〜今日のお気軽ひとこと翻訳・書類保管庫(ウェブ英文素材編)〜


自分のウェブサイトを運営していれば、訪問者が多くなるほど嬉しいもの。大抵のサイトアドレスに含まれている"www" はWorld Wide Web、つまりあなたのサイトはオンラインに乗せた瞬間世界中の人に向けて開かれることになるのです。あなたのサイトにいずれ偶然海外からの訪問者が訪れるのも必至。そんなとき、テキストが日本語だけなら言語を理解できない人はすぐに立ち去ってしまいますが、いくらかでも英語の説明があれば興味を持ってくれるかも知れません。日本のサイトでも英語ページや英語の説明を添えているところはとてもたくさんあります。けれども残念ながら中にはせっかく載せても英語として意味を成していないもの、悪くすると誤解を招きかねない表現が使われているところも少なくないようです。翻訳ソフトなどで日本語の原文を訳しても、どうしても器械には限界があります。自分のサイトを色々な人に見てほしい、全部は無理でも画像やウェブデザインだけでも楽しんでほしい、でも日本語では当たり前のこういう表現は英語で何と書けばいいのか...そんなときに役に立ててもらえれば、とよく使われる表現の英語版、実際にあなたのサイトでもそのまま使える「英語表現素材」を取り上げてみることにしました。



今日の素材:「サムネイルをクリックしてください」


1. Click thumbnails to view images in full size.
サムネイルをクリックしてフルサイズの画像をご覧下さい。

2. Click titles to view images.
題名をクリックして画像をご覧下さい。

3. Click thumbnails to view original, full-coloured versions.
サムネイルをクリックしてオリジナルの彩色版をご覧下さい。

4. Click to enlarge.
クリックして(画像を)拡大してください。

5. Click to proceed.
クリックして次に進んでください。

6. Click (on) the map for details.
地図をクリックして詳しい情報をどうぞ。

7. Click (on) highlighted parts in the text.
文中のハイライト部分をクリックしてください。




基本的なメニューからのリンクだけでなく、テキストの中のある箇所や画像などにリンクを張って、そこをクリックして新しいページや特定の部分を画面に呼び出す設定をすることで、ウェブサイトはより拡がりのある、ユニークなものになります。今回はそういう場合の表現をいくつか取り上げてみました。

1は絵や写真などを載せているサイトでよく見られる、サムネイル(thumbnail)に関する記述。この単語はもともとの意味「親指(thumb)の爪(nail)」から派生してごく小さいもの、小さい肖像というような意味に使われますが、インターネットでは画像のリスト代わりにその一部や縮小したものをリンクボタンとして使ったものを指します。大きくて読み込み時間のかかる画像を最初から全部見せようとするよりも、この方法の方が画面の読み込みも早く、訪問者が好きな画像を選んで閲覧することができます。to view images in full sizeの部分はto view full size(d) imagesと言い換えても構いません。2はサムネイルではなく、画像のタイトルなどをリンクさせる場合。 3は、サムネイルを白黒や単色にしてある場合、元の画像は色がついていますよ、ということも一緒に知らせるもの。4はさらに簡潔に、サムネイルのすぐ上や下、またはサムネイルだけがずらっと並んでいるページなどに添える表現です。

5はあるページからさらに詳しい記事や情報が載っている次のセクションに進ませたい場合などに、矢印などのアイコン画像に添えられる表現です。この逆の「クリックして戻って下さい」はClick to return.となります。6は地図や写真の画像を載せたときに、その場所の詳しい情報などを記したページに進ませたい場合。JavaScriptなどを使用して一枚の地図の中に複数のリンクをさせて、それぞれの場所の説明を記したページに導く場合はClick (on) town names for more information. (町の名前をクリックして詳しい情報をどうぞ)などと使います。最後の7は文章などの一部を別のページにリンクさせて、それが分るようにリンクしている部分の文字色を変えたりした場合。highlightは色を明るくする、強調するという意味があるので、例えば真っ先に見て欲しい最新の絵や画像を目立たせるためにボーダーで囲んだりするのもhighlightです。サムネイルなどにこういう効果を使った場合簡単にNew!などと添える他にもHighlighted work(s) is/are the latest.(ハイライトになっているのは最新の作品です)などと書いておいてもいいでしょう。





