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2001/09/30

 窓を開けると、きんもくせいが香っている。

 スプリンターズSは、賭けずにTV観戦しつつ「メジロダーリングとダイタクヤマトかなー」と思っていたら、トロットスターに刺された。むぅ。

 「<テロ報復反対運動>インターネット使い、広がる」。
 その一方で、TVニュースは「報復反対デモは活動家ばかりが参加」(民放夕方)「50名がひっそりとデモ」(NHKローカル)と、あくまで「ふつうの人なら報復よね!」な雰囲気作りをしつつ、「でも、いちおう反対っていうのもちょこっと紹介してみました、バランス感覚です」な言い訳工作も怠りないようである。

 「狂牛病問題:英科学誌「ネイチャー」が日本政府の対応を批判 」。


2001/09/29

 上司のひとが、車の代理販売店に勤めている家人に「何を基準に車を選ぶか」と質問したそうだ。
 「見た目」
 いや、そうじゃなくて、車を専門的に扱っている人間としてはどうなのか、と更に訊ねると
 「値段」

 [ Bill Totten's Home Page : Our World ]の[No.489 戦時体制の米国]。紹介文に添えられた、ビル・トッテン氏のひとこと「現在、米国の報復措置に対し、日本をはじめ世界中が賛成していますが、私は断固として反対します。」が嬉しい。

 『九年目の魔法』(ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 著/浅羽莢子 訳/創元推理文庫)読了。
 「この本はどこかで読んだことがある。でも、その時読んだ内容とこれとは違う気がする……」19歳のポーリィは"記憶の食い違い"をつきとめるために、自分の過去を思い出そうとする。はじまりは、そう、9年前のあの日、おばあちゃんの家にニーナと遊びに行った日のことだった……。
 私の精神状態がいまひとつこの本向きでなかったのは確か。にしても、あらためて、自分に向かない「面白い本」ってあるんだなぁと思う。ネットで感想文をひろい読むと、本当に面白そうなのに。けれど、私には駄目だった。面白さがほとんど分らなかった。箇所箇所ではわくわくする(主人公が『金枝篇』を読むところ)のに、全体のうねりがつかみとれなくて、ぼんやりしているうちに話が終わってしまった。残念。


2001/09/28

 「米首脳、ここにきて一転弱気のワケ… 「大規模攻撃」から慎重論続出」より「(引用者註:ブッシュ息子大統領は)大々的に振り上げたこぶしをどう下ろすのか。」↓とっても平和でちょっとおちゃめな解決方法。

  1. 首をちょっと傾け、こぶしを後頭部に軽く(こつん、と)あてる。
  2. 「てへ」と言う。
  3. 言うと同時に、軽く膝を曲げ、にっこりと笑う。

 ま、生卵くらいは、とんでくるかもしれない。
 と書いていて思い出した。ドイツがまだ東西に分かれていた頃、コール西独首相が街中を歩いていて、ひとびとに物を投げつけられる、というニュース映像をTVで見たことがある。その時の、家人との会話。
 「おぅ、卵命中」
 「ふぅむ、今度はトマト」
 「わー、コールさんすごい状態。……これに粉まぶして油で揚げたら」
 「コール天」
 オヤジギャグを言うような年でもなかったのだが。コール氏は、黄色と赤のまだら模様になった直後、両手をぶんぶんと振り回して大暴れ。SPはコール氏のほうを抑えていた(ような記憶があるが、ちょっとあいまい)。

 今回の事件に関するTVニュース番組の内容は、どの局も、足並みが揃いすぎている。報道は事実かもしれないが、情報源が同一なのではないかと思う。そして、報道から落ちてしまっているものは、確かにある。
 信じて、でも自分でできるだけ調べてみる。自戒。たとえ善意の焦りからでも、デマに乗りかけてしまった自分への自戒もこめて。

