CSN 2010年7月11日
スペインから助けを求める叫び
若い女性が農薬散布で危険に


情報源:Chemical Sensitivity Network, July 11, 2010
Environmental Medicine: Cry for help - Young Women in Help
http://www.csn-deutschland.de/blog/en/cry-for-help-young-woman-in-danger/l

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
Translated by Takeshi Yasuma, Citizens Against Chemicals Pollution (CACP)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2010年7月12日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/sick_school/cs_kaigai/CSN/100711_CSN_cry_for_help.html



化学物質に過敏な若い女性が農薬散布に苦しんで助けを求めている

 エルビラ・ロダはスペインのバレンシア地方に住んでおり、農薬散布に非常に苦しんでいる。彼女の家族と友人は国際的な支援を求めている。この35歳の女性は化学物質過敏症の患者である。彼女が住む地域は湿度と暑さのために多くの虫と蚊が発生する。そこでこの地域の当局は極めて有毒な有機リン系農薬を樹木や道路わきに散布している。これらの神経毒素はヒトと動物に非常に有害である。エルビラの家族は支援を求めて2010年7月1日に請願書を作成した。

専門病院の治療はうまくいったが、今は危機に直面している

 エルビラは、世界で最良の環境病のクリニックのひとつであるアメリカのダラスの環境健康センターで治療を受けた。彼女の健康状態は安定し、家族の下に戻ることができた。彼女のことははメディアで報道された。

 しかし、微量の香水に激しい反応を示すこの若い女性は、市当局が彼女の家の外で散布する極めて有毒な農薬のために、すでに何度も倒れていた。これらの農薬は体内の特定の解毒酵素を無効にし、農薬自身が体を害するので、彼女にとって非常に危険な状態である。

 現在、エルビラは毎日、避難するために海岸に連れられて来ているが、彼女はとりわけ光に過敏なので、海岸に来て過ごすことは彼女にとって非常に大変なことである。彼女は痙攣を起こし、免疫系障害があり、線維筋痛症(Fibromyalgia)の患者でもある。彼女は一日中、海岸で過ごすが、それは砂や水を楽しむためではなく、体調が悪いので”ベッド”で休むだけである。他に、何も解決の方法がない。それが彼女を危険な毒物への曝露から守る唯一の方法である。残念ながらスペインにも他のどこの国にも化学物質に過敏な人々のための緊急避難施設はない。

若い女性が危険である

 エルビラの両親は、有害物質のない彼女の生活空間として安全な”覆い”を彼女のために設計したので、この35歳の女性は今まではなんとかやっていくことができた。彼女は解毒のためのサウナを持っており、彼女が生きるためには天国であった。彼女には安全なオアシスであった。しかし、それは以前のことであった。現在は有毒な農薬が彼女の家から数メートル離れた場所で散布され、樹木は上から下まで農薬の霧で覆われた。

 家族は市当局に対し、この農薬散布がこの若い女性にとって危険であることを伝えた。彼らは、事前に農薬散布について知らせるよう要求した。多くの人は、散布された農薬がアパートの密閉した窓やドアを通って侵入することを理解していない。これらのタイプの農薬は長期間、活性が持続し、数日間あるいは数週間、ガスを放出し続ける。

 これらの農薬に脅かされるのは化学物質に過敏な人々だけでなく、この環境中に住む誰でも、特に免疫システムと解毒システムがまだ十分に発達していない赤ちゃんや子どもたちも脅かされる。この種の農薬の主要な目的は神経系を攻撃することであるが、クロルピリホスのように免疫系を損傷することができるものもあり、化学物質過敏症を引き起こすことも知られている。

エルビラ・ロダを支援する請願

 この農薬散布をやめさせるために、エルビラと彼女の家族は市議会に請願書を書いた。誰でもがこの請願書に署名し、コメントをすることができる。エルビラが国際的な支援を受けることが重要である。どうかファイスブックやウェブサイト、ツイッターでこのニュースを広めて家族を支援していただきたい。

エルビラ・ロダの請願書日本語訳
http://www.gopetition.com/online/37492.html

あなたの署名と意見:(訳注:ウェブ上で簡単に署名できます
http://www.gopetition.com/online/37492/sign.html

エルビラを支援し、励まし、希望を与えよう!

 エルビラの状況は Elvira Roda のウェブサイトで紹介されている。そこで、彼女の家族が彼女のために何をしたかを見ることができる。エルビラと彼女の家族を励ますために何語であろうとメッセージを書くのは素晴らしいことである。可能なら英語又はスペイン語が望ましいが、あなたの国の言葉でもコンピュータが翻訳してくれる。エルビラの大変な苦痛を理解できる過敏症の人はだれでも、今すぐ行動しよう。

 エルビラは電磁界(波)過敏症でもあるので、彼女自身が答えることはできないが、彼女へのメールを声をだして読んでもらうことができる。エルビラは彼女のウェブサイトを通じて連絡を取り続けようとしている。彼女は紙に手書きし、家族や友達がウェブページを更新する。彼女には集中的な介護が必要なので、ウェブに情報を公開するのに少し時間がかかる。 エルビラ 頑張れ!

 私たちは、市当局がスペイン中の全ての住民の利益となるであろう毒性のない害虫管理方法に取り組むことを早急に理解するよう、エルビラを是非支援したい。

著者:シルビア K. ミューラー(Silvia K. Muller)、2010年7月11日
CSN − Chemical Sensitivity Network
英訳:クリスチ・ホワース

どうぞこの記事をあなたのウェブサイトやブログに掲載してください。


請願書の日本語訳


請願
 これはスペインのバレンシア地方アルボヤラに市議会に対し、エルビラ・ロダが住むパタコナ地域で燻蒸のための有毒化学物質を使用しないよう求める請願です。  彼女は化学物質過敏症を患っており、その病状の厳しさのために彼女の地域で使用されている有機リン系などの農薬の使用は、彼女の健康を非常に損ねます。これらの有毒化学物質を避けることはまた彼女の隣人たちにとっても、非常に利益になることです。
 私たちはアルボラヤ(Alboraya)の市議会にヒト健康と環境に危険を及ぼさない製品−それらは全く入手可能なのですが−を使用するよう請願します。


 あなたは、私たちがグールの翻訳を通じてあなたに示すこれらのリンクから、エルビラ・ボンダの近隣の状況に関するいくつかの情報を見つけることができるでしょう。
 どうぞあなたのコメントを新聞に投稿し、有機リン系農薬の有害性を理解する人々を支援してください。
 どうぞこのオンライン・ペティション(ウェブ請願)をフィスブック、ブログなどを通じて広めてください。
 また、アルボラヤ市議会にあなたが手紙を書いてくださるようお願いします。
http://www.alboraya.org/basesAyto/home.nsf/FWSecciones?openform&sec=Atencion_Ciudadana&lg=ct

あなたの連帯に感謝します。



訳注:CSN 関連情報


化学物質問題市民研究会
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