30/9/2001




「リンクはご自由にどうぞ」


Feel free to link to this site.
このサイトへのリンクはご自由にどうぞ。

Please let me know when you have linked to this site.
このサイトにリンクされた場合はお知らせ下さい。

I will be grateful if you can let me know that you have provided a link to this site.
リンクされたことをお知らせいただければありがたいです。

If you wish to link to this site please link to the address http://abc-xyz.
リンクご希望の場合はhttp://abc-xyzのアドレスにお願いします。

If you would like to link to this site please link to http://abc-xyz, do not link directly to any other page.
このサイトにリンクなさりたい場合はhttp://abc-xyzにお願いします、その他のページに直接リンクを張らないでください。

You may use this / one of these link button(s) to link to this site.
リンクを張られる際この/このうちどれかのリンクボタン(バナー)をお使いいただいて結構です。


他のサイト管理者が自分のサイトを気に入って「リンクさせてください」と言ってくれるのは嬉しいことだし、もっと多くの人にサイトを知ってもらうチャンスでもあります。これが外国からの訪問者だった場合、その新しいリンク先のおかげでさらに外国の人との交流が進むかも知れません。これは国境のないインターネットの世界ならではの可能性です。今回はやはりどこのサイトでも見られるリンクに関する表現をいくつか取り上げてみました。

さて、これもどこでも見られる表現This site is link free. じゃダメなの?と思われるでしょうか。残念ながらこれも和製英語なのです。少なくとも英語を母国語としている国のサイトでは見た記憶がありませんが、This site is Japanese only.と同じくあまりにも広まってしまっているため、英語がかなり流暢に使われているサイトでさえ少なからず見られます。Link (to this site) freely.であれば問題ないのですが、こちらが動詞(link)+副詞(freely)なのに対してlink freeになると名詞+形容詞となり、同じルーツの語であっても微妙に意味が変わります。freeも副詞の意味で使われることもありますが、link freeと書かれた場合、特にThis site is link free.と書かれた場合は文法的に名詞+形容詞であることは疑いようがありません。この場合のfreeは「自由な、...の束縛のない」という意味になります。最近日本でも商品のうたい文句などによく使われるオイル・フリー、シュガー・フリーなどの言葉を思い出してみてください。これは各製品に油や砂糖が入っていないということです。つまりlink freeは「リンクに束縛されていない」ということになり、「このサイトはどこにもリンクしていませんよ」と宣言していると取られかねないのです。またウェブサイトでfreeといえば「ただで」という意味あいで使われることも多いので、これで解釈されると「このサイトにはただでリンクできます」とどちらにしても妙なことに。

実際問題として、そう取られたとしてもその文のすぐ下にリンクボタンやアドレスがあったりリンクページが存在するのを見れば、矛盾に気づいて=link freelyの意味か、と大体は察してもらえるかとは思いますが、リンクのセクションが一見はっきり分らないレイアウト(日本語でしか書かれていなかったりセクション分けが複雑だったり)でトップページにThis site is link free.とだけ書かれていたら誤解されたままになってしまって、せっかく海外サイトからリンクしてもらえたかも知れないチャンスがふいになってしまう可能性も無きにしも非ずです。「リンクはご自由に」は上記一番目のようにfeel free to linkと書けばOKです。また海外サイトではよりカジュアルにLink to me! (わたし(のサイト)にリンクしてね!)などと書かれていることも多いようです。短いほうがいいならLinks welcome. (リンク歓迎)またはLink offers welcome.(リンク申し込み歓迎)などでもいいかも知れません。

二番目、三番目の文はどちらも「リンクしたらご報告下さい」という内容ですが、後のほうは必ずしもしなくてもいいけど教えてもらえれば嬉しい、というニュアンスが入っています。その次の二つの文は「リンクの際はこのアドレスに」という内容。海外の場合、コンテンツが多岐に渡っているサイトだとその中の自分の興味のあるセクションに直にリンクしたりすることもわりとあるので、ちゃんとインデックスやトップページにリンクしてほしいと明記したいときは後の文を使うといいでしょう。
最後はリンクページなどに使うバナーはこれをどうぞ、というもの。前回の記事でも書いたように日本で「バナー(旗)」と呼ばれるリンク用画像は英語ではもっと直接的にlink buttonと呼ばれることが多いですが、bannerという単語が全く使われないわけではないようです。文章のすぐ後に実際の画像を置くのが普通ですから、bannerと書いても=link buttonとすぐ分かってもらえると思うので、使いやすいほうでいいでしょう。