 自分で調べようとせず、「タリバンの資金源は麻薬」との報道を鵜呑みにして発言している、朝日系朝ワイドの本日の出演者は、ただの間抜けにみえた。ま、たまたま私が見たのが彼らだっただけで、他の系列のニュースも似たり寄ったりなのだろうから、特に朝日系列が間抜け、というわけではない。私は、偏向の度合いが見えるぶん、朝日は好きなのである。
 アフガニスタン――縛られた手の祈り「最近の動きなどメモ」(2001/09/28)経由で、以下の文を読み中。麻薬関連


2001/09/27

 面白そうなのでチェック。『暗号の秘密とウソ ネットワーク社会のデジタルセキュリティ(Bruce Schneier 著/山形浩生 訳/翔泳社)10月5日発売予定。
 「われわれはすぐ、こういった問題すべてをテクノロジーで解決できると考えてしまいがちだが、そういった考えは間違っている」(Hot Wired)という記事を読んだ後なので、なおのこと興味をひかれる。

 「FBI苦戦 大量の逮捕・身柄拘束でも「証拠」得られず」(http://iij.asahi.com/international/update/0926/008.html

 「米国で過熱する「愛国ブーム」」(Hot Wired)。全部が全部こういう人ではないと信じよう。日本という国の中にも、小泉純一郎の暴走に疑問を呈している人は、思想の左右に関わらず、確かに居るのだから。ネットが出来ることは、ほんのわずかかもしれない。けれどそれでも、自分がひとりではないと知ることが出来るのは、心強い。


2001/09/26

 大阪近鉄バファローズ、リーグ優勝、おめでとうございます。今日は駄目かなぁと思っていたら、夢のような逆転サヨナラホームラン。打った北川選手は、飛んで跳ねてくるくる回りながら走っていた。とても嬉しそう。

 『球形の季節』(恩田陸 著/新潮文庫)読了。
 東北地方の小さな町で、おまじないと不思議な噂が流行りだす。おまじないは金平糖を使う他愛の無いもの。噂の内容は「5月のある日、この町のある人におきること」だった。噂の当日がやってくる。そして――そのとおりになった。
 終わりが弱すぎる。話の雰囲気が好きならば楽しめるのだろうが……「とても面白い本を読んだの。ここはこうでね、で、こっちはこうなって」「ふんふん(面白そう)」「はー、もう時間無いや。続きは、その本を読んでね」「えー!?」という感じか。

 ブッシュ息子大統領の「アフガニスタンの一般市民だってUSAを待っているぜ!(大意)」な演説を聞く。うんざりする。本当にこの人は"何も"分かっていないのだろうか。歴史的に無神経な言葉づかいは、日本が真珠湾を攻撃した日付を間違えた父親譲りか。(隣に立っていた小泉純一郎が全然分かってないのは、まず確実なのだが)

 USAの宣伝番組(ニュース番組と銘打っていたが内容に合った名前はこちらなのでそう呼ぶ)の一方的な情報を鵜呑みにして
 「女性や子供に酷いことをしているタリバンは今のうちにうっておかないと」
と言い出すひとを目の前に見て、目の前がくらくなる。USAがタリバンの対抗組織として持ち上げている北部同盟の行為について、彼らは知らないのだろうし、知ろうともしない。
 こういうナイーブな人間の操作はとてもやりやすいだろう。彼らと自分とは一蓮托生なのだと思うと、目の前の相手を説得しながらも、少々落ち込む。
 何故この組織が支持されるのか、彼らは考えないのだろうか。そこまで彼らはナイーブなのか、と。

 [Alternative Mailing Lists]より。

 またアフガニスタン――縛られた手の祈りより、以下に引用する。

これはアメリカが支援する「反タリバン北部同盟」(旧:ムジャヒディン)の行ったことです。タリバンこそが、こうした女性への暴行をやめさせた、という意外な一面もあるのです。ちょっと検索すればここ十年くらいのアフガン史は、いくらでも検証できるはず。さすがの二大国も「タリバンは女性の人権を抑圧」とは言うけれど「反タリバン側は、そういうことをしない」とは言えずお茶を濁してます。

