My mountaineering record
トップ 山あるき 山の花 山の用具 雑記帳

No.98 蛭ヶ岳
今年の初歩きは蛭ヶ岳(1673m)です。今回は、秦野の駅からタクシーで塩水橋まで行き、ここから丹沢山を経由して蛭ヶ岳山荘に一泊して翌日青根に下りました。天気はまあまあでしたが、少々きつい山行でした。

日時 2008年(平成20年)1月6日(日)〜7日(月)
天候 1月6日 晴
    1月7日 薄曇
同行 なし

1月6日 所要時間
塩水橋(7.40) ←35分→ (8.15)天王寺尾根登り口(8.20) ←3時間→ (11.20)1129mのピーク(11.20) ←30分→ (11.50)昼食(12.20) ←15分→ (12.35)堂平分岐(12.35) ←15分→ (12.50)ガレ場(12.50) ←45分→ (13.35)丹沢山(13.45) ←1時間10分→ (14.55)不動峰(14.55) ←35分→ (15.30)鬼ヶ岩(15.30) ←45分→ (16.15)蛭ヶ岳山荘
1月7日 所要時間
蛭ヶ岳山荘(7.05) ←1時間30分→ (8.15)原小屋平(8.15) ←50分→ (8.40)姫次(8.55) ←10分→ (9.15)青根分岐(9.15) ←10分→ (10.30)林道(10.35) ←30分→ (11.00)東野バス停

山行概要
1月6日

不動ノ峰
不動ノ峰
丹沢山の方から見る不動ノ峰はボリューム感たっぷりの見事な山容で、私はこの眺めが大好きである
我家を朝5時前に出て、小田急線の秦野駅には6時40分頃着きました。駅前の店屋で朝食を取ろうと思って出て来たのですが、休日のためか、開いている店屋はありません。駅の中にあるコンビニで朝食用に肉まんを買い、タクシーに乗りました。タクシーに乗って秦野の駅を出ると、タクシーの運転手から「素晴らしい日の出ですよ」と言われ、後ろを振り返ると真っ赤な太陽が昇り始めています。上空は雲ひとつなく、今日は晴天が期待できそうです。タクシーの中で朝食の肉まんを食べ、身支度をし、一息入れたところで塩水橋に着きました。秦野の駅から40分ほどで、料金は7550円です。
これまで、塩水橋から丹沢山へは何回か登っていますが、殆どは堂平経由で、天王寺尾根は5年前の山行以降、歩いていません。今回は久しぶりに天王寺尾根を登るつもりです。塩水橋のゲートをくぐり、林道へ入るとすぐ右手に瀬戸橋が現れますが、今日はこの橋を渡らず直進しました。やがて前方に長尾尾根へ渡るつり橋が目に入り、その手前に天王寺尾根の登り口が現れました。
ここから天王寺尾根の稜線まで急坂が続きます。急坂を10分ほど歩くと、登山道にも朝日が射すようになり、軽やかな気持ちになります。稜線には意外に早く着くことができました。ここで一息入れましたが、今日は調子がよいのかなと思い、休みもそこそこにroutemap2歩き始めました。しかし、ここからがいけません。いつもの30分に1回の休憩がすぐ続けられなくなり、そのうち10分歩いて10分休み、休んでも立っていると気が遠くなるような気分になり、腰をおろさざるを得なくなりました。「今日は蛭ヶ岳まで行けないかもしれない。さてどうしよう。」などと後ろ向きのことを考えながら、962mのピークを通過しました。ここからは、それまでより登りが緩やかになり一息つけるような感じになります。意識的に歩く速度も遅らせ、これをしばらく続けると、少しずついつものペースで歩けるようになってきました。
1129mのピークを過ぎ、堂平分岐までの登りの途中で、12時近くになり、昼食にしました。いつものように湯を沸かしてカップラーメンを作ります。あまり食が進みませんでしたが、食べないと今度はシャリバテを起こしかねません。薬の積りで無理やり口の中に押し込みました。

昼食の後は、ほぼいつものペースで歩けるようになり、堂平分岐ガレ場と過ぎ、丹沢山には予定よりだいぶ遅れて着きました。それでも、昨年より1時間ほど早く着くことが出来、ホッとしました。今回は明るいうちに蛭ヶ岳山荘に着けそうです。丹沢山で一息入れ、蛭ヶ岳を目指します。昨年より早いとは言え、できたら小屋には4時前に着きたかったので先を急ぎました。急いでは見たものの写真をだいぶ撮りましたので、結局蛭ヶ岳山荘には午後4時を過ぎて着きました。受付を済ませ、自分居場所に行き、一息ついて汗でぬれた下着を着替えました。ベストは汗でびしょ濡れで、下着も結構濡れていました。
最近、山小屋の夕食は食が進まないことが多いので、今回は夕食なしで宿泊の予約をしておきましたが、正解でした。夕食は、春雨入りのスープとインスタントの甘酒を作って食べるのが精一杯で、持参したアルファ米やカップラーメンを食べる気にはなりませんでした。
今夜の宿泊客は私を入れて3人でしたが、私以外は40才台と30才台で、消灯の8時近くまで、カメラ談義に花が咲きました。私の苦手の百名山がらみの話が出なかったので、最後まで話の輪の中に入ることが出来ました。


