1-3は単純に「メイル下さいね」という表現。あまり長くて複雑だと手に余る場合は、その後に4をつければいいでしょう。2はpleaseをつけても構いませんが、この単語は文章にする場合多少なりともこちらが下手に出てお願いするという状況で使うので、「お願いです、どうか私にあなたのメイルを下さい」とぜひとも英語のコメントを乞いたいのでない限り、つけなくても失礼にはなりません。もっと親しげな感じだと Send your message to me! あるいはさらに気さくに E-mail me! (メイル下さいね!)などと書いてもいいでしょう。e-mailは元々は名詞ですが、日本語で「メイルする」などと言うのと同じように動詞化されて使われることも多いようです。
5,6はメイルは嬉しいけどできれば日本語にしてくれるとありがたいなあ、という場合。これは本当にお願いなのでpleaseは必須です。海外からたまたま日本のサイトにアクセスした人にこれは無理な話だと思われるかも知れませんが、相手が日本に馴染みの深い人(または日本在住)だったり日本に相当興味のある人だったりしたら、読み書きも少しはできるし日本語ソフトも入れている、ということもないとは言えません。
7,8は英語メイルを送ってくれても構わないけど、返事できる自信はないので期待しないでねと断っておきたい場合。ただしこの二つの表現を1や2と一緒に使ってしまうと、「メイル下さい!」と言っておいて「でも返事はできません」ではわがままにしか聞こえませんので(英語で「メイルは歓迎」と書いた時点で特に英文メイルが欲しいことをアピールしてしているわけですし)、7や8は返事ができないのに英文メイルがちょこちょこ来て困っている方向けの単体で使う注意書き、という前提で入れてみました。英語のメイルはあまり得意ではないけど、時間がかかってもちゃんと返事をしたいから諦めずに待っていて欲しい、という場合は、9 のように書き添えるといいかも知れません。
10は4-9のような文章を使った後につけて、こちらの事情をご理解下さいね(相手が理解してくれるものと仮定して先にお礼を言う)とお願いする、多少かしこまった表現です。ちなみに9は、以前扱った著作権関係の表現とも一緒に使えます。またサイト運営とは直接関係ありませんが企業の顧客向け公式書簡などで、例えば「○月×日に○○工事(インターネットならサーバのメンテナンス等)を実施します。ご不便をおかけしますがご理解ご協力お願いいたします」などというときにも使います。
さて、実際に英文メイルが来た場合の参考として、以下にごく簡単で一般的な英語メイルのやり取りを想定したものを載せてみます。特に英語ページがなくても写真や絵(素材)、サイトデザインは海外のPCでも問題なく見られますので、センスのいいレイアウトや綺麗な画像を載せたサイトには英文メイルが来る確率も高いでしょう。
Hello Eri,
I just visited your website and I love it! Nice layout.
The photographs / pictures on your site are awesome.
I wish you had English pages as well so that I would
be able to know more about your works.
I look forward to seeing more works added to your page.
Keep it up! ; )
Jane
こんにちはエリ。
今あなたのサイトを見たけど、とても気に入りました!デザインが素敵ですね。
あなたのサイトの写真/絵は素晴らしいです。
英語のページがあれば作品についてもっと分かるのになと思います。
また作品が増えるのを楽しみにしていますね。
その調子で頑張って!
ジェイン
Hello Jane,
Thank you very much for visiting my site.
I am glad you like my works and site design.
I'm sorry that there is no English page at the moment,
but I'm thinking now about adding short English captions
to photographs / pictures, when I have time.
I will try to keep adding new works, so please come back again!
Eri
こんにちは、ジェイン。
サイトにご訪問ありがとうございます。
私の作品やサイトデザインを気に入って頂けて嬉しいです。
今は英語ページがないので申し訳ないですが、時間があれば写真/絵に
短い英語の説明をつけることも考えているところです。
もっと作品を増やしていくつもりなので、またいらして下さいね!