 「[af]アフガニスタン:これだけは知ってほしい」も必読。


2001/09/25

 人柄ではなく、その場その場の行動と言動で判断していかないと、とんでもなく泥沼に嵌まる。ということで、小沢氏の意図がどのようなものであれ、自衛隊派遣は無原則・小沢氏が批判は、ごくまともな批判だと思う。まぁ個人的には、小沢氏が言っているぶん、奇妙でいい加減な反論(サヨク扱いして切り捨てるとか)が減るので有り難い、というのはある。

 米、26日に未臨界核実験 ブッシュ政権下で初(http://www.asahi.com/international/update/0925/011.html)。


2001/09/24

 今年の台風は連れ立ってくるのが多い。(18号+19号)

 Nimda 続報,IE6でもウイルスを勝手に実行してしまう恐れあり

 「ウイルスに狙われるのはIIS浸透の代償」とマイクロソフト阿多社長。ははは……成毛前社長もこういった発言に関してはたいがい不注意だったけれど、後任も流石後任だけのことはある。この言葉の毒が分からないひとは、身近にいるシステム管理者に、この記事を読ませてみましょう。

 ニュース映像にBGMを流すようになったのはいつからなんだろう?まあ、今回もし事が起こるとして、そして世界にその後が許されるなら、ニュース映像に多用される音楽のひとつはこれじゃないのか、と思いつつ「ACE COMBAT 04」2回目クリア。…… EASY で。


2001/09/23

 「ACE COMBAT 04 shattered skies」を EASY でクリア。面白かった。話も上手くまとまっていると思う。
 難易度も各モードでうまく調整されているのだろう、ここを工夫すればクリアできる、というのが見えてきて、遊んでいて楽しかった。サイドストーリーと本編の繋がり方もいい感じ。
 で「面白そうだけど、私は反射神経無いから駄目だ」という方に。私は「バイオハザード」(初期版)で、最初に窓割って飛び込んでくる犬に食い殺された程度ですが、それでもこのゲームはクリア出来ました。(結局「バイオハザード」は諦めて、遊びたいというひとに譲った)

 「博多湾の人工島建設地、環境省の湿地再生候補に」(http://www.asahi.com/national/update/0923/007.html
 1X年前の声がようやく届いたということなのだろうか。


2001/09/22

 9月にしては寒い戸外を歩いていると、自転車に2人乗りした親子とすれ違う。
 「さむいー。さむいんだー」と小さな女の子。
 「どこが寒いのよ!」と母親。
 いや、おかーさん、今日は充分寒いと思いますが。(それとも、どこが、というのは本当に質問で、具体的な箇所を言えということなのだろうか。手とか顔とか脚とか)

 『軍事革命(RMA)』(中村好寿 著/中公新書)読了。
 技術革命が戦略・戦術を劇的に変える。今、情報革命によって、軍事的大変革が起きつつある。これを欧米では軍事革命 "the Revolution of Military Affairs" と呼ぶ。クラウゼヴィッツよ、さらば!という帯の文句がすごいです。

 ということで、軍事面についてはたいへん面白かったのだが、反面「サイバー」に関しては記述に引っかかってしまうのがなんとも……。それには目をつぶっとけ!ということなのかもしれない。

 「ACE COMBAT 04」最終面を何回も何回も何回も……(下手)。CMをじっくりと見ましたが、BGMがアヴェマリアですね。


2001/09/21

 仕事場のシステム管理者からメールが来た。もちろん、W32/Nimdaについてである。そこには、こう書いてあった。
 前回のSirCamとCodeRed2で対策を取られている方は、今回の対策は不要です。(註:仕事場では社内LANメールのみとなっているのでブラウザ対策は必要無かった)
 とすると、今回感染したひとって……。
 あはは。なんか愉快だ。私は、とっくの昔に対策済みだったので、今回はちょっといじっただけ。

