雑誌
キングの特集や関連記事があったものを紹介します。下記以外にもきっとたくさんあると思うので、情報があれば教えてください。
ミステリマガジン 1988年8月号
幻想と怪奇 スティーヴン・キング特集 早川書房
内容=短編小説「ホプシー」、クライヴ・バーカーによる評論、吉本ばなな、深町眞理子、山口雅也のエッセイ、邦訳書ガイド、キング小伝

キングの最新短編や、適切な書き手による評論やエッセイなど、やや地味ながらもさすが「ミステリマガジン」という感じ。
キング以外にもクーンツ等四篇のホラーの短編も楽しめる。
(情報提供go_madさん)
ユリイカ 1990年11月号 
特集スティーヴン・キング ホラー時代の教祖 青土社
内容=大槻ケンジ、高山宏、大塚英志、笹井潔他による評論、架空インタビュー、短編「魔性の猫」、『死の舞踏』の抜粋等。

本誌は研究書に分類してもよいほどの充実した内容。特に大槻ケンジ氏の体験に基づいたミザリーな話と、キングの過去のインタビューを要領よくまとめた架空インタビューが面白い。
「魔性の猫」は本誌が初出。キングの短編集には収録されていないが、アンソロジー『魔法の猫』(扶桑者ミステリー)で読むことができる。
『死の舞踏』も本誌が初出で、第四章「閑話休題」の部分が掲載されている。
エスクァイア日本版 1992年9月号
スティーヴン・キング、闇の王国へ 株式会社ユー・ピー・ユー

内容=インタビュー、風間賢二氏による「メイン州ミーハー探訪記」、キング情報辞典、別冊付録・キング原作・バーニー・ライトスン画のコミック「クリープショー」

今までの雑誌の特集の中では、まちがいなくこれが一番だと思う。探して買う価値あり。なかでも高橋恭司氏のキングの世界をそのまま切り取ったような写真がすばらしい。これは「研究本」の類では味わえない、雑誌ならではの楽しみだ。バンゴアの給水塔やマウント・ホープ・セメタリーの写真を見ながら「聖地」に思いを馳せるのも一興だろう。
風間氏のレポートは「恐怖の愉しみ」でも読むことができる。
別冊付録の「クリープショー」は、1982年にアメリカで出版されたジョージ・A・ロメロ監督、キング脚本の映画『クリープショー』のコミック・バージョン(日本未発売)の中から「父の日」を収録。
しかしなにより私がこの特集を気に入っている理由は、読者プレゼントのカルトクイズに応募して、普及版「My Pretty Pony」をゲットしたからなのだ!ありがとう、エスクァイアのスタッフの皆さん!(「My Pretty Pony」の画像はこちらをご覧下さい。)
野生時代 1993年8月号
ホラー特集 これを読めばキングがわかる スティーヴン・キング 角川書店
内容=独占インタビュー、映像化されたキングの世界/吉本ばなな、恐怖の王/養老孟司、キング完全年譜/風間賢二、全作品リスト、小説「THE BEAR」

それほどページ数は多くないものの、内容はなかなか充実している。「独占インタビュー」では、滅多にない日本からのインタビューということもあるのか、いつもより生真面目に答えている印象がある。「私の作品の根底に流れる哲学は、「善はふつう悪にうち勝つが、その代償は大きい」ということです。(中略)作家としてずっと自分に問いかけているのは「善は行うだけの価値があるか」ということなんです。これは現在、私たちが直面している1番重要な問いかけだと思います。」なんていう、ズバリ核心を突いた発言を読むことが出来る。
小説「THE BEAR」は、「暗黒の塔」シリーズの『荒地』からの抜粋。ちなみに熊の名前「シャーディック」は『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』の作者として名高いリチャード・アダムズの同名の小説からとられたもの。キングは、エディの「そいつは・・・兎と関係があるんだ。馬鹿みたいだろ?」というセリフでネタをばらしている。
月刊プレイボーイ日本版 1994年12月号
スティーヴン・キング、ロックバンド奮戦記! 集英社
内容=キング、デイヴ・バリー、ロイ・ブラントJr.による「ロック・ボトム・リメインダーズ」のツアーに関するエッセイ。

