予防原則関連情報のページ

予防原則について
化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
更新 2013年1月24日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/precautionary/precautionary_0.html

 ある行為が人間の健康あるいは環境に危害を与える恐れがある場合には、原因と結果の関連が科学的に完全には証明されていなくても、予防的措置がとられなくてはならない。
 このような状況においては、証明の責務は市民にではなく、行為を行なおうとする者にある。
 予防原則を適用する過程は公開され、知らされ、民主的でなくてはならず、影響を受けるかもしれない関連団体を参加させなければならない。また何もしないということも含めて代替案について十分に検討しなくてはならない。


■はじめに

 予防原則に関し、当ウェブサイトで紹介している情報をこのページにまとめたものです。
 資料中の日本語タイトルで、特に断り書きのないものは、当研究会が翻訳したものです。

■予防原則の基本要素

 代表的なものとして、2000 年2 月の「予防原則に関する欧州委員会コミュニケーションCOM 2000/1」で提唱されているEU 系予防原則と、1998 年1 月のウィングスプレッド声明に代表されるアメリカのNGOsや北欧で提唱されているウィングスプレッド系予防原則の基本要素を下記に示します。
 前者の基本要素は”政策立案者”からの視点によるもの、後者の基本要素は”被害を受ける側”からの視点によるものであるとも言えます。

 ◆EU の予防原則基本要素
  1. 選択された保護レベルに釣り合うこと
  2. 適用において非差別的であること
  3. 既に実施された類似の措置と一貫性があること
  4. 措置をとる叉は措置をとらない場合の潜在的便益とコストの検証に基づいているこ と
  5. 新しい科学データが得られた時には再検証の対象とすること
  6. リスク評価に必要な科学的証拠を作成する責任の所在を明確にすること
 ◆ウイングスプレッド系の予防原則基本要素
  1. 健康と環境を守る目標を設定して行動を起こすこと
  2. 危害を最小にする方法を求めて、目標を達成する全ての合理的な方法と代替を検証すること
  3. 立証責任は被害者や潜在的な被害者ではなく、行為の提案者に転換すること
  4. 健康と環境に影響を与える政策決定には、民主主義と透明性があること
■ウィングスプレッド系予防原則

1998年1月26日予防原則に関するウィングスプレッド会議/声明に基づき、アメリカにおいて、予防原則を主導的に推進している科学と環境健康ネットワーク(Science and Environmental Health Network (SEHN))及び、環境研究財団(Environmental Research Foundation−レイチェル・ニュース)が発表している論文を中心に紹介します。


ウイングスプレッド系予防原則では
  • ”どれだけの危害なら許容されるのか?” というリスク評価の問いではなく、”いかに危害を小さくすることが可能か?” ということを問う。 (ピーター・モンターギュ

  • 予防原則は、潜在的に有害な製品であってもその有害な影響の物理的証拠が確立され、かつ、環境的及び社会的コストが非常に高くつくとみなされるまでは使用しても問題ないとする”リスク評価”モデルに替わるものである。 (サンフランシスコ−予防原則


化学物質問題市民研究会
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