 湾岸戦争からこちら、10年もの時間を与えられていて、結局何の結論も出せていなかった国が支払う代価として、
 「日本は何の貢献もしてない。金しか出していない」
という批判は、安いものだろう。10年前もそうだったし、10年たっても状況は変わらなかった。その怠慢をなじられるにしては、随分と穏やかで優しげな言葉ではないか。

 自衛隊について。
 人的貢献という言い訳と、歪んだ憲法解釈のもとで、かれら一人一人が、自衛隊員である以上の歪んだ責任を押し付けられたまま海外に派遣されては駄目だと思う。
 「今回は人を出さなくては」「海外派兵も当たり前」と言っている人をみたら、彼ら彼女らの言葉をチェックしてみるのがいいだろう。
 彼らが言う「人」「兵」のなかには、彼ら彼女ら自身が含まれているのだろうか、と。
 「軍を持つ」ことを語るひとの言葉のなかに、「自らの徴兵」は折り込まれているのかどうか、と。

 特定のことがらをひとごとで語る日本の「大人」が、同類である小泉純一郎を支持するのもまた道理。
 国内のテロ対策など彼の頭の中からは、全く消え失せている。彼の発言が、どんな結果を引き起こすことになるのか、彼はまったく考えていない。一連の発言の相手は常にアメリカ合衆国だ。選挙演説のようですらある。何をどう選んでもらいたいのだろう。
 この首相はどこの国の首相なんだ?

 「皆現実に気付いていない!」
 と叫んでいる彼らは、結局、何も見ていない。「現実が分かっている私」「リアリストな私」に酔っているだけだ。

 常になし崩しにことをすすめる人間を、それが個人的にどれほど良い人であっても、私は信用しない。対象が国家に変わってもそれは同じこと。


2001/09/20

 朝食をとったら、胃が食物を拒否した。ので会社を休む。どうやら風邪のようだ。大事をとっていちにち食事を抜く。水だと胃が拒否するので、お茶を飲む。

 台風17号が関東からそれていく。

 『軍事革命(RMA)』(中村好寿 著/中公新書)で全てが説明できるわけではない。この本の面白さに浮かれて跳ね回る人を見ていると、どうにも憂うつになる。なまじ本の内容が興味深いだけになおのこと。
 サイバー攻撃のあたりはひっかかりが多くて、読みすすめるのが辛い本でもあった。


2001/09/19

 夕刊紙に「今度はウイルス攻撃!!」との煽り見出し。
 帰宅後確認すると、あんのじょうMicrosoft社製品のセキュリティホールがらみだった。

 「サイバー攻撃だ!!」との煽りに、大衆紙だけでなく軍事専門家とか経済専門家も加わっているのは、どうにかならんのだろうか。彼らの、あまりにも自信満々な口調に、見ているこちらは「私は勘違いしているのだろうか」と不安になってしまった。

 「ACE COMBAT 04 shattered skies」CM解禁される。( http://www.yomiuri.co.jp/00/20010918i304.htm


2001/09/18

 書店に寄ったら、創元SF文庫がずらずらと並んでいた。魅力的な表紙が私を誘う。うーむ。あれもこれも買いたくなってしまうなあ。

 But cool fingertips touched his forehead,
 and he heard her say one word:
  "Live."

 という表紙の句の配置に惹かれて、『黙示録 3174年』(ウォルター・M・ミラー・ジュニア 著/吉田誠一 訳/創元SF文庫)を手に取る。
 表紙の、日が沈む瞬間(だと思う)の写真、暗い地平線にぽつりと置かれた白抜きの文字"Live."が、とてもいい。

 いつのまにやら台風17号が日本の南に。


2001/09/17

 本日からニューヨーク市場が取引を再開するそうだ。一週間もの間があいて、データの流れが通常とは異なるため、念のためチェックをするようにとの通達が回ってきた。その対応名称が「アメリカテロ対応」とはちょっと物騒。(テロ"が原因で休場した間のデータの処理"対応、なのだが、これだと長いから約めたのだろう)
 まぁ、究極の"idle"首相が考え無しに対米営業発言をしまくるので、日本でもそのうち本当に「テロ対応」する羽目に陥るかもしれないが。


