石 燈 籠 類

 

飛鳥時代になって、仏教が伝来しその後の隆盛とともに仏像・献灯用具としての燈籠、供養としての石塔など石造品が数多くつくられ、桃山時代になり茶道の祖千利休をはじめ茶人の人々によってこれらの石造品が茶庭に持ち込まれるようになってきた。
 江戸時代になるとこれらの石造品が大小の庭園に用いられるようになってきた。このように一般に普及してくると古くからの石造品では足らなくなり、古い由緒ある石造品を模倣したり、新しいものを考案したりして現在に至っています。 

参 考

石燈籠を見てその時代を識別するのは大変難しい。幸いにも関西(京都・奈良)には名品が数多くあるので出きるだけ多く、昔の時代につくられた名品を見て自然とわかるような勘に似た力を養うことが大切である。
  古い石灯籠とは・・・石造美術愛好者は、おそらく室町時代以前を古いものと称し、桃山・江戸時代のものは新しいと称するが、近年においては江戸時代(初期)の作品も古いものとして取引されつつある。

 
燈籠の構成について

 燈籠には様々な形をしたものがあり、中にはこれが燈籠かと言うようなものもあります。そこで、形は問わず”火を入れる部分があるもの”を燈籠とし、形は燈籠に似ていても火を入れる部分がないものを燈籠とはいわないこととし、社寺献灯型もしくは春日燈籠を標準型とし基本型とします。  基本型の燈籠は、下から基礎・竿・中台・火袋・宝珠の6個別々の石で構成されています。各部の説明は、左図の見たい部分を”押して”ください
  「左図:加島書店 上原敬二著 ガーデンシリーズ 石燈籠・層塔より」

燈籠の分類



基本型 四角型 御間形・西ノ屋形・神前形
六角型 般若寺形・祓戸形・奥ノ院形・(春日形)
八角型 当麻寺形・柚ノ木形
特殊型 三角燈籠・円形燈籠・勧修寺形・妙山寺形
変化型 生込型 円形・八角形・六角形・四角形・織部形
脚付型 蘭渓形・琴柱形・雪見形
層塔型 三重形・五重形
置燈籠型 三光形・岬形・草屋形
特殊型 袖形・道しるべ形・寄せ燈籠
山燈籠
朝鮮燈籠


燈籠の石質
硬質の石にはサビがのり、軟質の石にはコケがのってくる、当然、硬質の石材で出来ている燈籠が良品とされる。古書によると奈良石・丹波石・白川石・近江の木戸石と記されているが、近年、京都で造られる商品としては奈良石は別格として、太閤石(白川石系)・丹波石・能勢黒御影石・白川石・北木島石・白石島錆石・恵那石という順で評価されているが、燈籠の形(種類)によって使われる素材の石質も選ばれて造られている。 
 

石燈籠の商品を御紹介

四角石燈籠 六角石燈籠 八角石燈籠 基本型特殊型
生込型石燈籠 脚付型石燈籠 置 燈 籠 変化型特殊型
朝鮮型石燈籠