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トップページ> > 『イン・ザ・プール』
イン・ザ・プール
奥田英朗
本の帯には「新・爆笑小説」と書かれていますが、
ほんと、おかしな本ですよ、マジで。

「伊良部総合病院」が、物語の舞台です。
その大きな病院の中の地下にある「神経科」で
主治医を務めるのが
この「おかしさ」の元凶、伊良部一郎博士。
このオッサン、オレのイメージでは、
阪神の伊良部をもっとブクブクに太らせて、
文化系のナヨナヨにした感じです。
このヘンタイ医師のもとに偶然来てしまった患者たちの
キテレツな診察過程を経て治っていく姿が
収められています。

あるエピソードで、
「ケータイを持ち歩いていないとケイレンが起きる」という
高校生の少年が出てきます。
一日に百通ほどのメールを打ち、常に誰かと連絡を取り、
友達の輪の中に参加していないと
疎外感に押し潰されてしまいそうになる、
ということがわかってくるのですが、
ある診察の日、彼は、神経科の看護婦
(この人もフツーじゃない)に、こう断言されます。

「あんた、実はネクラでしょ?」

もちろん、これは本の中のセリフで
オレに向けられたものではないわけですが(当たり前)、
読んでてドキッとした!
なんかすっげぇ衝撃的でしたね。

あぁぁ〜、オレもネクラなのかもなぁ〜。

って思った。
今さら気づきましたよ…。

その他のエピソードとしては、

・内臓が学級崩壊しちゃったオヤジ
・オチンチンが勃ちっぱなしになっちゃったオトコ
・私は絶世の美女なの!と勘違いしてしまっている
 コンパニオンのオンナ
・外出するとき、部屋の火の始末が気になって気になって
 仕事が手につかなくなってしまったオッサン

どいつもこいつも、笑えるんだけど
我が身にあてはめてみると、笑えないぞ…みたいな
絶妙な物語ばかりです。
posted on 2004.06.03
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