亀倉康之の仕事
亀倉康之の仕事
挿絵
亀倉康之の仕事
「一首一句」のスクラップブック
星きよき夜半のうす雪空晴れて
吹きとほす風を梢にぞきく
伏見院
雪だるま星のおしゃべりぺちゃくちゃと
松本たかし
今回ご紹介するのは新聞挿絵の原画である。康之は地元紙「新潟日報」に多くの挿絵を描いている。中でも長期にわたる連載が「一首一句 安立スハル 鑑賞ノート」である。1976〜78年、夕刊に毎週連載され、77回に及んだ。歌人の安立スハル (あんりゅうすはる)さんが一首一句を選び、美しい文章で綴った鑑賞ノート。その原稿を渡されて絵を描くというものであった。
毎週、楽しみながら苦しみながらの一枚であった。印刷は全てモノクロで、その印刷効果を引き出すためにいろいろと試していた。中間のトーンを出すためにあえて色を使って描くこともあった。ペンや筆は様々なものを加工し、自作のものが多かった。
今回ご紹介した一枚は1977年1月20日に掲載されたもの。これからも折りをみて原画を紹介してゆきたい。