親孝行や生き方の大切さを学んだ鴨下の実習体験談
7/20 痴呆の人たちと触れた施設での実習(7/15)」
7/22 利用者さんに自分の姿を重ねて気付いたこと(7/16)
7/23 追伸版「利用者さんたちと大笑いした思い出(7/16)」
7/24 グループ生活の家で世話をしていた茶髪の若者たち(7/18)
7/25 自信が持てた入浴介助と、利用者さんから学んだ親孝行(7/20)
2004.7.20(火)
とうとう今日が最後の実習日でした。3日も通うと、スタッフの方にも利用者さんにも顔見知りができて、今日が一番自分らしさを出せて、なんとも楽しい実習となりました(^^)。
特に、車椅子の利用者さんの入浴介助の体験は半人前ぐらいは介助のお手伝いができた気がして、嬉しかったです。二人目の時には、足を利用者さんの膝に割って入れ、立たせたり、方向を変えて、ベッドへ移乗させたりと、ぐらつくことなく介助することができました。
学校で行う利用者さん役の健常者相手とは大違い。半身マヒの身体はまっすぐには立たず、でもしっかりと健常なほうの腕がわたしの背中に伸びて、懸命にわたしの背中にしがみつこうとするのを感じ、わたしも精一杯、利用者さんの身体を支えていました。一心同体、なんだかそんな気がした一瞬でした。
では、少しずつ、わたしの実習体験記をアップロードしていきたいと思っています。
今回は、7/15の実習初体験の報告です。
☆鴨下の実習レポートその1「初めての実習(7/15)」
痴呆の人たちと触れた施設での実習(7/15)」
武蔵小金井の「開かずの踏み切り」を考慮に入れて、ちょっと早めに自転車で出発。そしたら、なんと40分も前に施設に到着し、回りをうろうろ(^_^;)。
「おはようございます」「おはようございます」顔が会う度、いろいろな方から朝のあいさつが飛んできます。父の入っていた施設でも感じてましたが、施設というものは笑顔の挨拶が常識なんだなぁ、などと思いながら、早めに事務所に行くと、小柄なきびきびとした女性の副園長さんがわたしの担当で、いろいろな説明をしてくれました。
一番印象に残ったのは、「人員の関係で、理想と現実はやはり少し違うんですよね」と残念そうにおっしゃった言葉でした。お茶タイムも、最初の理想は、カウンターの窓越しに、利用者さんからオーダーをもらい、カウンター越しにコーヒーやジュースを出せるようなカウンター形式だったそうです。でも現実には職員が運ぶ形になってしまったそうです。
さて、現場に出て、まず指示されたのはお手拭きたたみとお洗濯。ともかく、職員の人たちの動きが目まぐるしく、最初は見とれてしまいました。手も足も出ないとはこのことかも?(^_^;)
何かの作業をしている時もひょいひょいと顔を上げて、50名近い利用者さんたちに目配りをしてました。
残存機能を生かせるよう、できないことしかお手伝いをしない「身近な見守り」と、常に全体に目配りをする「大きな見守り」があるのだと気付きました。これも学校の勉強では学べないもののひとつでしょうか。
わたしはその日、担当者の指示で、時間の大半を車椅子の女性の隣りで過ごしました。彼女はわたしの手をにぎって、離そうとしませんでした。わたしが他の用事ででかけると、プーとベルがなります。彼女が席を立つと、ブザーが鳴るような仕掛けになっているのです。
彼女はほとんど言葉を発しませんでしたが、わたしの問いかけには首を横に振ったり、うなずいたりと応えてくれました。ひょうきんなことを言うと、笑顔になるので、わたしはなんだかんだとしゃべってました(^_^;)←毎度の無駄口?(^_^;)
嬉しかったのは、一人のおばあちゃんが同席となり、一緒におしゃべりしたのですが、スタッフの方がそばに寄って来て「○○さんがこんなにおしゃべりしたのを見るのは初めて!(・_・)」とびっくりされた時は嬉しかったですね(^_^)。
実は、歯がなくて、よく言ってることが聞き取なかったんですけど、合鎚を打つと、いつまでも調子よくしゃべってくれるので、適当に合鎚を打ってました(^_^;)。一人でしゃべって、時々笑い出すので、わたしはその笑顔につられて、一緒に声を上げて笑ってました。
それから、わたしの仕事(お手拭たたみなど)を手伝ってくれた利用者さんは、お礼を述べると、しきりと謙遜していました。実はなんとそのお手伝いをしてくれた利用者さんと今日(7/20)デイサービスの場で再会しました。
「働き者の○○さんっ!」と声をかけると、とっても嬉しそうでした。「その他大勢」ではなく、誰しも「個性をもった存在」として認められたいんですよね。それはわたしたち健常者だって同じかな?
