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2005年11月6日

ビル・クロウ/村上春樹 訳 『さよならバードランド』 (新潮文庫)

「普通のジャズミュージシャンの普通の自伝」(「訳者あとがき」より)。 巻末には村上春樹氏の「私的レコード・ガイド」(pp.481-548)がついている。

「ぶわん・ばっ!」(シオドア・スタージョン『不思議のひと触れ』収録) を思わせるエピソードが面白い。 淡々としていて、時々くすっと笑わせるような文章は、 疲れている時にはとてもいい。

僕は普段は酒を口にしないのだが、 そのときはマーティニをいっぱいだけ飲んだ。 それで僕はすっかりいい気持ちになって、笑ったり騒いだりしていた。 隣の席のボブ・ブルックマイヤーは名うての酒呑みだった。 彼は僕を苦々しげな顔で見て言った、 「まったく嫌になっちゃうよな。 そんな具合に気持ち良くなるためには、 俺は大枚三十五ドルは払わなくちゃならないんだぞ」

(本書,p.303)
東証でシステム障害

東証でシステム障害、立ち会い停止 (スラッシュドット ジャパン) を読んで、 国内の航空管制が一時全停止 (スラッシュドット ジャパン) を思い出した。

後日には、 名古屋証券取引所で相場報道システムに障害発生、取引停止 (スラッシュドット ジャパン) が。


2005年11月12日

ジョージ・R・R・マーティン/安田均,風見潤 訳『サンドキングズ』(ハヤカワ文庫 SF)

7つの中短篇が収められている。

「<蛆の館>にて」と、表題作「サンドキングズ」が面白かった。
「スターレディ」は、欲しいものに対してまっすぐに向かう女性が、いい。
「ストーン・シティ」の地図の話や、「ビターブルーム」の近づいてこない人々の描写は、 なんとなくコンピュータRPGを思わせる。