エリ
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ジェインからのメイルの文中のawesome は元々は「恐ろしい」という意味ですが、口語で「すごい、素晴らしい」という褒め言葉によく使われます。最後の; )は日本にもある「顔文字」です。日本の場合はそのまま真直ぐ見て顔に見えますが、欧米の場合は横向きです。ですからこの場合は「ウィンクしている笑顔」になります。他にも: )「笑顔」: (「がっかりした顔」など色々あるようです。
基本的に日本語でメイルを貰った場合とそう変わらないと思うのですが、知らない人からの初めてのメイルへの返事は相手よりも多少丁寧な調子にするのが無難だろうと思います。あまり丁寧すぎると「随分よそよそしい人だ」という印象を与えかねないので、相手側の文章の調子に微妙に合わせるのがいいでしょう。適度に省略形を用いる(I am → I'm、Do not → Don'tなど)だけでも随分柔らかい印象になります。冒頭の名前も、相手があなたの名前(またはサイトで使っているハンドルネーム)で呼び掛けてきた場合、たとえ相手の文末の署名がフル・ネームで書かれていても、返事ではこちらも相手のファースト・ネームを書くのが普通です。仮に文章の内容で明らかに相手があなたよりずっと目上の人と分かっても、向こうが「私の名前はMr.XXです」などと書いていない限り(サイトの感想メイルでそんなことを書く人も普通はいないと思いますが)は相手のあなた自身に対する呼び方に準じて下さい。
英語は日本語ほど複雑で多様な敬語表現がないのと、欧米のネット・ユーザ達は色々な場で日本人よりも気軽にオンラインの交流をすることもあって、一般的に英文感想メイルや掲示板の書込みなども気さくな感じが多いようです。特に掲示板は、あちらでは管理人の返事を期待する掲示板よりも「気に入りました」ということだけ伝えるのが目的のゲストブックを設置しているサイトの方が多いようなので、「Hi, great site! Keep it up!(やあ、すごくいいサイトだね!頑張って!)」などという一行感想も珍しくないようで、この場合メイルよりも更にくだけた調子なのが普通です。こういう時は、こちらもそれなりに気さくな調子で返しても構わないと思います。
しかし先に書いたように、メイルにせよ掲示板にせよあくまで「相手より少し丁寧」が基本というのは忘れない方がいいでしょう。留学や海外滞在経験がある人でも話し言葉や単語の選び方で相手と理解が行き違うことはよくありますし、特に若者言葉はどこでも誰にでも通じる訳ではありません。相手の文章が比較的カジュアルな感じだったからといって、こちらも流暢な英語に見せようと下手に口語体で極端な省略や俗語を使った返事を書いて「失礼な人だ」と思われるより、多少堅苦しくたどたどしくても丁寧な英語を使った方が「日本人は礼儀正しい」と思ってもらえると考えて下さい。逆に言えば、相手からのメイルや書込みが初めてにも関わらず馴れ馴れし過ぎたり、あまつさえ4文字言葉などの卑語や俗語だらけだった場合、これも日本と変わりませんが相手はマナーもよく分からないままネットで遊んでいる子供か、大人だったら「ただの変な人」だと思った方がいいでしょう。「欧米ではこれが普通なのかな?」とは思わないで下さい。日本でも外国でも失礼なことは失礼だ、というのは基本的にネットでも変わりません。先に上げた顔文字も、特に若い女性はセンテンスの終わりなどにちょっと使ったりする人も多いようですが、相手が使っていればこちらも少しなら使っても構わないという程度で、あまり多用し過ぎるのはお勧めできません。
また、一見個人に宛てたメイルのようでも本文に「私のサイトです、見てね!」などとはっきりした内容も書かずにどうも個人サイトではなさそうなアドレスが貼ってあったり、サイトの感想は「見ました」程度で「友達になりたいのでお返事下さいね」などと書いてあるものはいわゆる広告メイル、恐らくアダルトサイト関係を疑ってもいいかと思います。あなたのサイトに掲示板がある場合、(掲示板に日本語のボタンが多すぎて何をどこに書けばいいのか分からない場合を除いて)短い感想であればそこに書けばいいところをわざわざメイルを送ってくれるということは、それだけあなたのサイトを気に入ってくれたということですから、短くても何かしらコンテンツの内容に触れた感想があるのが普通です。それなのにただ「いいサイトですね」程度の誰にでも使えるコメントだけで、後は自分のサイトなどの話題、というのはこれもちょっと「変」です。
ただ、欧米ではプライバシー保護とどこにいてもチェックできる便利さから無料アカウントのメイルアドレスをメインとして使っている人も多いので、相手のアドレスがhotmailなどの無料アドレスだったからといっても「怪しい広告メイル?」と疑う根拠にはなりません。あくまでメイルの内容によります。もちろんあまり神経質になる必要はありませんが、英語メイルが来た場合「外国語だ!」と緊張または興奮してしまって返事をどうしよう?ということばかり悩んでしまうことはあると思うので、まずはちょっと落着いて読み直してどんな内容なのか、どういう人から来たのか、それが日本語だったとしたら自分ならどういう返事を書くか、ということを考えてから返事に取りかかるのが、しっかりした返事を書くためにもいいのではないかと思います。一生懸命書いた英語のメイルで「サイトの雰囲気も本人も感じがいいな」と思って貰えたら、嬉しいですよね。
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