こうして、実習第一日目はいろいろな方たちと「触れ合う」ことに終始しました。
話し掛けると、どなたも目に光がともるんです。皆さん、触れ合いを心から求めてらっしゃるんだなぁ、と実感した一日でした。
●7/15の初めての実習日のスケジュール
8:45 施設の概要等、実習に関する説明
9:00 引継ぎ等の朝礼
10:00 水分補給のお手伝い
12:00 昼食介助のお手伝い
13:00 利用者さんのお部屋誘導の見学(移乗)
コーヒータイムのお手伝い
14:00 利用者さんのお部屋誘導の見学(移乗)
15:00 お手拭きのセットのお手伝い
16:00 夕食セッティングのお手伝い
17:45 終了
2004.7.22(木) ☆鴨下の実習レポートその2「二日目の実習体験(7/16)」
「利用者さんに自分の姿を重ねて気付いたこと」
7/15の初日のフロアに比べ、今日のフロアには、しっかりと受け応えされる利用者さんが多く、わたしもいろいろな方とおしゃべりを楽しむことができました。
昨日のフロアは痴呆の進行が進んでいるフロアなので、いきなり誰もいないのに怒り出したり(^_^;)、よその人の食べ物を引ったくって、取り合いの喧嘩が始まったり(^_^;)、一点をじぃ〜っと見つめて固まったままの人など、ちょっと映画のワンシーンのような雰囲気でしたが、今日のフロアは、利用者さん同士でおしゃべりが始まったりして、病院の待合室といった雰囲気でしょうか。
ただ利用者さんに手がかからない分、わたしは食器洗いから手拭やエプロンたたみ、お茶のセットなど、介護の勉強というより労働奉仕者と言った感じ(^_^;)。フロアの責任者の男性もちょっと感じがよくなかったし(おいおい)。
利用者さんの立場になって考えた時、ひとつ気が付いたことがありました。
施設の利用者さんにとって、食事が「一番の楽しみ」とよく聞きます。体験の少ないわたしが言うのもなんなんですが(^_^;)、食事が「一番の楽しみ」なのではなくて、「食事しか楽しいことがない」っていうのが本音なんじゃないのかなぁ、と思っちゃったんですよね(^_^;)。
早めに着席した利用者さんたちは、配膳されるのをただ黙って待つしかありません。スタッフが一人一人車椅子の人を連れてくるので、全員そろうだけでも30分以上優に時間がかかってしまうのです。その間、手持ち無沙汰の人はあっちをきょろきょろ、こっちをきょろきょろ。しまいにはテーブルを叩く人もいます。だって、やることがないんですもん(^_^;)。
レストランでオーダーした食べ物が中々出てこない時、皆さんだってイライラしませんか?(^_^;) 何もすることがなくて、何十分も待たされたら、多分機嫌も悪くなりますよね。
50名近い利用者さんを数名のスタッフがお世話するのは大変なことだと思います。でも、だからこそ、ひと工夫、ふた工夫が必要なんじゃないかな、と思うんです。
ボランティアの人や、実習生が突然配属されても、充分お手伝いができるように、配膳の着席一覧表を作ったり(利用者さんがどこに座っているのかわからないため、お盆を運ぶのさえ、いちいちスタッフに聞かないといけなかったんです。それって、すごいロス! 外部の人が容易にお手伝いできない状態は双方にとっても不幸です)
多分このフロアでは、過去に控え室に遊び道具は置いてなかったのでしょう。だから現在も遊び道具がないのだと思います。