やはりよく見られる表現で「相互リンクしましょう」というものがありますが、海外サイトの場合相手サイトの主旨がはっきり分りにくいことなどもあるので、最初から相互リンクを宣言してしまうと自分のところとは全く違った主旨のサイトから「リンクしたのでそちらからもしてください」と言われて困ったことになる可能性も否定できないと考えて、あえて載せませんでした。「主旨が違うので」とこちらからのリンクを断わろうとしても無条件に相互リンクします、と明記してしまった以上話が違う、と反論されることも考えられますし(こういう場合やはり海外の人は主張が強いですし、一度文章として書かれたものは立派な論拠になります)、誤解を与える可能性のある文面は避けたほうが無難です。海外サイトを見渡した限りではそのような表現が明記してあるところはほとんどないようです。でもやはり一応知っておきたい、という場合はお問い合わせ下さい。

24/3/2001





「このサイトの記事は○○に著作権があります」


All articles / pictures / images on this site are copyrighted by xx.

このサイト上の全ての記事/写真/画像の著作権はxxにあります。

Do not use any image on this site without permission by xx.
このサイトの画像をxx(管理者)の許可なしに使用しないでください。

The designs on this page can be used only on personal or non-profit sites.
このページの図案は個人または非営利サイトにおいてのみ使用できます。

If you wish to use any of these designs for commercial purpose please contact me.
これらの図案を商業目的に使用されたい場合は、私にご連絡ください。


たくさんの人にサイトを見てもらうのは嬉しいことですが、中には記事や画像を無断で持ち去って自分のサイトなどで使ったりという人もいるのも事実。たとえ悪意があってしたわけではない場合でも、自分が一生懸命に作ったものがそのまま他サイトに簡単に転用されているのを知ったら、誰でもいい気分ではないでしょう。インターネット上の著作権に関する法律はまだまだ整備されていないこと、特に日本では著作権というものに関する認識自体がいまだ薄いこともあって、こういう問題が一度起こってしまうとなかなか気持ちよく決着というわけにはいかないようです。でもウェブサイトを開いている以上、その可能性は常に存在します。100%防ぐ方法はないにしても、転ばぬ先の杖、少なくともわたしは自分のサイトを守る意志がありますよ、と明示するのは効果があります。またはっきり具体的に書くことで、悪意はなくても考えなしに記事や画像をコピーして色々な目的に使ったりする人に対して注意を促すことにもなると思います。

一般的にもっともよく使われるのは、ページの下部などにcopyright 2001 xx(著作権の帰属するサイト名または管理者の名前など) all rights reserved などと記入するものです。このall rights reserved は =all rights are reserved by xx、「このサイトの内容に関する全ての権利を(私が)所有しています」という意味なので、rightは複数形になります。主なページにこの文句を入れておけばとりあえず記事の内容全般に関する著作権を主張しているということになりますが、もっとはっきりさせたい場合、上のいくつかの例にある文章をある程度目立つ場所に入れておくといいでしょう。
無断でコンテンツを使われる例は画像や絵を載せているサイトで特に多いようなので、例文も画像関係のものをいくつか挙げてみました。1つ目の文は一般的なもので、要するに上記...all rights reserved の一文を具体的に述べているもの。picture という語は写真にも絵にも使えますが、image は写真、絵、その他素材などいわゆる画像全般に使えます。3つ目と4つ目の文は壁紙やボタンなどウェブサイト用の素材を扱っているサイトで使える表現。ちなみに英語で「素材」はclipart がもっとも一般的なようです。日本でバナー(banner、「旗」の意味)と呼ばれているリンク用画像もlink button などと呼ばれています。

日本語であれ英語であれこれらの表現を使ってあなたの著作権を主張する前に、自分が守ろうとしているものは本当に100%オリジナルと胸を張って言えるものかな?ということももう一度考えてみてください。自分で書いた記事、自分で作ったページであっても、他のサイトやその他の出版物・資料、記事などを大きく参考にしたり引用したりした場合は、その出典や拠り所を明記するのは一サイトの管理者としての責任でもあり、それぞれの原典・資料を作った人の著作権を尊重することでもあります。さまざまな情報を活用しつつ独自のサイトを作っていくことにこそ意味があるのだし、どういう経緯でその知識を得たかを記すのは記事を読んでくれた人にさらに多くの情報を提供することにもなり、結果として管理者の真摯な姿勢を示すものだと思いますよ。


17/3/2001





「このページの記事は日本語で書かれています」


Contents / Articles of/on this homepage are written in Japanese.