2001/09/16

 台風16号は元気いっぱいのまま沖縄本島から西へ。

 「ACE COMBAT 04 shattered skies」(PS2/namco/シューティング)をぼちぼちとやっている。前作より飛んでる、という感じがして、いい。


2001/09/15

 台風16号情報をさがしてネットをうろつく。慣れない情報を探すのは難しい。ニュースサイトで天気図を見ると、まだ沖縄本島近辺をよろよろしているようだ。TVニュースにはほとんどならなかったが、被害はかなり大きいらしい。

 米下院の武力行使決議に女性議員が孤独な反対票(http://www.asahi.com/international/update/0915/014.html)。
 「だれかが抑制を利かせねばならない。事態が制御できなくなるのを防ぐために、決議の意味をじっくり考えるべきだ」

 未確認情報。CNNが流した映像「よろこぶパレスチナの子供たち」は"湾岸戦争時の映像の使いまわし"との話がちらほらと。(いまのところ3箇所で見た)

 ハムラビ法典「目には目を歯には歯を」は、やりかえしの行き過ぎをいましめる言葉であって、やられたらやりかえせと言っているわけではない。
 (旧約)聖書にはこんな箇所もある、そうだ。

イスラエルの12部族がやっと約束の地にやってきてみたら、そこはすでに人だらけだった。この住民たちは、ほかのみんなにとっては困った問題となっただろうけれど、そこはさすが神さま。かれはイスラエルの民――いまはヨシュアに率いられている――に、やつらを殺せと命令する。
  ――申命記 20:10-18(『誰も教えてくれない聖書の読み方』(ケン・スミス 著/山形浩生 訳/晶文社)p.59 より引用)

 つまり、部分的に知っている情報だけで「どっちがより過激か」と論じても無意味だというおはなし。


2001/09/14

 台風16号の停滞ぶり。「何せ台風のすることですから」とはいえ何故こうも動かないんだ。それに、天気予報の時間は、何故こうもころころ動くんだ。

 米国同時テロ:スケープゴートにされる在米イスラム教徒。正義は我にあり――という単純な理由ではないのだろうが、それでもやりきれない。

 『オルガニスト』(山之口洋 著/新潮文庫)読了。
 音楽大学の助教授である僕は、友人から一枚のディスクを渡される。ブエノスアイレスにいる音楽雑誌の記者から託されたというそのディスクには、ひとりのオルガン奏者(オルガニスト)の演奏がおさめられていた。――オルガニスト。僕は大学時代を思いだした。寮の同室の友人、彼のオルガンの素晴らしさを、そしてあの時起こったことを。僕はディスクを、友人の師であったラインベルガー教授に渡し、評価を依頼する。教授はディスクを聴くと「美しく快いが、同時に不快だ」と不可解な言葉を呟いて、ディスクを預らせてくれないか、と僕に言った。その演奏は、ヴァイオリニストの僕には素晴らしいものに感じられたのだが――。
 なめらかで、かかるところのない文章に載せられた、ひとりの天才の物語。……私はただ傍らで楽しむだけである。何かをあれほど高いところまで追っていける人は幸せそうだな、と思いながら。オルガニストの、ピアニストに対する不思議な見方が、可笑しかった。ピアノを弾く人間が、同じようなことをエレクトーンを弾く人間に対して言ったのを思い出したからである。
 ――こわれるものは奇麗だ。壊れきらないところもまたいい。最後に残る核に、ものがたりは集約していく。


2001/09/13

 的場さんは、キーンランドのセールに行っていて、足止め状態になってはいるものの、無事だそうだ。よかった。(情報源:日刊スポーツ・競馬ページ

 台風16号は、沖縄付近で停滞したりゆっくり(←これって速度なのか……)進んだり。なかなか北(か東)へ抜けない。沖縄への降雨量はすごいことになっているのだろうが、ニュースのタイミングがあわなくて、状況がよく分からない。