1月7日
朝食は午前6時なので、5時45分に起床しました。湯を沸かしてホットレモンを作り、魔法瓶に詰めたところで、ちょうど朝食になりました。昨日は秦野で素晴らしい日の出を見たのですが、今日は上空に雲がかかり、日の出は見られません。朝食後、ザックのパッキンをし、小屋番と少し雑談をして小屋を出ました。同宿した二人の登山者のうちの一人は私と同じ青根に下るとのことでしたが、私より少し早く出発しました。富士山は見えますが、上空には雲があり、日は射していません。少し強い風が吹いています。頂上付近は昨年暮れに降った雪が凍って残っており、簡易アイゼンを付けて歩き始めました
ルートマップこれからしばらくは昨年歩いているので、気は楽です。頂上直下のベンチを過ぎ、木道が終わったところでアイゼンを外しました。原小屋平を素通りして姫次で休憩をし、姫次から少し下ったところで青根へ下る道に入りました。蛭ヶ岳山荘の小屋番に聞いたところ、こちらが尾根ルート、この先の黍殻避難小屋の所から下る方が谷ルートで、時間的にはどちらを下っても大して変わらないとのことです。

ここで、私はとんだチョンボをしたことに気がつきました。水を飲もうと思ってプラティパスのドリンキングチューブを吸ったのですが、水が出てきません。チューブが折れて水が出ないのかと、ザックをおろしてみると、なんとプラティパスに水が入っていません。キャップの閉め方が悪く、水は全部ザックの中にこぼれてしまったようです。少し前、姫次でザックを背負った時、ザックを置いていたベンチが濡れていたのを思い出しました。その時も変だなと思ったのですが、汗でザックがぬれたのだろうと思い、水漏れに思いが及びませんでした。今更悔やんでも仕方がありません。魔法瓶のホットレモンが残っていると自分に言い聞かせ、ザックを背負いなおしました。
青根へ下る分岐へ入ると最初は笹薮の中を歩きますが、すぐにカラマツと松が混在する樹林帯の中に入ります。急坂が続きますが道は荒れておらず、比較的歩きやすい道が続きます。やがて左側に古い休憩用のベンチが現れ、植林帯の中に入りますが、すぐに落葉樹林に変わり、相変わらず急坂が断続的に現れます。似たような道がずっと続き、やがて青根の集落が時折見えるようになり、もうそろそろ林道と思われだした頃、杉の植林帯の中に入り、10分も歩かないうちに林道に出ました
林道に出て、残ったホットレモンでのどを潤し、林道を下りました。林道歩きの途中で、後ろから来た昨晩蛭ヶ岳山荘で同宿の登山者の車に拾ってもらい、東野のバス停の前まで同乗させてもらいました。バス停の前の食堂で昼食代わりのラーメンを食べ、食べ終わるとバスが来ました。
11時40分発のやまなみ温泉行きのバスを利用して、中央線の藤野駅経由で帰宅しましたが、接続が順調で午後2時30分に自宅に着きました。


昨年のほぼ同じ時期に、ヤビツ峠から蛭ヶ岳に登りましたが、蛭ヶ岳山荘には日が落ちた5時過ぎに到着したので、今年は距離が短く標高差の小さい塩水橋から登りました。塩水橋から丹沢山へはこれまで3回登っていますが、最短で4時間弱最長で4時間30分です。このような実績から、出かける前は塩水橋から丹沢山まで4時間30分と考えていたのですが、前述のように今回はブレーキを起こしてしまい、昼食休憩の時間を除いても、塩水橋から丹沢山まで5時間半ほどかかりました。結局今回も1日目は歩くのが精一杯で、余裕のない山行になりました。

国土地理院の地形図では、青根へ下る尾根ルートは丹沢主脈から青根方向へ派生している尾根の途中から谷ルートへ下っていますが、実際とは異なっています。現在は尾根のほぼ先端部まで稜線の上を歩き、標高578mの表記部付近で林道に合流します。このルートは林道登山口から主脈まで標高差が約750mあり、全般的にきつい登りが多いのですが、薄暗い樹林帯が殆どなく、また道も荒れていないので、比較的歩きやすい登山道です。勿論、表尾根のような泥田道もありません。