このホームページの内容/記事は日本語で書かれています。

All contents on this site are in Japanese.
このサイトの内容は全て日本語で書かれています。

Contents on this site are mainly written in Japanese.
このサイトの内容は主に日本語で書かれています。

For English information click here.
英語の情報についてはここをクリックしてください。("here" の部分を直接リンクさせる場合)


ほとんどの日本語サイトに見られる、「このサイトは日本語で書かれています」という表現です。え、This site is Japanese only じゃダメなの?と思われる方も多いのではないでしょうか。もはや決まり文句のようになっていて、おそらくあまり深く考えずに使われているこの表現、一体誰が最初に使ったのか分かりませんが、結論から言うとこれはいわゆる「和製英語」です。実際に日本に生活したり、日本人と交流する外国人がどんどん増えてきていることを考えると、日本人が英語でおかしやすい間違いをある程度知っている人ならこれでも大体言いたいことを汲み取ってくれるかも知れません。けれども全く日本のことを知らず、ホームページも見たことがない人が何かの偶然で初めて日本サイトを見た場合、This site is Japanese only. を「日本だけ」と解釈してくれるかどうかはかなり疑問です。もちろんJapanese には「日本語」という意味はありますが、状況的に言語の話をしていることが明らかに分る場合以外は("in Japanese" と書かない限り)「日本のみ」つまり日本人以外は閲覧お断り、という意味に取られかねない、むしろその可能性が高いと言えます。
このような注意書きのある日本のサイトを閲覧していてしばしば目に留まるのが、真っ先に「日本語しか使っていません」と宣言している割にはメニューや説明のあちこちに英語が使われているもの。それだけ書いてあるならそもそも『日本語だけです』と断わる必要も感じないし、これではますます「一応便宜的に英語の説明もあるけど日本人以外は入らないでね」と言っているかのように見えてしまいます。

全ての内容を英語にするほどの余裕はないけれども、外国の人にも自分のサイトを見てほしい(上のような例の大部分はおそらくそういうケースなのだろうと推測するのですが?)、という場合は少しだけでも英文の説明を添えるのは効果的です。トップページの目立つところに上記4番目のような文章を入れて、自分のサイトの主旨や方向性を簡潔な英語で説明するページにリンクさせるのもいいかも知れません。3番目の文章を先に書くともともとこのサイトは日本語で書かれている、ということがはっきりします。

当たり前に思えて意外と認識されていないようなのが、日本製のPCあるいは日本語が読めるソフトを使っているPCで閲覧していない限り、外国のPCの画面上には(画像に含まれているものを除いて)全ての日本語は読み取られないということです。当然日本の「文字化け」のように難解な漢字に変換されることもあり得ないので、画面上は全く意味のない数字や記号の羅列になり、どこの国の言語か全く分らない状態になります。逆に言えば、無意味な記号だらけの画面の中に一行でも英文があるとかなり目立ちます。特に英語を母国語/第2言語にする人の場合その部分に目が引き付けられます。トップページを開いたら記号の羅列でどんなサイトなのか分らない、なーんだ、と立ち去ろうとしたときにふと一行だけ英文が目に入れば、とりあえず見てみようかと思うのは人情。英語テキストまたはボタンなどの画像で「ここに英語の説明がありますよ」と明示するのはかなり効果があるはずです。
もうひとつ見過ごされているようなのが、外国には「全角」という概念はないと言うこと。ときどき大きく書いて目立たせるためか英文の説明が全角英語で書かれているサイトを目にしますが、これも他の日本語と同様、日本国外のPCの画面上では全て文字化けしてしまうため、英語で書いた意味が全くなくなってしまいます。全角モードで打った記号なども同様。英語の説明文を入れるときには必ず半角英数字で書いてください。


21/2/2001


今後もこのページで、他の記事と交互に「ウェブ英文素材」を取り上げていきたいと考えています。ここに載せた英文はそのまま使えると思うので、ご自分のサイト上で使ってくださってもちろん構いません。この項目に限ってコピーライト・フリーとします(ここにあるようなごく一般的な短文に著作権があるとすればの話ですが、主旨は分かって頂けるかと。ただしもちろん対象となるのは実際に使われる英文のみで、解説の日本文については通常通り当サイトの著作権を主張します)「こういう表現は何というのか」「なぜこの表現ではいけないのか」などのご質問がありましたらぜひメイルや掲示板などでどうぞ。


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