚のあり方について、いまにも通ずる大切なテーマを背負って、かの子は生きつづけるのです。「人が人を好きになること」「好きになっだがゆえに苦しむこと」は、「人間本来の姿」であり、「その姿こそ自然である」と考えているかの子の行動が、それが「自然」であるが故に、さまざまな拘束と規制のなかで生きざるをえない現代人に追ってきます。
 このテーマを強調するために、作者は、外科医の父・瓜生庄五郎と母・房とを登場させ、かの子と真向うから対立する場面を用意します。「枠とはどういう間柄になっておるんだ?」と詰間する庄五郎にたいして、かの子は「恋人でございます」と答えます。さらに庄五郎が、岡本一平という「御主人がいるのに恋人とばどういうことだ」と間いつめるのですが、これにたいして、かの子は「岡本は私を愛してくれております」と答えます。二人の考えは、永久に交ることばないのです。
 ドラマは、愛する人のうち「だれ一人が欠けても、私は私でなくなってしまう」というかの子が、結婚する書生に去られたことで、急転回します。かの子はある日、ふっと姿を消してしまうのでした……。

キャスト
岡本かの子(歌人・のち小説家)…樫山 文枝
岡本一平(かの子の夫・漫画家)…伊藤 孝雄
大貫きん(かの子の妹)……………日色ともゑ
京山志保(精神科医)………………津田 京子
瓜生浩一(医師)…………………みやざこ夏穂
        ……………………齊藤 尊史
森川安夫(かの子の従弟)…………横島  亘
上松高久(牧師)……………………嶺田 則夫
大沢(看護人)………………………米原 克己
       ………………………高野  大
事務員…………………………………水谷さやか
看護婦1………………………………大越 弥生
看護婦2………………………………宮川 嵯蘿
瓜生庄五郎(浩一の父)……………安田 正利
    房(浩一の母)……………別府 康子
室田(編集者)………………………齊藤 尊史
       ……………………みやざこ夏穂
白石(編集者)………………………杉本 孝次
おとよ(岡本家の女中)……………塩屋 洋子
牧村ゆき(安夫の婚約者)…………細川あゆみ

スタッフ


作……………………小幡 欣治
演出…………………兒玉 庸策
装置…………………石井みつる
照明…………………山内 晴雄
音楽…………………日高 哲英
衣裳…………………貝沼 正一
効果…………………岩田 直行
舞台監督……………中島裕一郎

劇団民藝 http://www.gekidanmingei.co.jp/


5月例会『かの子かんのん出演 伊藤孝雄さんのお話を聞く会。

「芝居は、観客と演じる側が同じ時間を共有して、一緒に創り上げていくもの、楽しみながら、いい時をつくっていきましょう」伊藤さんは、俳優になったきっかけからはじまり、演劇について思うこと、俳優の仕事、『かの子かんのん』について、などなど、次から次へと語っていただきました。

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5月例会「かの子かんのん」に出演される「伊藤孝雄さんのお話を聞く会」を4月2日、名演事務局会議室で行いました。その状況をお知らせします。 
 伊藤孝雄さんは名演の例会で何度も出演されています。最近では7月例会「アンネの日記」でアンネの父親役をされましたので、覚えておられる方も多いと思います。「かの子かんのん」でも主人公かの子の夫という重要な役を演じられます。
 最初に伊藤さんは「かの子かんのん」の資料をみて、「よく調べてある。かの子かんのんについてはこれを読んでもらえばいい。後は実際の芝居を見て楽しんで欲しい。」ということで伊藤さんが俳優になったきっかけかお話が始まりました。
 伊藤さんが俳優を目指した理由から、お話しが始まり、いろんなエピソードを身振り手振りで、ときにはものまねを交えて面白可笑しく話してくれました。
 そして真剣な話題になってくると話に熱が入ってきます。
 「一つのセリフでも言い方によっていろんな意味にとれる。そのセリフがどういう状況で、どういう気持ちで生まれたのか、その背景となる人物の人生を考えた上で役を演じる」という話や、座右の銘は「早春スケッチブック」の中のセリフ「生きるということは自分の中の死んで行くものをくい止めるってことだった。ぼやっとしていると脳髄も筋肉も滅んで行く。何かを感じる力、人の不幸に涙を流すなんて能力も衰えてしまう。それをあの手この手を使ってくい止めることなんだ」という話になると「俳優」伊藤孝雄さんを強く感じました。
 後は参加者よりの質問コーナーになったのですが、ポスターの背景に岡本太郎をつかった理由や、岡本太郎記念館での撮影時の話、実在の岡本一平の人となりを調べるため、岐阜に行った話など盛り沢山の内容で、盛況のうちに会を終わることが出来ました。
 今回の全体的な感想としては、渋い2枚目と思っていた伊藤孝雄さんが面白い人と判ったことと、新しいアプローチの仕方で5月例会の「かの子かんのん」をより楽しめると思いました。
 とここまで書いていると会に参加できなかった方は残念に思われるかもしれませんが、裏話を聞いて見る芝居の楽しみもあれば、予備知識なしで初めて芝居に触れ合う楽しみ方もあると伊藤孝雄さんも言っていました。(どちらかといえば伊藤さんは後者をお薦めの感じでした)ということで5月例会「かの子かんのん」お楽しみに…

               5月例会担当

5月例会『かの子かんのん例会運営担当サークルスケジュール

P4090240.JPG 今日の準備会は、お昼に参加できる人たちで行いました。まずは運営委員のNさんの司会でスタート。

1 4月2日の「伊藤孝雄さんのお話を聞く会」の報告
2 新入会員を誘っていこう。
3 「カーテンコールの花束」の準備
  14日の公演終了後の「交流会」のこと。
4 当日の例会場の受付の分担のための、準備会の実施。
  4月30日に決定しました。
5 座席シールづくり(座席番号をおしていきます)

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1 4月2日の「伊藤孝雄さんのお話を聞く会」の報告
2 新入会員を誘っていく取り組み。
    申込を忘れているサークルに連絡する。現在のところ入会者と退会者がほぼ同じくらい。
3 「カーテンコールの花束」の準備
  14日の公演終了後の「交流会」のこと。
4 例会当日の受付等の準備と打ち合わせ。
5 座席わりの作業。(写真上段 左、下段)

第4回準備会は、

1 当日の会場管理の打ち合わせ
2 例会を多くの会員で迎えるために
  再度宣伝。
左の写真は、宣伝のDMの発送作業の様子です。


多くの人が集まって、感想文集が完成しました。

5月例会『かの子かんのん』例会終了しました。
前例会を越える会員数で迎えることができました!

11トントラック
大道具などが入った11トントラック

榧野明さん

今回の公演の荷物(大道具、衣裳、照明・音響機材など)を運搬するトラックのドライバーの榧野明さん。榧野さんは「三平ちゃん」(宇野重吉さんがつけたそうです)の愛称で親しまれ、演劇の輸送を手がけて37年のベテランドライバー。2000年には「ニッセイ・バックステージ賞」を受賞しました。くわしくはこちら

14日夜に交流会を行いました。
劇団からは7人の方が参加。
森川安夫役の横島亘さん

会場の様子

瓜生医師役の
みやざこ夏穂さん

男性から見たかの子、女性から見たかの子
いろいろな感想が次から次へと語られました。




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最終更新日 2002/08/23