でも、ぐるりと利用者さんたちの様子を見渡せば、いつでも利用できるお手玉や剣玉など、簡単な遊び道具があれば、利用者さんたちが手持ち無沙汰にならずに、時間をうまく使えるのに、って気付くんじゃないのかなぁ、と思うんです。
ともかく、あやとりの紐さえ用意されてなかったのは驚きでした(^_^;)
あ、なんだか苦情ばかりになってしまった(^_^;)。多分、わたしの性格からして、そこにいらした利用者さんたちの姿に自分の姿を重ねて考えてしまったからかもしれません。
その旨を実習レポートに書いて、副園長先生へ提出したら、「中にいると発想が貧困になりがちです。外部の方達のアイディア・提案をありがたく受け止め、生かせるものは生かしていきたいと思います。提案をありがとうございます」との真摯なコメントをいただき、大いに恐縮してしまったわたしでした(^_^;)(^_^;)。
●7/16の二日目の実習日のスケジュール
9:00 引継ぎ等の朝礼
食器洗い・手拭洗濯(下洗い)・エプロン洗濯(下洗い)
10:00 水分補給のお手伝い
手拭・エプロンたたみ
片付け
12:00 昼食のお手伝い
食事介助
14:00 利用者さんたちとの談笑
おりがみで遊ぶ
15:00 おやつのお手伝い
片付けの手伝い
掃除の手伝い
16:00 利用者さんたちとの談笑
17:00 夕食のお手伝い
片付け
17:45 終了
2004.7.23(金)追伸版「利用者さんたちと大笑いした思い出(7/16)」
7/16の実習体験ですが、肝心の利用者さんとの交流を書くのを忘れてしまったので、追加することにします。
二日目の実習体験では痴呆の方が少なく、おしゃべりにも花が咲いたのですが、なんとわたしの横に座ったおばあちゃんは101歳、真向かいに座ったおばあちゃんは95歳だったんですよ(・_・)。
これには驚きました。だって、101歳のおばあちゃんがわたしの判断では一番しっかりされていたんですもの! わたしは嬉しくって、ニコニコしながら、101歳のおばあちゃんのおしゃべりを聞いてました。
95歳のおばあちゃんは耳が遠く、「小金井には鴨下と大久保って名前が多いのよねぇ」と何度も同じ言葉を繰り返してました(^_^;)。
それで、職員の一人が折り紙をくれて、わたしたちはさっそく折り紙を折り始めたんです。唯一、このフロアに用意されていたのは折り紙だけだったんですけどね(^_^;)。
わたしがモタモタと、「あれ?あれ?」なんぞと、折り紙と苦戦していると、95歳のおばあちゃんはするすると折り始め、あっという間に「はかま」を完成。
折った「はかま」を手に、おばあさんの口から完成した喜びの第一声が。
「できたわ、モモヒキ!」
一瞬何のことだかわからず、それから、わたしは笑い出してしまいました(^0^)。
わたしが笑い出すと、何のことだかわからないまま、おばあさんたちも一緒になって笑い出しました。
年齢を越えて、世代を越えて、小さいけれどもまたひとつ、お年寄りとの楽しい想い出ができました。
2004.7.24(金)☆鴨下の実習レポートその3「三日目の同行実習の体験談(7/18)」
グループ生活の家で世話をしていた茶髪の若者たち
見落としてしまうぐらいの普通の民家がグループハウスでした。
そして、何より、7名の実習生を驚かせたのは、出てきたスタッフが茶髪の20代の男の子だったことです。バイクにでも乗ってるのがお似合いな男の子が二人と、これまた渋谷で歩いているような茶髪・ピアス・指輪の可愛い女の子(^_^;)。
