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「正しい正坐」のすすめ

― 身体感覚を高める ―

野口整体 気・自然健康保持会

主宰 金井省蒼

  

《その5》

 

5-1「正しい正坐」のすすめ

MOKU2007年5月号原稿
「正しい正坐のすすめ」V3 より

  

 食事や勉強、パソコン作業などいろんな場面で取り入れて頂きたい正坐ですが、慣れるまではまず「坐る」ことのみに「集注する」ことが良いと思います。正坐をし、目を閉じてゆっくり呼吸をし、心を鎮めてみましょう。

 最初は、落ち着かなさを感じたり、どこかに痛みを感じたりするものですが、耳を澄ますように、足の先まで感じ取ってみてください。

 身体の内側に感覚を向けると、自分の心の中に行き当たります。腹が立ったことなど、心に引っかかっている出来事があったら、ありのままに思い出してみてください。浮かんできたものを無理に振り払おうとするのではなく、静かに眺めることが良いのです。

 坐す時間は長くなくとも、わずか五分でも「密度ある時間」であることに気がつくと思います。毎日積み重ねてみてください。気が集まると時間が長く感じられるものです。

  

 当会では、踵を坐骨の前におく形での正坐を、特に「正しい正坐」と呼んで、心に静けさをもたらすための「型」として勧めており、この体感は、若い世代にとっては新鮮な感覚として受け取られています。

 そして「正しい正坐」を身につけることで「身体感覚」が向上し、自分の心と体に対する気付きが深まっていきます。これは、健康への道筋となるばかりでなく、生涯を通じて精神的成長の支えとなるのです。

  

  

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