 昨日の日記、どうもおさまりが悪い。最後につけくわえた部分の、それぞれの前提状況が違いすぎるんだな。分かってるんだけど。
 ところで。威勢の良い米国大統領の演説にもうんざりしている。「これは民主主義に対する攻撃である」「正義と悪との戦いである。我々正義が勝つ」「世界のみんな、応援よろしく!(意訳)」…確かにテロリズムは悪い。けど…そんなこと言われてもね。
 ブッシュ息子が言ったのはつまりはこういうことだ。

  1. テロリストはアメリカ合衆国に対し、攻撃を行った。
  2. アメリカ合衆国は、世界の自由と民主主義を象徴する国である。
  3. つまりテロリストは、世界の自由と民主主義に対し、攻撃を行ったのである。

 なんか、くらくらしてきた。


2001/09/12

 米国テロ発生に伴い、ナムコが「AC04」TVCM自粛。予想はしていたけれど。でも、ソフトは予定通り発売するとのこと。

戦争だって?そんなものはとっくに始まってるさ。問題なのは如何にケリをつけるか、それだけだ。
  「機動警察パトレイバー2 the Movie」

 アメリカ合衆国への同時多発テロ。御都合主義のミステリのような筋立てに呆然としつつ、TVを見ていた。
 「アメリカ合衆国のために出来る事は何でもする」「全力でアメリカ合衆国を支援する」と小泉純一郎。
 その発言が、日本という国とそこに所属する人間を、"危険にさらしている"ことへの自覚は、彼には全く無いようだ。いかにも他人事。聞いているうちに、笑いが込み上げてくる。こんな、大人"が適当に作ったヒーローまがい"の玩具が、大人には受けるのね、とほほ。あなたは、どこの国の首相なんだい?その様子だとアメリカ合衆国のちょうちん持ちと間違えられても仕方ないんじゃないのかな。(外務省のコメントのほうが余程まともだったよ。あ、田中外相のコメントもお粗末で聞くに耐えなかった)
 一方、アメリカ合衆国の大統領役の俳優。ヘボい演技だなぁ。レーガンは何処だい。こんな時の適役は彼しかないだろう?(冗談です。為念)
 "未確認情報"の報道が、ひどく気持ち悪い。公的機関が責任をとらぬままに、なんとなくの雰囲気を既成事実として成立させたがっているようにも見える。
 アメリカ合衆国が、アラブで民間機を撃墜したことをふと思い出した。あの時、現地の人々はどんな気持ちだったのだろうか。自国の空を飛んでいて殺された彼らの気持ちは、今回のそれとどう違う?
 ふたつの行為はどちらも許し難い。けれど、同盟国が責めるのは今回の行為だけだ。

そんなきな臭い平和でも、それを守るのが俺達の仕事さ。不正義の平和だろうと、正義の戦争より余程マシだ。
あんたが正義の戦争を嫌うのはよく分かるよ。かつてそれを口にした連中にろくな奴はいなかったし、その口車にのって酷い目にあった人間のリストで、歴史の図書館はいっぱいだからな。
  「機動警察パトレイバー2 the Movie」

 デマ情報 確認メモ(23:00現在)


2001/09/11

 台風15号は速度をあげて北上。16号の速度は……停滞か、ゆっくり。

 ニューヨークの世界貿易センタービルに航空機が2機衝突した。ツインビルのそれぞれに1機ずつ、80階付近に突っ込んだとのこと。(日本時間21:30〜22:00 ニューヨーク8:30〜9:00過ぎ)
 はぁ、航空機がハイジャックされていたかも、だって?(未確認情報 AP通信)2機ともかい
 などと言っていたら、ペンタゴンも燃えてる……うっわ。これ全部テロとかいうんじゃないでしょうねえ。ピクニックにでも行くのかな?
 なお現在、犯行声明が出たの出ないのと、情報が錯綜している。(「犯行声明が出た」 → 「犯行声明を出していないし、犯行を否定する」以上、NHKのニュースより)
 あ……ビルが倒れてしまった。中の人、避難出来たのだろうか……

