リーフの崖下、水深35mに小さな口を開ける海底鍾乳洞。最深部は40mを超え、一万年近く前に沈んだといわれる。この時洞窟内での生活を選び、長年にわたって暗闇にあわせた進化している特殊な生物も見られる。 |
入り口から30mも入ると鍾乳洞を実感できる。右は洞窟壁下部のうろこ状のフローストーン?
入り口付近にはアカマツカサなど普通の洞窟性の生き物が見える。
30mほど入ると殆ど真っ暗になり、壁に張り付くオオベッコウガキやカイメン
軟らかそうで堅い底にはテナガエビの仲間・サザナミショウグンエビや虫の姿がちらほら。
さらに奥に入ると新属新種のワタリガニの仲間や新種のオウギガニの小さな赤い甲羅が
ライトに光り、生き物好きには時間を忘れる瞬間でもある。
現在まで鍾乳洞内で30種近くが確認され、2新種のカニも2002,2003に新種記載され和名が付く。
洞窟の暗闇に棲む独特の住民をいくつか紹介する。
01 :
ワタリガニ科の新属新種 「クメジマドウクツガザミ」 02 : オオベッコウガキ:サンゴガキの仲間:ヒメエダウミウシ 03 : サビクダリボウズギスモドキ:ウナギ?:ギボシムシの仲間? 04 : 新種の「クラヤミヒラオウギガニ」:リュウグウモエビ:ハチジョウクラヤミカクレエビ 05 : |
2002‐11
第1回 水温計測結果 ( 2001.5.16 〜 2002.5.15 )
ロガー No. | 最高水温 ℃ | 最低水温 ℃ | 年間平均水温 ℃ |
No. 1 入り口外 水深‐33m |
30.3 2001-7-24 |
20.2 2002-2-11 |
24.59 |
No. 2 入口より30m 水深‐35m |
25.9 2001-10-18 |
20.5 2001-9-13 |
- |
No. 3 入口より60m 水深‐40m |
24.4 2001-7-5, 10-17 |
20.2 2002-3-7 |
22.20 |
No. 4 100m ドーム天井 |
25.2 2001-11-2 |
23.6 2002-4-6 |
24.51 |
No. 5 入口より160m 水深‐35m |
24.8 2001-10-17 |
20.5 2002-2-10 |
22.99 |
No.2は途中電池切れで2002年1月まで計測
2002‐8月データロガーを鍾乳洞より取りだし1年間の温度データを引き出した。このような深場での水温データは非常に稀だと思うので、結果を概略紹介する。 考察 これらのことから、付近のクレバスや岩の隙間の海水はさらに替わり難く、陸近くではさらに真水の流入もあり汽水域の部分があることも考えられ、このような場所に棲む生き物たちの生態に大きく影響しているものと思われる。 8月のデータロガー搬出時には、入り口より80mくらい入った壁底にアシロの仲間を見つけた。種類は特定できないがアシロの仲間は深いところに棲む種が多く、はじめて目にする魚であった。色模様からシオイタチウオでは思われる。 9月には2回目の温度データロガーをほとんど同じ場所5箇所に設置した。そろそろ生き物データも少しまとめる必要がある。 |