キング、デイヴ・バリー、エィミ・タンら作家たちがバンドを結成し、コンサートをしたことはファンなら小耳にはさんだことがあると思うが、恐ろしいことに彼らはツアーまで行っていたのだ!もっと驚いたのは、音楽監督にあのアル・クーパーがついていたこと。(これは日本で例えれば鈴木光司と宮部みゆきと京極夏彦のバンドの監督を大滝詠一が務めるようなもの。)これにはちょっと鼻白むものを感じたりもするが・・・。やはりただのシロウト集団ではないということか。
ちなみにそのツアーで演奏された曲はMONEY,SUSIE Q,CHAIN OF FOOLS,LEADER OF THE PACKなどのオールディーズ。きっとキングは趣味のハード・ロック系の曲も演奏したかっただろうが、自分達の実力を考て無難な曲を選んだのだろう。
以前から、作家以外のことをするなら、バンドでギターを弾きたいなどと語っていただけに、このツアーはキングにとって「二度目の夢の実現」と言えるものだったのではないかと思う。しかしビデオまで出すのはどう考えてもやりすぎだろう。
GQ japan 1998年2月号
キングのキングぶりを徹底解明 スティーヴン・キング ナウ 中央公論インターナショナル
内容=
もっと知りたいホラーの愉しみ!別冊宝島457 1999年発行 
吸血鬼ドラキュラの系譜からシリアルキラー・パニックの真実まで! 宝島社
内容=「S・キングの小説で町が崩壊する理由」「児童虐待ホラーに隠されたX世代の現実とは」「スプラッタ系ゾンビの出自はベトナム戦争?!」etc..

前書きによると「20世紀のホラー小説、映画を25のキーワードに即して展望し、その醍醐味やウラ事情を味わい尽くすためのハンドブック。」とある。確かに、ホラーの歴史をてっとりばやく知りたい人にはぴったりの本。
特にキングの特集が組んであるわけではないが、ほとんどのキーワードの中でキングの作品がとりあげられている。
ただ、ネタバレに対する配慮が全くと言っていいほどない(まるで『シックスセンス』のブルース・ウイリスは***だと書いたどこかの映画雑誌のよう。)ので、ブックガイドとしてはほとんど役に立たない。
CUT 2000年3月号
特集:ダーク・ファンタジー2000 ROCKIN'ON
タ゜・ヴィンチ 2001年1月号
未曾有の大作いよいよ刊行!『ザ・スタンド』の魅力を探る メディアファクトリー
内容=対談 風間賢二X藤田新策、『ザ・スタンド』をもっと楽しむための、スティーヴン・キング ワールド・マップ

「未曾有の大作〜」なんて言うわりには、たった4ページしかない記事でなんだかさびしい。もっと盛り上げて欲しいなあ。
また別のページでは、「読者が選ぶ20世紀を代表すると思う作家」の10位にランクされていた。海外の作家ではヘミングウェイを凌いで最高位だった。

そういえば、以前にもこの雑誌でキングの特集(「解体全書」だったっけ?)あったが、特にどうってことのない内容だったので、捨ててしまった。その時はこんなサイト作るなんて思ってなかったし・・・。
月刊プレイボーイ 日本版 2001年2月号 
「作家になれなかったら?たぶん、死んでいただろうね」 集英社
事故の顛末や電子出版のことなどについて語った、最新インタビュー。創作についての話題よりも、よき家庭人として、また独創的なビジネスマンとしてのキングに焦点をあてた内容は、コアなファンには物足りないだろう。
記事よりもずっとインパクトがあるのが、すっかり痩せて松葉杖をついている姿の写真だ。今までも事故についてはいろんな所で読んでいたが、その深刻さが初めてリアルに実感できた。
CUT 2001年3月号
アンソニー・ホプキンス スティーヴン・キングが明かす『ハンニバル』の謎 ROCKIN'ON
TITLE 2003年6月号
キング先生、引退のウワサは取り消しですね? 文藝春秋
キング原作映画化作品の(北米での)興収ランキングが面白い。ベスト5は、『グリーンマイル』、『ミザリー』、『ペットセメタリー』、『スタンド・バイ・ミー』、『シャイニング』の順。それ以下で目を引くのが『ショーシャンク〜』(10位)より『バーチャル・ウォーズ』(8位)の方がランクが高いこと。恐るべしアメリカ人。
日本ならおそらく、非ホラー系の作品が上位を占めるだろう。
ちなみに『ペット・セメタリー』は、歴代ゾンビ映画でも2位と健闘している。
  
〔キング堂ホーム〕〔研究本〕〔キングが影響を受けた作家、作品〕
〔キングに影響を受けた作家、作品〕〔キング絶賛!〕〔その他の関連書籍〕〔リンク〕