 『20世紀SF6 1990年代 遺伝子戦争』(中村融 山岸真 編/河出文庫)読了。
 読みでがあった。面白かったなあ。「マジンラ世紀末最終大決戦」が特に好き。ロボットの操縦が達者な田崎さんが素敵だ。以下、一行感想。

  ・軍用機(スティーヴン・バクスター/中村融 訳)
もしもアポロ11号が。いえ、たとえそうであっても、もし彼らが正直でいれば。しかし、このツインビルへの衝突、なんとなく状況が似ているような。
  ・爬虫類のごとく……(ロバート・J・ソウヤー/内田昌之 訳)
殺人犯の意識は、過去の恐竜のなかに送られた。確かに徹底的だ。そこまで見越していたのか?
  ・マジンラ世紀末最終大決戦(アレン・スティール/山岸真 訳)
ロボットプロレス。まさかこんなところで「マクロス」とか「パトレイバー」なんて単語を見るとは思わなかった。「マジンラと握手っ」に大笑い。
  ・進化(ナンシー・クレス/佐田千織 訳)
抗生物質のきかない菌に対抗する人々の話。これを読んでいる時、TVでMRSAのニュースをやっていた。
  ・日の下を歩いて(ジェフリー・A・ランディス/公手成幸 訳)
月の上で遭難したら――兄弟の下の方ってこんなふうに考えるんでしょうか。
  ・しあわせの理由(グレッグ・イーガン/山岸真 訳)
この感情は、何から来るものか、僕は知っているが、同時にそれだけでないことを"分かって"もいる。切ないなあ。
  ・真夜中をダウンロード(ウィリアム・ブラウニング・スペンサー/内田昌之 訳)
荒れたネット空間の崩壊の様子にわくわくした。
  ・平ら山を越えて(テリー・ビッスン/中村融 訳)
山の上からの眺めが奇麗。
  ・ケンタウルスの死(ダン・シモンズ/酒井昭伸 訳)
大人って。
  ・キリマンジャロへ(イアン・マクドナルド/酒井昭伸 訳)
動植物を呑み込んで変容しつつある「森」の描写に圧倒される。最後の言葉に納得する。
  ・遺伝子戦争(ポール・J・マコーリイ/公手成幸 訳)
歯切れの良い話。あっさりとしていて、笑える。特に夫婦のそれが。「忠誠遺伝子」ね。

2001/09/10

 台風15号(東海地方)と16号(沖縄本島沖)が手をつないで日本へ。低血圧の所為だろう、古傷がうずく。TVニュースだと16号の情報が少ないな。

 新型ワーム『コード・ブルー』が中国企業を標的に
 感染するとVBスクリプトでいろいろ悪さをするとのこと。感染警報を自ら発し、同時に感染速度を自ら減じるとは。CodeRedに比べて、莫迦正直というか莫迦というか――


2001/09/09

 ALT BIZで「山形浩生の『ケイザイ2.0』」をまとめ読みする。景気の予想として株は当てにならないと、ダウFAQにも書いてあるそうだ。へぇ……知らなかった。じゃあニュースで株価が下がった、たいへん!不況だ!と言っているのは何なんだろう。
 以下、同コラムより「不況」関連で面白かったもの。


2001/09/08

 日本IBM「Aptiva」「Thinkpad i Series」を廃止へ 店頭販売撤退は否定。Think Padが無くならないのを確認して、ひと安心。

 ガンパレード・マーチドラマCD「夢散幻想3」が届いた。あとで……って、2もまだ聴いてない。むー。まぁ、そのうちまとめて。


2001/09/07

 『20世紀SF6 1990年代 遺伝子戦争』(中村融 山岸真 編/河出文庫)を読んでいる。
 祖父江さんのデザインした本は書店で目立つし、個人的には好きだ。見ていて楽しいし。この「20世紀SFシリーズ」は、カバーデザインが祖父江慎、デザインとフォーマットは、河出文庫全体で粟津潔。
 ↓祖父江慎デザイン本。


