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トップページ> > 『麦ふみクーツェ』
麦ふみクーツェ
いしいしんじ
映画『マグノリア』のラスト、
観客全員の度肝を抜き、"なんじゃこりゃ?"と
首を傾げさせた(あるいは憤慨した人もいるでしょう)
あのシーンがあります。
(くわしく説明するとマズいので
興味のある方はぜひ実物をご覧ください。)

あれはなんでああなんだろう?

というのが、長年のギモンだったのですが、
今回この本を読んで、ナゾが解けました!
(もしこれが本当なのだとしたら、の話だけど)

はっはぁ〜ん、そういうことだったのか。
ふむふむ、まぁ、そういうこともありうるのかもしれんな!
あのシチュエーションも、それをふまえて見ると
さらに納得できるような気もするわ。
(くわしく説明するとマズいので
興味のある方はぜひ実物をお読みください。)

なんだか歯切れの悪い文章で、すいません…。

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さて、本題に入りましょうか。
この本は、"他人とはどこか違う"変わった人たちの織りなす
「フツーの生活」について、温かな視線で描かれた作品です。
主人公の少年は、生まれながらの長身で
それがコンプレックスの根っこになっています。
少年は、自分なりのリズムで、自分なりの考え方で
いっしょうけんめい生きていました。
(まるで『雨鱒の川』の主人公のよう)
ある日出会ったのが、麦ふみクーツェ。

トン、タタン、トン

足踏みをするだけの小人です。
このクーツェは、はたして現実なのか空想なのか?
読んでる途中には、あまりよくわかりませんでした。
その他にも、「あれ?どっちだろ??」と
現実と空想のはざ間を行き来するようなお話が
満載なんですが、バラバラだったパズルは
結末に向かって確実に並べ進められていくのです。

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オレも、主人公の少年ほどではありませんが、
自分のことを「変わってる」と思うところが多々あります。
変わってる、人と違ってることって、
それだけでもなんかイヤで
落ち着かない不安な気分になるときもあります。
でも、少年は、いろんな人々との出会いを通じて
「人と違う」ことへの対処法を学んでいくのです。
すご〜くゆっくりしてたけど
すご〜くベンキョーになりました。

この本の中のいろんなエピソードは
幸せなものもあれば、悲しい出来事もあります。
でも、オレはこの少年の姿を想像するだけで
こう、なんて言うか、背中を優しく後押しされているような
そんな前向きな力を感じました。
posted on 2004.05.20
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