1月6日
塩水橋 塩水橋
手前の道路は県道70号線
丹沢山へは写真左のゲートをくぐり、林道を進む
写真手前に駐車スペースがある
この日は車が2台止まっていた
瀬戸橋 瀬戸橋付近の導標瀬戸橋
林道へ入るとすぐ進行方向右手に現れる
瀬戸橋を渡ると堂平へ、直進すると天王寺尾根登山口へ向かう
この橋の袂に導標はないが、すぐ上に古い橋があり、そこに導標が立っている
堂平1時間30分、キユウハ沢1時間、札掛1時間40分の表示がある
天王寺尾根登山口 天王寺尾根登山口
ここから、天王寺尾根の稜線まで急坂が続いている
このすぐ先に、長尾尾根へ渡るつり橋がある
天王寺尾根 天王寺尾根
きつい登りが断続的に現れ、堂平コースよりはきつく感じる
稜線上を歩くが、この先のガレ場まで、見晴らしは殆どない
堂平分岐 堂平分岐
ここから、下の写真のガレ場まで緩やかな道が続く
広い尾根で、天王寺尾根では私が最も好きな所である
新緑頃が素晴らしい
天王寺尾根のガレ場 ガレ場
両側が切れており、途中に固定鎖がある
ここから丹沢山頂近くまで、しばらく急な登りが続く
ガレ場の上は、天王寺尾根で唯一、眺望が得られる場所で、大山が良く見える
丹沢山山頂付近の桟道 桟道
上の写真のガレ場を過ぎるとブナ林の中を歩く
最初に、木製の階段が現れ、その後、この桟道が現れる
この桟道を登りきると丹沢山〜丹沢三峰の稜線に出る
富士山 丹沢山の頂上は、周りに木が茂っていて眺望を得られないが、蛭ヶ岳の方へ5分ほど歩くと、このピークがある
ここからは、富士山、不動ノ峰、塔ノ岳を一望できる
不動ノ峰 不動ノ峰頂上
頂上のすぐ先に、休憩用のベンチがあり、見晴らしは抜群
写真中央の遠景は富士山
ここから鬼ヶ岩まで、見晴らしの良い稜線歩きが楽しめる
蛭ヶ岳と大室山 不動ノ峰頂上付近からの眺め
中央やや右のピークが蛭ヶ岳、その左の奥のピークは大室山
大室山の手前に棚沢ノ頭がある
棚沢ノ頭 棚沢ノ頭
今は休業しているが、ここからユーシンロッジへ下る道が分かれている
初めて蛭ヶ岳を登った時は、そのユーシンロッジから、ここへ登ってきたので懐かしさを感じる
蛭ヶ岳 鬼ヶ岩から見た蛭ヶ岳
今年は雪が殆どついていなかった
蛭ヶ岳山荘 蛭ヶ岳山荘
設置者は神奈川県体育協会で管理運営を民間の蛭ヶ岳山荘委員会が行ってる
丹沢では、尊仏山荘もここと同様設置者は公共団体で管理運営が民間とのこと
ここは、いつもストーブの暖かいのがありがたい
ストーブは自炊室にも入れてくれてい
蛭ヶ岳の夕日 蛭ヶ岳の夕日
蛭ヶ岳から見る富士山は宝永山が左側に出っ張っており、左右対称とは言い難い

1月7日
蛭ヶ岳頂上の朝 蛭ヶ岳頂上の朝
雲は出ていたが、富士山が眺められた
原小屋平 水場の標識原小屋平
水場の表示があり、谷へ下る踏み跡もあったが、どの程度下ればよいかは分からなかった
昨年ここの清掃を行い、ゴミを搬出したとインターネットのホームページに記載されていたが、既に一升瓶が広場脇に捨てられていた
姫次 姫次
丹沢で私が最も好きな場所の一つ
半分をカラマツ林に囲まれ、富士山の眺めが素晴らしい
姫次から見た富士山 姫次から眺めた富士山
青根分岐 丹沢三峰青根分岐(尾根ルート)
反対側が少し開けていて、丹沢三峰が眺められる
青根へ下る道 青根へ下る道1
上の写真の分岐を入ると、少しの間だが、平坦な笹薮の中を歩く
笹の丈が低いので、暗い感じはしない
青根へ下る道 青根へ下る道2
上の写真の笹薮のあとは、カラマツと松の混合樹林帯の中の道がしばらく続く
きつい下りが断続的に現れるが、浮石が少なく、落ち葉がクッションになり、比較的歩きやすい
休憩用ベンチ 休憩用ベンチ
八丁の頭1.36Km、青根3.9Kmと表示した導標が立っている
尾根ルートで休憩用のベンチがあるのはここだけ
尾根ルートの導標 導標
八丁の頭2.34Km、青根2.9Kmと表示した導標が立っており、上の写真の休憩用のベンチから1Kmほど下ったことになる
ここまで来ると林道まではあと僅か
杉の植林帯 杉の植林帯
後沢乗越の手前の植林帯と感じは似ており、陰気な感じはしなかった
林道(登山口)はすぐ先にある
蛭ヶ岳への登山口 導標の表示登山口
手前の百葉箱のようなものは、登山カード提出用のポスト
記入用の登山カードも沢山揃えてあった
八丁坂ノ頭方向は杉林の中と林道の奥(谷ルート)を示している

ここから青根までは舗装された林道が続いている
東野バス停 東野バス停
林道の出口はこのバス停の反対側にある
酒屋や食堂が周りにあり、西野々のバス停の前よりはにぎやかな感じがする
手前の道路は旧国道
以前袖平山へ登った際、この前を通ったが、ここから神の川へ入るのが分からなかった

このページの先頭へ
AC