この意外な取り合わせのスタッフたちが、8名の利用者さんたちをまるで孫みたいな感じで見事にお世話をしていたんです。雰囲気よし(まるで自宅みたいで)、コミュニケーションよし(孫と祖父母といった感じ)、介護よし(これがまた見事に介護のお世話をしてたんです。これは驚きでした!)。
その若いスタッフはテキパキとわたしたち実習生に用事をお願いし、施設ではさせてもらえなかった身体介護もどんどんとわたしたちに手伝わせてくれました。
誘導は、利用者さんの前に立ち、利用者さんの腕のひじを外から軽く支えて、誘導します。その方法を若いスタッフから教えられ、その場ですぐに教えられた通りに誘導することができました。
やっぱり介護は、実際に体で覚えなくてはダメだと思うんですよね(^_^;)。
その意味でも、トイレ誘導、トイレ介助と、利用者さんとじかに触れての介助ができて、貴重な体験をすることができました。
最初のオリエンテーションの際、その茶髪の若者が言った言葉が全てを指しているのかもしれません。
「完全な介護はしなくてもいいです。介護なんか後でいいんです。ここでは楽しい雰囲気を作ってもらいたいんですよ。僕達はそうやってきましたから」
彼らスタッフが築き上げた方法はいろいろな所で勉強になることが多かったように思います。
@「好きなように食べてもらっているんです」と手づかみの食事もそっと見守っていました。「食べてもらうのが一番なんです」 この言葉にこちらの家全体に流れている自由さを感じることができました。
A外部のボランティアさんや実習生がお手伝いしやすいように、壁には座席のリストや薬の有無など、わかりやすい表が貼ってありました。そのお陰でわたしたち実習生も配膳等をスムースに行うことができました。
B新聞や遊び道具がいろいろと用意されていました。
新聞を読んでいる人、チラシを見ている人、また、遊びの時間にはお手玉も用意してありました。部屋には電子ピアノも。
駅で配っていたうちわをたくさんもらってきた茶髪の青年がうちわを配ると、そのうちわから、また新しいおしゃべりが拡がりました。
C8人の利用者の中には、10分置きにトイレに行く人、ほとんど寝たきりの人、痴呆の人など、決して容易な介護ではない人たちもいました。でも、3人のスタッフは普通のように介護(・_・)。それも驚きでした。食事の量、水分量、排泄の記録など、きちんとした管理も行われてました。
D一番印象的だったのは、やはりみんなが憩う居間の壁に、「大家族」と書かれた8人の顔写真と自己紹介文の張り紙が貼ってあったことです。わたしたち実習生がすみやかに利用者さんたちに、名前を呼んで声かけやおしゃべりができたのもその「大家族」の写真と紹介文のお陰でした。
この「大家族」の張り紙もまた茶髪のスタッフの見事な介護の象徴でしょうか。
この家では、いつでもお手伝いは大歓迎だそうです。いかがですか?茶髪の彼らをちょっと見てみたいと思った方、いらっしゃいませんか?(^−^)
本来は、利用者さんたちが利用する場所だけを掃除したりするのがわたしたち実習生の仕事でしたが、わたしは猛暑の中、庭や玄関の植木を剪定してきました。
汗が全身に吹き出し、作業は辛かったのですが、でも、その家の人たちに(茶髪の彼らや利用者さんたちに)喜んでもらいたくて、頑張ってやり遂げました。
久しぶりに気持ちよい汗をかいたな、と、その家を出る時、満足感にひたってました(^^)。介護する側にも喜びって、感じることができるんですね(^^)。
ん? それが一番大切なことかもしれませんね?