2001/09/06

 競走馬にパブリシティ権なしの判決にテクモが見解。 この判決とは、今年8月の東京地裁のもの。(関連日記:2001/08/27

 『プラトン学園』(奥泉光 著/講談社)読了。
 新任の英語教師として、プラトン学園に赴任した木苺淳一。彼の前任である石黒は死んだのだという。ふとしたことで知り合った教師は、石黒の死について疑問をほのめかした後、更に不可解なことを忠告してきた。あなた「も」気をつけたほうがいい――と。
 日本海の島にある全寮制の学園の、謎めいた雰囲気。閉鎖的な島のなかで交わされる奇妙な噂。……でも、奇麗に解決される推理小説を期待すると拍子抜けするかも。夢の中をぐるぐるまわって、大笑いしたりわくわくしたりして、最終章に辿り着いたら――という感じなので。推理小説的な締めが一切無いのが、私には楽しかった。
 奥泉氏の笑いを含んだ文章は、読んでいる間がいちばん面白い。


2001/09/05

 『ヘヴン 2』(遠藤淑子 著/白泉社)を読む。
 ある目的のために作られたロボットLUK5(ルーク)。その目的のために、ロボットに少年の姿を選択したと、開発者は言った。しかし、その姿は開発者の記憶にある思い出の顔でもあった。大学寮の隣部屋の、風変わりな友人の顔――
 エコテロリストの扱い方が面白い。英雄扱いしてないから。最近の少女漫画はこんな感じなのかなあ。(掲載された雑誌を読んでいないので、よく分らない)


2001/09/04

 NHKニュース10の特集「Code Red」を見た。(時間は10分程度)
 まずCode Red II(※)のおおまかな説明。(DDoS攻撃(名前は出なかった)と、バックドアについて)次に、感染した企業サーバの管理者と、影響を受けたISPの代表へのインタビュー。最後に、感染対象は「マイクロソフト社のOSのうち、企業で使われているNT、2000」で、個人に使用者の多い「95、98、Me」は感染しないと説明。
 感染したサーバの管理者は、インタビューで「他人事だと思っていた」と言っていた。何故そう思っていたか、理由までは言わなかったけれど、たぶん管理者自身にも、はっきりとはわかっていないのだ。

(※)特集ではコードレッドと表記。しかし、報道内容から判断すると、この小特集で扱っているのはCode Red II。


2001/09/03

 『puzzle』(恩田陸 著/祥伝社文庫)読了。
 孤島で3つの死体が見つかった。それぞれの死亡時刻はほぼ同時、そして死亡原因も奇妙だった。
 長い話として読みたかったなあ。廃虚の描写は奇麗だと思う。

 明日のNHKニュース10の特集は「Code Red」だそうだ。


2001/09/02

 PlayStationのゲームでいちばん素晴らしいと個人的に思っているのは「ベイグラントストーリー」(PS/SQUARE/SIM+ADV?)なのだが、このゲームは不憫にもよく「ベイグランストーリー」と間違えられている。私も、はじめは間違えていた。綴りの意味を調べようとしてはじめて気付いた。「あ。"ト"だったのか……」(※)
 綴りをひいた辞書の、この単語の近所には「バガボンド」という単語があったが、これも「バボンド」と間違えている人がいるに違いない。発音し難いから、こんなふうに間違えるんだろうけど。(※)

(※)【vagrant】(名詞)放浪者 / 【vagabond】(名詞)放浪者、無頼漢 (「小学館プログレッシブ英和中辞典 第3版」より)


2001/09/01

 著作権問題。これを「著作者は王国の王様になれる権利」と思っている人には、以下の行動は理解不可能だろうな。

 レッシグ氏の著書『CODE インターネットの合法・違法・プライバシー』は面白くておすすめ。リンク先で本書の冒頭を立ち読みできる。(私の感想はこちら

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