きつつき工房だより(top) > 安曇野の四季 > 春
![]() |
菜の花畑から見る安曇野 |
湿った大雪が降ると安曇野も春が近いしるしです。
3月から4月のはじめ、太平洋岸を低気圧が通過するとき、東海・関東では雨でも、北アルプスの山麓では雪となるのです。
この雪が湿っていて、その重さで工房の庭の赤松が何本も倒れたことがあります。
![]() |
![]() |
春を告げるスミレ |
林床に咲くチゴユリ |
そんな雪の後、急速に気温が上がって、花がいっせいに咲きだし、裸の木が芽吹きはじめる日があります。
まだ草木の茂らない明るい雑木林の林床でフクジュソウ、アズマイチゲ、オキナグサ、カタクリ、ヒトリシズカ、ハルリンドウなど早春の花が開きます。
これらの花は、他の草が茂る前にいち早く伸びて日の光を受けて咲き、他の草が伸びるときには静かに身を引くように土の中で眠ってしまいます。
![]() | |
ミズバショウ | |
![]() |
![]() |
ザゼンソウ | アズマイチゲ |
安曇野の春の楽しみは、こうした花を訪ねること。
少し足をのばして、大町方面、仁科3湖のひとつ木崎湖のそばの入里谷湿原を訪ねました。
ミズバショウ、ザセンゾウ、リュウキンカとおなじみの湿原の花と一緒に、山道の脇ではアズマイチゲが可憐に咲いていました。
![]() |
明治時代の蚕蔵 |
三郷の小倉地区には珍しい建物があります。明治時代につくられた蚕蔵です。
繭はよく乾燥させるほどいい絹がとれるそうで、乾燥のために窓がいっぱいの蔵です。市松模様のように空けられた窓が不思議にモダンな感じがします。
![]() |
田んぼに映る残雪の北アルプス |
4月から5月にかけて、北アルプスは豊富な残雪を光らせて、1年中で一番きれいな季節です。
工房に近い蝶が岳、常念岳は雪の白と岩肌の蒼黒がまだら模様ですが、北に行くにしたがって白い部分が増え、鹿島槍が岳、白馬岳はまだ真っ白です。
![]() |
![]() |
道端で輝く小さな金色はキンポウゲの花 |
透きとおる羽がきれいなウスバシロチョウ |
5月に入ると田植えの季節。
私たちは週末に安曇野に通ってきますが、地元の方は(ほとんど兼業で平日はお勤めなのでしょう)週末ごとに田んぼで働いています。忙しそうな姿を見ると、ちょっと申し訳ない気分。
このころの、水の張られた水田に残雪の北アルプスが映る景色は、なんともいえないすがすがしさです。