●7/18の三日目の同行実習のスケジュール
9:00 床拭き掃除
トイレそうじ
ガラス拭き
10:00 水分補給
トイレ介助
利用者さんたちと一緒に草むしり
12:00 昼食配膳
片付け
12:30 昼食
13:30 庭の草むしり
庭の植木剪定
15:00 おやつ配膳
食器片付け
利用者さんたちとの談笑
お手玉遊び
16:30 夕食作りの手伝い
夕食配膳
17:00 夕食
17:30 食器片付け・洗い
17:45 帰宅
2004.7.25(日)
☆鴨下の実習レポートその4「四日目のデイサービスの体験談(7/20)
自信が持てた入浴介助と、利用者さんから学んだ親孝行
この日ほど充実し、且つ、楽しんだ実習は初めてでした。
最初にフロアに到着するや、お手拭たたみのお手伝いに始まり。働き始めて4ヶ月というスタッフの方とおしゃべりしながら、水分補給のためのお茶セットなど、手際よく作業を進めていきました。
彼女は「ここに来て、四ヶ月ですけど、毎日毎日違うことが起こるから、まだ全然慣れてないって感じなんですよね」とのこと。そうですよね、4日ぐらいの実習では、介護の世界のほんの一部分しか体験できてないと思います。
何日か前、他の職員の方と昼食をご一緒した時に言われた事を思い出していました。
「もしヘルパーの仕事をやるつもりなら、ちょっと給料は安いですが、こういった施設に1ヶ月でも勤めて、基礎を学んでから始めたほうがいいですね」
4日の実習程度で、派遣ホームヘルパーとして働くのは、実習生の正直な感想としては、ちょっと無謀な気がします(^_^;)。
失敗を重ねながら、知識を得ていくのかもしれませんが、でも、こと、対象は利用者さん。失敗は許されないんですけどねぇ(しみじみ)。
他の実習生にも会って、わたしと同じように、知識だけを学びに来ている人が多いことを知りました。「いつか、役に立つと思うので」「老人にならない人はいませんしね」などと、言ってました。実際にホームヘルパーとして働きたい、と希望していた人はほんの数名でしたね。現状はまだまだホームヘルパーの人数は不足してると思います。
ところで、お茶のセットが終わると、「入浴介助のお手伝いをお願いします」とのこと。
お風呂場に行くと、大きな風呂場に車椅子ごと入浴できる風呂釜がありました。
さっそく脱衣を手伝い、お風呂場へ。シャワーで全身を洗う手伝いや、お尻に褥瘡(じょくそう)のきざしの赤い斑点があるかないかのチェックなどをしました。
風呂場はまさにサウナ状態(^_^;)。利用者さんにシャワーをかけるごとに、わたしの足元にもお湯がかかるのですが、却ってお湯がかかったほうが気持ちいいくらい(^_^;)。中で働いていた女性スタッフは額に汗をびっしょりとかきながら、優しい物腰で、手際よく作業を進めていました。
途中から、わたしは脱衣所で待機。ここももちろんサウナ状態(^_^;)。
利用者さんは最後に車椅子ごと、湯船につかると、長い入浴がおわり、着衣へ。
「わたしが拭きますので、利用者さんを立たせてくれますか?」と言われ、初めて、学校で練習したように、利用者さんの膝に足を入れ、利用者さんをわたしの体につかまってもらい、利用者さんを立たせました。
ふらつくことなく立たせることができ、そして、方向転換をして、そっとベッドへ腰を下ろしてもらいました。スムースに車椅子からベッドへの移乗ができ、内心「やったぁ!」と思わず笑みが(^ー^)。
着衣の段になり、手伝いながら、なんて効率よくやっているのだろうと感心しました。
まず、ベッドに座った状態で上着を着せ、おむつやズボンをひざまで着せ、靴下、靴をはかせた上で、もう一度利用者さんを立たせ、おむつやズボンを上まできちんと着せてあげるんです。
二人の利用者さんの入浴介助をしたこの体験は実習の中で一番の収穫でした。
そして、作業を全て終えた時、先ほど手伝ってくれた看護婦さんがやってきて、氷入りのカルピスを3つ持ってきてくれました。サウナから上がった時のビールみたいにそれはそれはおいしいカルピスでした(^0^)。
その日は一日、利用者さんたちと一緒に、フラダンスを観賞したり、歌を一緒に歌ったり、ゲームをしたりして、デイサービスを楽しみました。
ゲームでは、グループごとに勝ち負けを競うのですが、結構皆さん、本気で、勝ち負けにこだわるところが微笑ましかったですね(^^)。
こちらの施設のデイサービスですが、利用者さんの人数が多く、「待機組」と言って参加できない人もいるそうです。施設の入居も、入居者待ちはなんと300名以上いらっしゃるとのこと。こちらの施設に入る人はほとんどが小金井市民。つまり小金井市だけでも、まだまだたくさんの入居できない老人の方たちがいらっしゃるということなんですね。
ところで、このフロアで、二日目いろいろとお手伝いをしてくれた働き者の○○さんと再会することができたんです。「働き者の○○さん!」と声をかけると、とっても嬉しそうに笑ってました。
実は彼女は耳が悪く、耳元で大きな声で話さないと聞こえないんです。歌の時間となり、彼女は歌の本のページもわからず、遠くで歌っているボランティアの人たちをぼんやりとながめていました。
そこで、耳元で大きな声で歌ったら、一緒に歌を口すさんでくれました。歌の速度に合わせて肩をたたくと、○○さんの声もみなさんの声と重なってました。
このフロアで、ある女性と出会いました。
彼女は車椅子に乗っており、体がちょっとゆがんでおり、辛そうに座っていました。
隣りの利用者さんが、彼女は体のどこかが痛むのだと教えてくれました。
痛みが走ると、彼女の顔がゆがみます。でも、彼女は気丈な感じで歌を一緒に歌ってました。
次の曲が「りんごの唄」に決まり、長崎に住んでいた頃、母に連れられ入園前の小さな頃に、反戦集会によく連れられて行った話をしました。そこで、いつも歌う「りんごの唄」が小さい頃の想い出の曲でした。
大きな声で「りんごの唄」を歌うと、「元気がいいわねぇ」と彼女は喜んでくれました。「お母さんはいくつ?」「お子さんは?」などとおしゃべりが始まり、わたしのほうは母が心臓の手術をしたことや介護の勉強をするきっかけなどを話し、彼女は自分の両親のことや娘さんたちのことを話し、唄の合間じゅう、二人でおしゃべりをしました。
いつの間にか親孝行の話になって、「介護なんてうまくできなくてもいいのよ。一番大切なのはあなた、優しい言葉なのよ、わかった?」 顔をのぞき込みながら、彼女は何度もそう言いました。
同行実習先のあの茶髪の彼が言った「完全な介護はしなくてもいいです。介護なんか後でいいんです。ここでは楽しい雰囲気を作ってください」の言葉を思い返していました。
今回の実習で、わたしが学んだのは、それは、介護は「技術」の前に、「相手を思いやる心」が何よりも大切なのだと”身をもって知った”ことかな、と思います。
6月から始めたホームヘルパー2級資格取得の日々。大変なこともありましたが、でも、それ以上に実りの大きかった体験だと思います。
8月1日には無事「資格」を取得することができます(^−^)ヤッター。
この間、いろいろと学びましたが、余りにも情報量が多すぎて(^_^;)、整理整頓ができていません。痴呆や、健康について、知っておくと為になるなぁ、という情報がたくさんありました。
できましたら、少しずつ、バインダーを整理しつつ、役に立ちそうな情報を紹介できたらな、と思っています。
ということで、ホームヘルパー2級の実習4日間の報告でした。
追伸・・・
実は、「あなた、親孝行しなさいよ」と彼女が繰り返し言った、日頃は忘れかけているその言葉が今も耳元に張り付いてしまって(^_^;)・・・。頭ではわかっていても、「親に優しい言葉をかける」って難しいですよね?(^_^;)
皆さんは親に対して、優しい言葉、かけてます?(^_^;)
●7/20の四日目のデイサービス実習のスケジュール
9:00 手拭たたみ
椅子等の会場セットの手伝い
利用者さんのお迎え
入浴介助のお手伝い
10:00 お茶出しのお手伝い
ゲームのお手伝い
片付け
11.30 昼食準備のお手伝い
12:00 昼食
12:30 食器片付け
利用者さんとの談笑
13:00 フラダンス・歌の会
利用者さんたちと一緒に歌う
14:30 おやつ出しのお手伝い
15:00 おやつのお手伝い
おやつを食べづらい利用者さんの介助
16:00 皿とコップの片付け
食器洗い
17:00 送迎者を待つ利用者さんとの談笑
歌を歌ったり、談笑をしたり
17:45 終了
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